1月


22日
大塩 平八郎

(1793〜1831)

役人の不正 ゆるすまじ 「大塩平八郎の乱」

江戸後期の儒学者(陽明学者)。

大阪町奉行所の与力の息子として生まれました。はじめ江戸の林家に入門、朱子学を学ぶましたが、のち陽明学に転向し、高い学徳を身につけました。27歳の時、大坂町奉行配下の与力から吟味役となり裁断に敏腕をふるったといわれています。37歳の時に役を退き、洗心洞という家塾を開き、陽明学を教えていました。

しかし、そのころは、幕府や大名の財政がいきづまり、さらに、飢饉や洪水が続き、物価は上がり、生きるのにたいへんな時代でした。大阪でも米の値段が上がり、米が買えず、餓死する人がたくさんでたのです。しかし、大阪城には有り余るほどの米があったので、彼は町奉行に、倉を開いて、貧しい人に米を渡すよう申し込んだのです。

しかし、大坂町奉行所は有力商人と結託して江戸へ回す米の確保に努め、大坂の庶民をかえりみようとはしませんでした。新将軍就任の祝賀のために江戸では米を必要としており、大坂町奉行は庶民生活よりも自分の立場を優先したのです。

彼は、自分の5万冊の蔵書を売り払って貧窮する民衆1万人に金1朱ずつを与えたり、大商人や奉行所に対して庶民の窮状を訴えましたが、まったく聞き入れられませんでした。

奉行所の対応に怒りを感じた彼は、ついに門弟や農民約300人を従え、「救民」の旗を掲げて豪商が集まる大坂・船場を襲いました。鉄砲や大砲などの武器を準備し、その操作方法を門弟に伝授するなど、用意周到に行われた覚悟の決起でしたが、小規模な市街戦が行われただけで、半日ほどで乱は鎮圧されてしまいました。

その後、彼は1ヶ月以上にわたって逃走し、美吉屋五郎兵衛という商人の家に隠れていたときに、役人に囲まれ、火を放って自殺しました。
彼は与力になった時、学問の余暇を利用して武術を修練し、刀・銃・弓・槍などの武芸を学び、殊に槍術は関西第一と称せれるほどだったそうです。
大塩平八郎の乱により大阪の5分の1が焼けてしまいました。しかし、町民たちは事前に乱が起こることを知っていて、火事になったときなどの対策を考えていたようです。家が無くなってしまった町民たちも少なくありませんでしたが、人々は世直しのためと理解し、平八郎を恨むことなく復興に向けて準備しましたと伝えられています。
四海困窮せば天禄永く絶えん、小人に国家を治めしめば災害並び到ると・・・

天下の民が生前に困窮するようではその国も滅びるであろう。政治に当る器でない小人どもに国を治めさせて置くと、災害が並び起る

1月
22日
フランシス・ベーコン(1561〜1626)イギリス 政治家・哲学者

エリザベス朝の国璽尚書ニコラス・ベーコンの8男としてロンドンに生まれ、12歳でケンブリッジ大学に入学、3年後退学してグレー法曹院に入り、1576年駐仏大使に従いフランスに渡る。父の死のため帰国し、弁舌、文章共に優れていた彼は、1584年下院議員、1613年検事総長となり、ジェームズ1世の時代になると、大法官、子爵となり、権勢を張るが、1621年収賄罪で隠退。研究と著述に専念する。彼は正しい真理を得る方法として帰納法を主張した。自然法則を知り、実験や観察による経験の重要性を唱え、それを妨げるものを「イドラ(「偶像」アイドルの語源でもある)」(偏見、先入観、幻影)と呼び、4種類有ると説いた。これらを排除することにより、ようやくあるがままのものを見つめることができると考えた。彼は、経験哲学の始祖と言われている。
ドラ
 種族のイドラ……人間という種族に共通する偏見。
 洞窟のイドラ……個人の性癖・環境などに由来する、その人独特の偏見。
            洞窟の中にいて光が入らず、何も見えないたとえ。
 市場のイドラ……噂や言葉の不適切な使用などから来る偏見。
            市場での風聞にたとえている。
 劇場のイドラ……権威のあるものを批判せず受け入れてしまうことから発する偏見。
            劇場での舞台や芝居になぞらえたもの。
「知は力なり」(フランシス・ベーコン)
自然法則を充分に知り、また、経験をたくさん積み、それを使って自然を支配していけば、人間の世界は豊かになる、とベーコンは考えた。この経験の結果得た知識は自然を支配できる、という考え方を端的に示したのが、彼の有名な言葉である「知は力なり」である。
自然を支配するとは?
支配というと勘違いしそうだが、ベーコンは著書の「ノヴム=オルガヌム」において「自然は服従されることによってでなければ、征服されない」と言っている。つまり、自然の摂理・法則を無視してしまうと、人間は本当に自然を征服した事にならない、ということである。具体的にいえば一方的に森林伐採等をしていると、人間は自然を征服しているように見えるがあとで、その自然によってしっぺ返しを食らう、というわけである。自然を理解し従うことで、支配するということか?


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