まず僕は、あの「坊ちゃん」で有名な夏目漱石がつくった俳句の数々を、
角川春樹編「合本・現代俳句歳時記」の中からピックアップしたいと思います。
腸(はらわた)に春滴るや粥の味
鳩鳴いて烟の如き春に入る
白き皿に絵の具を溶けば春浅し
濃(こまや)かに弥生の雲の流れけり
春の夜や妻に教はる荻江節
長閑さや垣の外行く薬売り
永き日や欠伸うつして別れ行く
ちらちらと陽炎立ちぬ猫の塚
楽しんで蓋をあくれば干鱈かな
海を見て十歩に足りぬ畑を打つ
ふるひ寄せて白魚崩れんばかりなり
飯蛸の一かたまりや皿の藍
尼寺や彼岸桜は散りやすき
雀来て障子にうごく花の影
若草や水の滴る蜆籠(しじみかご)
菫(すみれ)程な小さき人に生れたし
以上、赤い文字は季語です。 「春」ばかりを選びましたが、最後の句「菫程な・・・」の句が、僕には
とてもいいように思いました。 その他の句も各々「漱石らしい」という感じがあってみんな好きです。
さて、今度は僕がつくった俳句のご披露です。 何しろ「ど素人」ですので、どうか笑いながらご鑑賞ください。
田のあぜや黙って咲きしレンゲ草 ( 2003年3月7日 )
紅梅のにほひに酔ひて犬歩む ( 2003年3月9日 )
弥生なる空に浮かびし昼の月 ( 2003年3月10日 )
春の雪あちらこちらをぼかしけり ( 2003年3月11日 )
蜆汁すゝりて妻の帰り待つ ( 2003年3月13日 )
名も知らぬ花咲き初みし春の野辺 ( 2003年3月14日 )
人影も無き川べりに春の雨 ( 2003年3月16日 )
よく見ればかへで見事に芽吹きをり ( 2003年3月16日 )
黄水仙何かよきことありそふな ( 2003年3月17日 )
川沿ひのそめひよしののつぼみかな ( 2003年3月18日 )
外(と)に出でて猫も見上ぐる春の月 ( 2003年3月19日 )
春浅し犬の散歩も風の中 ( 2003年3月20日 )
メジロ啼く声を聞きたり朝寝なか ( 2003年3月21日 )
黄の花か赤がいいかと蝶が舞ふ ( 2003年3月22日 )
戦塵のイラク思へば春哀し ( 2003年3月23日 )
病犬みて春の陽射しに寝そべれり ( 2003年3月24日 )
春浅く曇り空の夜ジロー逝く(愛犬のこと) ( 2003年3月25日 )
ジロー逝きて春は寂しくなりにけり ( 2003年3月26日 )
黄や赤や花々そっと咲きにけり ( 2003年3月27日 )
何ゆへの人生またも春きたる ( 2003年3月28日 )
菜の花を描きてみたし心地かな ( 2003年3月29日 )
春うらら上着が重くなりにけり ( 2003年3月30日 )
ついさつき弥生もをはり風も凪ぎ ( 2003年3月31日 )