戦後未曽有 大災害下の来年度予算

ムダ遣い、このままでええのん?

 死者・行方不明者2万7千人を超す東日本大震災と、多数の避難者を出している福島第1原発事故―戦後未曽有の危機の救援・復興には巨額の費用を要する文字通りの国家的プロジェクトが必要です。政府も現時点での大震災被害総額を16兆円から25兆円と見積もり、さらに増えると予想しています。それにもかかわらず、震災前からのムダ遣い計画はそのまま。決定も間近に迫るなか、このままでいいのかが問われています。

2兆円 大企業・大資産家減税―バラマキやめ復興財源に

 大震災の救援と復興に巨額の費用が必要なときに大企業に減税か―こんな声が大きくなっています。政府が2011年度予算案で法人税を5%引き下げ、1兆5千億円も減税しようとしているからです。株の配当や売買で得た所得への課税でも、20%から10%に軽減している優遇税制を2年間延長しようとしています。

 大企業・大資産家への減税は約2兆円に上ります。これだけあれば、救援と復興にどれだけ役立つか、だれしも思うことです。

 日本共産党は、こうした大企業減税をやめ、復興の財源に回せと主張。佐々木憲昭衆院議員は25日の財務金融委員会で政府を追及しました。野田佳彦財務相は「ご指摘のものも含めて議論する」と減税撤回の可能性を示唆。政府に法人税引き下げを執ように迫ってきた日本経団連の米倉弘昌会長でさえ、「法人実効税率の引き下げも(見直しの)検討対象になるだろう」(「日経」3月24日付)と述べざるをえなくなっています。

 大企業の内部留保244兆円の活用とともに、大企業・大資産家へのバラマキは震災対策に回すべきです。

5500億円 巨大港湾開発―被災した港湾・漁港の復旧こそ

 東日本大震災では青森県から茨城県にかけての港湾14港が壊滅的被害を受けました。岩手県大船渡港は港全体が地盤沈下し、津波防波堤は一部を除き水没。宮城県石巻港も荷さばきヤードが液状化し舗装に亀裂や陥没が起きています。

 これらの港湾は物流の拠点であり、地域経済にとっても重要な役割を担っています。それだけに港湾・漁港の復旧が急がれます。

 ところが政府がやろうとしているのは、京浜港や阪神港に水深16メートルの巨大岸壁をつくるため2020年までに5500億円をつぎ込む「国際戦略港湾」事業。11年度予算案で327億円を計上しています。

 日本共産党の穀田恵二議員は25日の衆院国土交通委員会で「国際戦略港湾につぎ込む予算は災害復旧に回すべきだ」と求めました。

 大畠章宏国交相は「日本の経済力を衰退させては困る」と答弁しましたが、巨大港湾開発に固執する姿勢が問われます。

バナースペース

上原けんさく事務所

〒577-0816
東大阪市友井2-9-21

TEL 06-6730-5840
FAX 06-6730-5850