市民の実態ふまえ対策強化を!
南海トラフ自身の想定が発表され、東大阪市では震度6強の強い揺れによる大きな被害が予想され、また昨今、ゲリラ豪雨で浸水被害も心配されています。
このもとで市民の意識や行政にのぞむ防災・減災対策について簡単なアンケートに取り組みました。その概要を紹介します。(ご協力いただいた方に感謝します)
調査概要
- 調査期間
- 2012年9月13日〜10月2日時点
- 調査対象
- 弥刀中学校区周辺にお住まいの20歳以上の男女
- 調査方法
- 面談での聞き取り・本人記入
- 回収数
- 131件
アンケート項目
- 1.市から配られている防災マップや洪水・土砂災害ハザードマップなどはどのように活用していますか?
- 日頃からよく読んで目に見えるところにおいてある(14.5%)
- 読んだことあり、引き出しなどにしまってある(42.7%)
- 読んだことがあるが、今はどこにあるかわからない(20.6%)
- 読んだこともないし、どこにあるかもわからない(18.3%)
- その他( )(3.1%)
- 読んだことあり、引き出しなどにしまってある(42.7%)
- 2.家庭でどんな防災・減災対策をしていますか?下記の中からあてはまるものすべてに○をつけてください。
- 家族と緊急時の連絡先や避難方法の確認している(29.8%)
- 非常用持ち出し袋(携帯ラジオ・懐中電灯・医薬品など)を準備している(45.8%)
- 飲料水や食料などを備蓄物資をそろえている(29.0%)
- 家具や冷蔵庫・テレビなどの転倒防止のため固定している(12.2%)
- ガラスが飛散しないように対策をとっている(5.3%)
- 避難所への安全な道を確認している(22.9%)
- その他( )(0.0%)
- 特に何もしていない(29.8%)
- 非常用持ち出し袋(携帯ラジオ・懐中電灯・医薬品など)を準備している(45.8%)
- 3.行政にのぞむ防災・減災の取り組みは何ですか?下記の中からあてはまるものすべてに○をつけてください。
- 震災などの被害想定など正しい情報提供(53.4%)
- 住宅耐震化のための補助(26.7%)
- 高齢者や障がい者、妊婦など災害時に特に援助を必要とする方への支援(45.0%)
- 防災マップ、洪水・土砂災害ハザードマップの改善配布(24.4%)
- 学校や公共施設の耐震化(42.0%)
- ゲリラ豪雨対策のための対策、下水道整備など(34.4%)
- 食料・飲料水・医薬品の備蓄(56.5%)
- 救急、救助、医療体制の充実(54.2%)
- 自主防災組織への援助(14.5%)
- 地域で災害時に活躍する防災リーダーの育成(28.2%)
- 防災訓練の充実(16.0%)
- その他( )(3.8%)
- 住宅耐震化のための補助(26.7%)
- 4.大震災やゲリラ豪雨など自然災害に対して、不安に感じていることやあなたのお住まいの地域で、自然災害の時に危険性が高いのでは?と気になっていることはありますか?
ハザードマップをいざという時に役立てよう!
防災アンケートでは、防災マップや洪水・土砂災害ハザードマップについて、「読んだことがある」人は77.8%と関心が高いことがうかがえます。しかし、「読んだこともないし、どこにあるかもわからない」と回答する人が18.3%。「読んだことがあるが、今はどこにあるかわからない」と合わせるとマップがいま「どこにあるかわからない」人が38.9%、約4割の方が、いざというときにあわてて探す…ことになりそうです。日頃からチェックを!
家庭での防災対策
家庭での防災対策の問いに対して、45.8%が非常用持ち出し袋を用意しているとこたえています。なかには「持ち出し袋があるが18年前に購入したもので、中身のチェックをしていない」と回答した方もいて、この用意した持ち出し袋についても置き場所や中身など実際に役に立つようになっているかなどちょっと気にしていく必要があるのではないでしょうか?
朝方に起きた阪神大震災では、就寝中ということもあり、「死因の約8割が圧死と窒息死」と言われています。これを防ぐには、住宅の耐震化と家具の転倒防止が大切です。アンケートでは「家具などの転倒防止」に取り組んでいる市民はわずか12.2%でした。(大阪府調査では26.14%)またこの家具などの転倒防止について「やりたいと思っているがやり方がわからない」とコメントを記載している方もいて、「仕方」を普及するとともに、「仕方」がわかっても、高齢者や障がい者世帯など自分で転倒防止の器具取り付けるのが困難な方への援助が必要です。(関東などでは補助金制度などで家具の転倒防止を推進しています)
「特に何もしていない」とこたえた方が約3割あり(大阪府調査の約1.5倍)。いつ起きるか分からない災害ということもあり現実感が無く、また何をどのように考えたらよいかわからないのか「なるようになる」「仕方ない」といった声も少なくありませんでした。
4の問いには、たくさんの声が記載されていました。ゲリラ豪雨対策や高齢者、障がい者への支援、マンション耐震性の不安や対策など様々な声が寄せられました。これらを参考に議会論戦もすすめます。
ありがとうございました。 上原けんさく