育鵬社の公民教科書、東大阪市教委が採択

大日本帝国憲法を評価し、原発推進の立場一方的に教える

 東大阪市教育委員会は、国民の自由と権利を抑圧した大日本帝国憲法を評価し、原発推進の立場を露骨に表明した育鵬社の中学校公民教科書を採択しました。

 東大阪市教育委員会は7月28日、来年度からの中学校で使う教科書を採択しました。

 なかでも、中学校の公民の教科書は、全国的に問題となっている育鵬社の「あたらしいみんなの公民」が選ばれました。この教科書採択後、130件以上の声が教育委員会に寄せられ、ほとんどが批判の声です。

賛否両方の意見で結論出ず―教科書選定委員会

 教科書を決める手続は、東大阪市教育委員会が任命した東大阪市立義務教育諸学校教科用図書選定委員会(選定委員会)が、7社ある教科書会社から3社を選定し、教育委員会に答申をし、教育委員会が審議して決定することになっています。

 しかし、今回は歴史と公民の教科書について、選定委員会は4社を教育委員会に答申していました。育鵬社以外の3社については、意見は一致して問題なく答申することになりましたが、育鵬社の教科書については、強く推す意見と強い反対の意見に分かれ、選定委員会では結論を出さず、教育員会に4社答申となりました。教育委員会では、特に公民の教科書で審議になり、採決の結果4対1で、公民は育鵬社に、歴史は2対3で東京書籍となりました。

あえて意見が一致しない教科書を採択することへの疑問・反対意見続出

 親や現場の教師の中にも、「間違った認識を一方的に教えるのは問題」と強い反対があります。平和と民主主義を理念とする憲法に真っ向から逆行することを教える「教科書」を使用することに反対の運動が広がっています。

 選定委員会は、通常は3社の答申を、あえて意見が一致しない教科書も含めて4社の答申をしたのか?疑問が残ります。

 大阪では東大阪だけ、全国でも数カ所でしか採択されていなく問題の指摘されている教科書を採択したことに、いま急速に教育委員会への市民的な批判の声が強まっています。

国民の自由と権利を抑圧した大日本帝国憲法を評価
原発推進の立場を露骨に表明―育鵬社の公民教科書

原発推進の異様

★日本のエネルギー事情

 原発について「地球温暖化の原因となる二酸化炭素をほとんど出さず、原料となるウランをくり返し利用できる利点があります」と記述されています。

→実際は、製造から廃炉までの全過程で多くの二酸化炭素を出し、しかも「死の灰」をつくりだします。ウランをくり返し利用するということは、核兵器の材料にもなるプルトニウムを再利用する危険な方法です。

大日本帝国憲法

 大日本帝国憲法は人権を大事にした、いい憲法だと描いています。しかし、帝国憲法のもとでは主権者は天皇で、国民の権利は制限され、言論の自由や集会の自由もありませんでした。

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