70〜74歳 来年から医療費負担2倍に

大企業優遇し庶民に負担おしつけ政治やめよ!

 安倍内閣は12日に閣議決定した2014年度予算編成の基本方針で、現在1割負担となっている70〜74歳の医療費の自己負担について2割に引き上げることを決めました。

高齢者いじめやめろ!

 来年4月以降に70歳になる人から2割負担とし、対象者は最終的に930万人(19年度)にのぼります。

 厚労省は、患者負担が1900億円増えるだけでなく、2100億円もの受診抑制が起きることを、日本共産党の小池晃参院議員の質問(2日)に対して明らかにしました。

 現在、70〜74歳の窓口負担の平均は年4.5万円。2割負担によって1人あたり年間2万430円の負担増に加えて、2万2580円もの受診抑制を強いられることになります。

 政府は国費を2600億円削減できると強調しますが、小池氏は「必要な医療が抑制される危険は避けられない。高齢者の生活と健康に深刻な打撃を与えることは明らかだ」と撤回を求めました。

 小泉政権下の2006年に08年度からの2割負担が決められましたが、07年の参院選で自公政権が惨敗。引き上げが見送られ、その後の民主党政権でもできませんでした。当時の福田康夫首相は「高齢者の方が置かれているさまざまな状況に配慮しながら、きめ細かな対応に努める必要がある」(07年10月)と高齢者が厳しい生活に置かれていることを理由にあげていました。

 田村憲久厚労相は、70歳未満が3割負担だとして「世代間の公平」を引き上げの理由にあげていますが、「高いほうに合わせるのが間違っている。高齢者の生活実態を見れば変える理由はない」(小池氏)のが現実です。

他国の医療費自己負担
国名 外来 入院 薬剤
ドイツ
(2011年)
同一疾病につき四半期ごとに
10ユーロ(約1420円)
1日につき10ユーロ(約1420円)
年28日限度
10%定率
上限10ユーロ
下限5ユーロ
スウェーデン
(2010年)
県が独自に設定。
上限は全国一律
年間900クローナ(約14100円)
日額上限80クローナ
(約1250円)の範囲内
全国一律自己負担。
年間約28200円が上限
イギリス
(2011年)
原則自己負担なし
※外来処方薬については1処方当たり定額負担。歯科治療については3種類の定額負担あり。
高齢者、低所得者、妊婦等は免除あり。
フランス
(2011年)
外来30%、入院20%、薬剤35%(抗ガン剤など高額な医薬品0%)
(自己負担分を補填する共済組合保険が発達し、国民の8割が加入)

貧困広げる派遣の禁止こそ

 厚生労働省は12日、企業が派遣労働者を受け入れる期間の上限をなくし、半永久的に使い続けられるようにする改悪案を労働政策審議会の部会に示しました。

 無期雇用の派遣は「雇用が安定」だといって無期限に派遣できるとし、有期雇用の派遣についても上限を3年に延長して、人を入れ替えれば半永久的に派遣を使い続けられるようにします。この場合、派遣先の労働組合などの意見を聞くだけでよく、派遣への置き換えに対する歯止めにならない内容です。

 改悪を中止し、正社員で安定して働けるようにすべきです。

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