釈迦ヶ岳と大日岳/大峰奥駈道②

”来させて頂きありがとうございます”という言葉でその方のお祈りは結ぶ。と、大切なことを終えた安堵の表情をこちらに向けられた。ようやくワタシたちの存在を認めて下さったようである。お話を伺うと、”お釈迦様が修復中とは知らなかったけれど、ともかく釈迦ヶ岳に来れたことに感謝した”さらに伺うと”昭和3年生まれで、片方の肺はないのです”ということ。お釈迦様のいない釈迦ヶ岳なんて・・・、とラクタンしていたワタシには入る穴もないようなお話でした。ココロ清らかに、釈迦ヶ岳をあとに大日岳へ。一旦”深仙の宿”という山寺のある鞍部まで下って上がる約40分の行程で、頂上クサリ場が見えてきます。
このクサリ場、本当に怖いです。手がかり足がかりが全くない、大きな一枚岩を2枚続けて登るところがあるのですが、その間、全信頼をクサリに預けます。その下部はドックレックになっており、崖下へ一直線という、登っている最中は見ない方がいい景色になっています。が、オクサンよりワタシが先に登ってしまったのが、よくありませんでした。 振り返ると、赤い顔をしてクサリにぶら下がるオクさんとその下、底のみえない崖が一直線上につながっている光景を見ってしまったからです。降りることはさらに危険なので、登るしかない。絶対離すな!頼む、離すな!と祈っておりました。(写真は2枚岩の手前です。この時はまで余裕があったので。)
山頂にはお釈迦様がひっそりと鎮座されていました。無事に登れたことを、心から合掌。が、まだ下りがある!と思いきや、安心下さいませ。迂回ルートがありました。(こちらからも登れますョ)大日岳をあとに、また釈迦ヶ岳を経由して下山。アップダウンがコタエマシタ。途中、鹿に出会う。17:00駐車場着。
深い深い大峰の山々でした。(おわり)

2007年05月11日