消費税10%増税中止を!

延期ではダメ

 消費税増税先送りと言われていますが、きっぱり中止すべきです。

低下する実質賃金

 今の景気悪化は自然現象ではありません。「異次元の金融緩和」による物価上昇と消費税率8%への増税によって、国民の実質賃金、実質所得が大きく奪われた結果です。

 物価上昇を考慮した賃金水準を示す実質賃金指数(厚生労働省)はこの9月まで前年同月比で15カ月続けて低下しています。特に消費税が増税された4月以降はほぼ毎月マイナス3%前後と、低下幅が大きくなっています。

悪循環への引き金

 今の景気悪化は消費税増税の強行をはじめとする失政の結果であり、安倍首相はその責任を厳しく問われます。消費税率10%への再増税は、何年先に実施しようと、経済と暮らしを破壊する悪政です。先延ばしではなく、増税そのものをやめることが必要です。

トクするのは大企業

 消費税は輸出還付金というのがあります。輸出先には消費税を課税しないため、企業の仕入れにかかった消費税を戻す仕組みです。輸出大企業は、中小企業や下請けに対し単価を買いたたくことが多く、その場合、下請けに「払わなかった」消費税分まで税務署から還付を受けることになります。

 国税庁によると、11年度の還付額は、国税分で1兆9000億円。そのうち、売り上げ10億円以上の企業が1兆7000億円で、全体の9割を占めています。

消費税収支がマイナスの税務署(2011年度、国税分)
税務署名 納税額(1) 還付税額(2) 既往年分の
税額(3)
合計税額
(1+2+3)
主な輸出大企業
愛知県 豊田 266.7億円 1,360.1億円 0.7億円 ▲1,092.8億円 トヨタ自動車本社や関連会社
神奈川県 神奈川 463.9億円 914.1億円 0.9億円 ▲449.2億円 日産自動車本社
広島県 海田 88.7億円 356.6億円 0.4億円 ▲267.5億円 マツダ本社
大阪府 阿倍野 86.5億円 227.0億円 2.1億円 ▲138.4億円 シャープ本社
愛媛県 今治 116.3億円 213.3億円 0.8億円 ▲96.2億円 造船などの輸出企業
福岡県 直方 39.1億円 98.4億円 0.3億円 ▲59.0億円 トヨタ自動車九州
京都府 右京 161.7億円 190.0億円 0.4億円 ▲27.9億円 村田製作所本社
徳島県 阿南 26.3億円 48.2億円 0.7億円 ▲21.2億円 日亜化学工業本社など
大阪府 門真 296.9億円 322.1億円 4.4億円 ▲20.8億円 パナソニック本社
東京都 蒲田 377.5億円 398.1億円 0.3億円 ▲20.3億円 キヤノン本社
※各国税局統計情報から日本共産党佐々木憲昭衆院議員事務所が作成

いまでも税負担軽い大企業に、さらに減税はひどい

  財界は、消費税増税と同時に「法人税減税」を要求しています。安倍自民公明政権は、財界のこの要求にこたえて、消費税増税と法人税減税をねらっています。

大企業の実際の税負担率(2008〜2013年度)
企業名 税負担率
((2)/(1)×100)
(1)税引き前利益 (2)法人税
(住民税、事業税)
三菱商事 6.2% 1兆8148億円 1126億円
キヤノン 27.0% 1兆3971億円 3888億円
本田技研工業 18.0% 9064億円 1633億円
日産自動車 10.9% 7829億円 855億円
東燃ゼネラル石油 14.1% 4962億円 700億円
小松製作所 13.7% 4108億円 563億円
HOYA 8.3% 3332億円 278億円
三菱地所 24.5% 3148億円 771億円
いすゞ自動車 21.3% 2663億円 566億円
京セラ 13.9% 3271億円 456億円
※各企業の2008〜13年度の6年間の決算(単体)データにより計算

社会保障の財源はウソ

消費税増税分5兆円の「使途」。基礎年金国庫負担2.95兆円と「安定財源」確保1.3兆円(消費税に財源を置き換え)、消費税増税に伴う支出増0.2兆円(増税対応分)、社会保障の「充実」0.5兆円(制度改悪) 消費税が社会保障財源というのはウソです。既存の社会保障財源を消費税増税分に置き換えれば、浮いた分は他の財源に回せます。安倍内閣は震災復興増税の企業負担廃止など大企業減税や公共事業、軍事費のバラマキを進めています。「すべて社会保障に」というのはでたらめです。

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