TRX-602 VXO の改造
2001/9/29
Last update : 2001/10/2
改造内容
TRX-602 の VXO (VXO-1)
周波数可変幅を拡大するため、アイテック電子からキットと同じ 13MHz の水晶振動子をもう1個購入し、スーパーVXO(水晶振動子2個パラ)にしました。
2個の水晶振動子と自作空芯コイル(右上)
周波数安定度を向上させるため、VXO用コイル(水晶振動子と直列のコイル)を FCZ 7S3R5 から自作空芯コイル(7Kボビンに0.11mmウレタン線85ターン)に変更しました(コア無しですが、今回はシールドケースを使用しました)。あわせて水晶振動子のケースはアースしました。
上記の結果、送受信周波数は50.1497〜50.2307 MHzに仕上がりました。もちろん、もっと下に拡大可能ですが、この程度に押さえました。
周波数安定度ですが、最小桁100Hzの周波数カウンタで測定したところ、時間の経過により100Hzの桁が1つ(せいぜい2つ)動く程度で、実用的には十分となりました。
測定データ等
コイルについては、上記結論に至るまで、試行錯誤で苦労しました。「コイルを巻いて基板に半田づけし測定してはずす」を20回近く繰り返しました。アミドントロイダルコア、7Kボビン(空芯)を使いましたが、共に1ターン違っても周波数可変幅が大きく変わります。ただし、はじめから空芯にし、周波数に細かくこだわらなければここまでしないで済みます。測定データの例を以下に示します。
VXO コイル | 送受信周波数範囲(例) | 周波数安定度 |
オリジナル(FCZ 7S3R5) +スーパーVXO (水晶振動子ケースアースせず) |
50.1300〜50.2313MHz(例) | 電源ON6分で800Hzの低下 (その後、時間の経過により 100Hzの桁が1つ動く程度) |
アミドントロイダルコア T-50-6 に0.32mmの線を60ターン (水晶振動子ケースアースせず) |
50.1362〜50.2348MHz | 電源ON8分で300Hzの低下 (その後、時間の経過により 100Hzの桁が1つ動く程度) |
同 59ターン | 50.1551〜50.2409MHz | − |
同 61ターン | 50.0582〜50.2140 MHz | − |
【最終】自作空芯コイル 7Kボビン、0.11mmウレタン線 85ターン、コア無し、ケースは使用 (水晶振動子のケースはアース) |
50.1497〜50.2307 MHz | 電源ON5分以内は100Hzの桁が 1つか2つ下がる程度 (その後、時間の経過により 100Hzの桁が1つ動く程度) |
同 83ターン(条件は微妙に違う) | 50.1726〜50.2392 MHz | − |
同 86ターン(〃) | 50.1334〜50.2245 MHz | − |
トロイダルコイルをこの用途に使う場合、しっかり固定しないと、わずかな振動で周波数が変動しBFです。
7Kボビンは FCZ 7S コイルと同じサイズなのでFBです。コイルの巻線の固定はロウソクのロウ2滴を使いました(長期的にはエポキシ等の方が良いかもしれません)。
水晶振動子のケースは最終的にアースしましたが、アースすると周波数に影響があるため、アースするならコイル微調整前にすべきです。
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