最大の既得権は富裕層・大企業に

富裕層・大企業に応分の負担を!

 日本の大企業上位400社が納めた法人3税の負担率が、2003年度から11年度の9年間に10ポイント近く減少していることがわかりました。

 法人3税は法人税、法人事業税、法人住民税。3税を合わせた実効税率は約40%です。しかし、大企業優遇税制のため、実際に納めた法人3税の負担率は税率より低くなっています。

 各企業の決算データをもとに、各年度の税引き前当期純利益の上位企業について、法人3税負担額の税引き前当期純利益に対する割合(負担率)を試算しました。上位400社で03年度に34.4%だった負担率が、11年度には24.7%へ9.7ポイント下落しました。上位50社に限定すれば34.9%(03年度)から23.0%(11年度)へ11.9ポイントも下落しました。

 下落幅が目立つのは11年度です。10年度には上位400社で28.9%だった負担率が24.7%へと4.2ポイント下落しました。上位50社の場合では30.1%から23.0%へと7.1ポイントも急落しました。

大企業ほどトクする制度

 背景には09年度に導入された「海外子会社配当益金不算入」の制度があります。この制度は外国子会社から受ける配当などの額の95%を非課税とするもので、海外に子会社を多く持つ大企業ほど恩恵が大きくなります。日本経団連(米倉弘昌会長)が導入を求めてきました。また100%出資の子会社について、親会社と損益を合算して法人税額を計算する連結納税制度や研究開発減税なども大企業ほど減税になる制度です。

 財界は消費税増税を迫る一方で、“日本の法人税は高い”として、さらなる法人課税の引き下げを求めています。

企業の公的負担(対GDP比)の各国比較。日本7.6%、ドイツ9.1%、イタリア11.7%、フランス14.0%。日本の企業の公的負担を欧州並みにすると、新たな財源は、ドイツ並みで7.5兆円、イタリア並みで20.5兆円、フランス並みで32兆円。 しかし、日本の大企業の実際の税負担は軽く、欧州よりもはるかに低いものです。日産のゴーン氏がいたルノーのあるフランス並にすると新たに32兆円も財源が生まれる計算です。

 そして資産家たちなど富裕層の税負担が所得を1億を超えると下がって、所得が100億円の人でわずか14.2%です。こうした大企業と富裕層に応分の負担を求めるべきです。

法人税の負担率の低い主な企業(実質法人3税負担率)
企業名 負担率
三井物産 9.1%
住友商事 9.9%
三菱商事 11.5%
HOYA 13.7%
日本電産 15.2%
豊田通商 15.6%
東燃ゼネラル石油 17.8%
京セラ 18.2%
三井不動産 18.9%
住友化学 19.9%
村田製作所 21.3%
ブリヂストン 21.5%
小松製作所 21.8%
三菱地所 21.9%
日産自動車 22.9%
NTTドコモ 23.0%
神戸製鋼所 23.5%
クボタ 25.4%
アイシン精機 25.7%
本田技研工業 26.5%
ソニー 27.5%
トヨタ自動車 30.8%
キヤノン 32.6%

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