国民年金 あらたに年18万円超す負担強いる案

加入期間を65歳まで引き上げ

 「100年安心」と言っていたのに、今度は、60歳以上になってもさらに年金掛け金を払わせる検討が厚労省内で始まっています。「100年安心」どころか、この間も掛け金は増え、受給額は減らされる…今度は加入期間の延長で高齢者に重い負担です。

 厚生労働省は1日、国民年金(基礎年金)の加入期間(20歳から60歳になるまでの40年間)を5年延長し、65歳までの45年間とする案を社会保障審議会年金部会に示し、大筋了承されました。新たに5年間に負担することになる保険料は単純計算で年18万円〜20万円にもなり、支給開始年齢の引き上げ(65歳)に続いて、保険料でも大変な負担増を強いるものです。高齢者にまともな収入もないなかで高齢者の生活を直撃することは必至です。

 厚労省は、支給開始年齢を引き上げておきながら、「高齢者の就業意欲が非常に高い」などとして延長は可能だとしました。

 さらに年金の給付水準(現役世代の平均収入に対する年金の割合、現在62.7%)が2043年には50.6%に落ち込むと指摘。2004年の年金改定で「100年安心」といっていたのに、加入期間を5年延長すると給付水準を57.1%に改善できるといって、負担増を押し付ける考えを示しました。

 昨年4月、希望者全員を65歳まで雇うことが企業に義務付けられましたが、60代後半の就業率は4割を切っているのが実態です。部会でも労働者側は「小規模事業所ほど雇用は不安定で所得も大企業とは格差がある」と慎重な議論を求めました。

 厚労省はさらに、支給開始年齢についても65〜70歳まで選択できる繰り下げ制度の活用をすすめていく考えを表明。加入期間の延長と併せて年金削減と負担増を進めていく姿勢を示しました。 

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