ラジオ少年 AMP−1−DXX

※追記 電源トランスの向きを変えてみた。(2012/03/18)
ラジオ少年の真空管アンプキットです。TU−870Rでも真空管アンプの中では結構安いと思いますが、このキットはさらに安いです。
あまり高価な物を買えない私としては、資金をやりくりして作ってみました。ちなみに上の写真のアンプはアルミ板で底蓋を作り、ゴム足を付けてあります。
このキットも詳しい説明書が無く、回路図と配線された写真が同梱されています。
簡単な製作法などは代表の原さんが製作記を書かれています。(許可を得ていませんのでアドレスだけ書いておきます。)
NEW AMP−1製作記
http://www.radioboy.org/NEWAMP-1/AMP-1seisakuki.htm
基板で組立てるキットのように部品の配置が決まっておらず、自由にパーツをレイアウトできるところが新鮮でした。恥ずかしいのですが、
はらわたを載せておきます。

クリックすると拡大されます。かなりシンプルに見えます。
このキットは終段に6AQ5互換の6005という5極管を使っており、標準では5極管出力、トランスの中間タップを使うことで
ウルトラリニア(UL)接続のようにもでき、
付属の抵抗を使用することで3極化もできます。接続方法は回路図の端に書かれています。
まずはオリジナル通り5極出力で組んでみました。
余っていた大理石シートを貼ってみました。(すみません、貧乏性なもので(^^;)

製作時に気になったことがいくつかあります。1つめはキットに付いていたブリッジダイオードですが、表記が全くありませんでした。
(下写真)

仕方ないのでテスターで調べて使用することにしました。トランスに
取り付けて出力電圧が出るのを確認したところまでは良かったのですが、電源部のコンデンサーをつなぐとヒューズが飛んでしまいました。
最初はコンデンサーを疑ったのですが、コンデンサーを外し、ブリッジダイオードだけを付けた状態でもヒューズが飛びます。
先ほどは正常だったのにおかしいなと思い、ブリッジダイオードを外して再度テスターで調べてみると1カ所だけ双方向に電流が流れます。
どうやらダイオードが壊れてしまったようです。仕方ないので手持ちのブリッジダイオードを使用することで
電源部の問題はクリアーしました。ちなみにここは200V以上の電圧がかかりますから耐圧に注意します。
もう一つ気になったのが誘導ハムノイズです。スピーカーに耳を近づけないと聞こえないので実質問題はないのですが、
テスト的にヘッドホンをつないでみると非常に気になります。これはトランスの方向、位置を変更することで対処できそうなので
いつか試してみたいと思っています。
音は良いと思うので、これさえクリアできればヘッドホンアンプとしても使えそうです。
※追記 電源トランスの向きを変えてみました。
トランスの向きを変えたり、位置をずらしたりしてみました。結果、誘導ハムノイズが減り、位置によっては消える部分もあったのですが、
トランスをその位置の状態で真空管を取り付け、通電してみるとノイズが初期状態よりひどくなり、聴けたものではありません。
ノイズが回路の方にも影響を与えているのかも
知れません。よって、このキットのシャーシ、トランス類を使う限りオリジナルの状態が最適かと思われます。
さて、音の面です。TU−870Rと比べると小さな真空管ですが、数ではこちらは4本付いています。なんだか妙に期待してしまいます(?)。
早速塩ビパイプスピーカーで試聴すると高音は結構良い感じ
に出ています。値段の割(失礼)には良い音だなと思いました。ただ、低音が今ひとつです。
低音は出ているようなのですが、なぜか軽いのです。ポコポコした感じの低音です。音量は結構ありました。
低音が少し気に入らないので次にUL接続にしてみました。
こちらの方が低音がきれいに聞こえます。高音がややおとなしくなり、全体的により自然に聞こえるようになりました。
次に3結にしてみました。さらに高音がおとなしくなった感じがしますが、音は良いです。こちらの方がより自然なのかも知れません。
3結が人気なのも分かる気がします。
出力は5極>UL接続>3結となるようなのですが、スピーカーにもよるのかも知れませんが聴いた感じではそれほど大きくは変わりません。
3極でも十分な音量が出ます。
私の好みで、やや高音が主張するUL接続でもう少し音をいじってみることにします。
低音を中心にいじっていきます。ぺるけさんのTU−870の改造にならって初段のカソードに接続されているコンデンサーを470μF/16Vに、出力段のカソードにあるコンデンサーを
100μ/50Vにしてみました。NFBとしてスピーカー出力から
470pFと4.7k(3.9kが無かったため)をパラに接続して初段のカソードに接続。これに伴いカソードの2kΩと直列に1.5kΩ
を接続し、3.5kΩに(バイアス電圧が変わるのでその修正)。
以上まで変更したところで試聴してみると、低音が伸びて音質も良くなりました。

これまでの変更点の回路図

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