3.5MHz CW 送信機 CW-TX-80 の製作

海のかざり

2013/9/23
Last update : 2016/6/27

花のアニメCW-TX-80 の概要

3.5MHz CW 送信機 「CW-TX-80」を製作しました(2013年8月完成)。
全体としてはオリジナルですが、可変周波数発振回路は、製作当時、キャリブレーションから発売されていた「CalKit かげろうシリーズ」の「7MHz CR-VXO」を用いて 3.5MHz 帯を取り出しました。
ドライバとファイナルは、JF1RNR 今井 OM 著「手作りトランシーバ入門」の「1.9MHz CW 送信機」を参考にしています。
出力は 5W ですが、QRPp にも対応したかったので、500mW にも切り替えられるようにしました。

CW-TX-80 外観

CW-TX-80
(テイシン TC-110に収納した:W80×D110×H30)
(チューニングツマミは、サトーパーツのメタルツマミ K-59-S-AG を使用)

CW-TX-80 リアパネル

CW-TX-80 リアパネル

あゆ 40」(市販の専用ケースより一回り小さい)と同じアルミケースに入れました。手のひらサイズ(QSLカードの面積比60%の大きさ)ですが、出力は 5W です。「144MHz CW 送信機 CW-TX-2」も同じケース・パネルデザインです(CW-TX-80 の方がスイッチが1つ多い)。


花のアニメ製作概要

CW-TX-80 内部

CW-TX-80 内部
(ドライバ、ファイナルは右下の FCZ基板に実装)
(ファイナルのコレクタのコイル、ローパスフィルタ、リレーは右上の穴あき基板に実装)

製作概要は以下の通りです。

CW-TX-80 ファイナル ファイナルトランジスタのコレクタに接続されるコイル

CW-TX-80 ファイナル
(ファイナルトランジスタは 2SC2078(写真左))
(そのコレクタに接続されるコイル(FT-50#61 バイファイラ 11T)は、ローパスフィルタと同じ基板に設置している(写真右))
写真左の手前に見えるトロイダルコイルは、ドライバのコレクタに接続されるコイル(FT-37#43 バイファイラ 10T))

CW-TX-80 調整部分

CW-TX-80 調整部分
(2個の半固定抵抗は、ドライバのエミッタ抵抗微調整用(出力パワー設定:5W と 500mW))
(黒色と黄色のトリマコンデンサは、周波数可変範囲設定用)
(オレンジ色のトリマコンデンサは、受信時の周波数シフト幅設定用)
(青色のトリマコンデンサは、CAL と実送信での周波数ずれの補正用)


花のアニメセラミック発振子を用いた可変周波数発振回路

周波数変換を伴わない 7MHz 帯以上のシンプルな送信機の可変周波数発振回路は、VXO(可変水晶発振)が用いられることが多いですが、3.5MHz 帯以下の VXO は難しい(うまく可変しない)と言われています。私もトライしてみましたが、難しかったです。そこで、次は、水晶振動子ではなく、3.58MHz のセラミック発振子を用いた可変周波数発振回路にトライしましたが、オリジナルの回路では安定してうまく発振しませんでした。そのようなことをしているうちに、キャリブレーションから「CalKit かげろうシリーズ」の「7MHz CR-VXO」が発売されたので、購入してテストしたところ、3.5MHz 帯の CW 送信機としても何とか実用になる程度に安定して発振したので、採用することにしました。なお、3.5MHz 帯以下では、自励発振の VFO(可変周波数発振回路)も選択肢として考えられます。

CalKit かげろうシリーズ 7MHz CR-VXO 改 3.58MHz セラミック発振子

CalKit かげろうシリーズ 7MHz CR-VXO 改(左)と 3.58MHz セラミック発振子(右)
(キットにはバリコンも付いている)

「7MHz CR-VXO」のオリジナルでは、セラミック発振子を 3.5MHz 帯で発振させ、出力のコイルに 7MHz 用を用いることにより、第2高調波の 7MHz 帯を取り出していますが、今回は 3.5MHz 帯の出力が必要なので、出力のコイルを 3.5MHz 用に交換しました。周波数可変範囲が最大になるようにして測定したところ、3.489〜3.614 MHz でした。これを2倍すると 6.978〜7.228 MHz となり、7MHz 帯をフルカバーします。

今回は CW 送信機なので、3.500〜3.530 MHz がカバーできるように調整しました(バリコンに直列・並列にコンデンサを追加し、周波数可変範囲を狭めました)。


花のアニメ交信状況

交信回数は 200 回以上で、日本全国に加え、以下の国・地域と交信できました(2014/7/6 現在、交信順)。

Guam
United States of America
Asiatic Russia
China
Mongolia

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