「キッチンとコーディネートしときました〜」
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あるマンションにキッチンの壁クロス貼替に伺ったときのこと。
下請けだったので、工事の終わりの方に伺ったことになるのですが、
前日に塗装工事がはいったらしく、
ドア枠や回り縁(天井と壁の境目の細い部材です)が
きれいに塗られていました。
そして、その色が珍しいことに、
紫(というかラベンダー色?)だったのです。

「珍しい色塗ってはるなあ〜」と主人と言いながら、
作業に入ったのですが、
その家の奥様が、やたらと
「どう思う?おかしくないかしら?」とおっしゃるので、
私たちは奥様がちょっと冒険して選ばれた色なのかな?
と思い、「部屋が明るい感じになりますよね」などと、
返事をしていたのです。

ところが、奥様がおっしゃるには、
「何色に塗れば合うのかわからなかったので、職人さんに
おまかせしたら、この色になったのよ。
キッチンの扉の色とコーディネートしてくれたらしいんだけど…」
と、少々落ち着かないようす。

確かに、キッチンの扉は、淡いブルー。
コーディネートしてラベンダーに塗ったと言われても、
やはり違和感があります。
ましてや、紫系の色は好みにもよりますが、
一般的には「食欲を減退させる色」ということで、
飲食店や食器などでもあまり使われない色味です。
(逆にダイエットのために活用することも)
「奥様がお好きなら」と思っていた私も
そうだったのか、と少々気の毒になってしまいました。

(でも、下請けで入っている以上、余計な口出しは
できません。塗り直しになったら責任がとれませんので)

そして、クロスも貼り終わったころ、元請けの営業担当者さんが来られ、
奥様がまた不安げに「おかしくない?」と
聞いてみると、にっこりと
「いいですよ〜壁の模様ともあってますね〜!」と、
絶賛されています。

今回貼った壁紙の模様もピンクの花柄で、
確かにピンクとラベンダー色なら
色合いはあうかもしれませんが、
キッチンのブルーの扉とはちょっと…という感じで、
その担当者さんの独特のセンスなのか、
営業トークか(?)わからない私たちは、
「う〜ん」と言葉に詰まってしまいました。

塗装の職人さんは、「この色にしたい」と頼めば、
どんぴしゃり、まったく同じ色を造りだしてくださいますし、
それが、乾いたときの微妙な色の変化も計算づくなのですから、
色を識別する能力と、色を再現する技術はすごい!
のひとことなのですが、
カラーコーディネイトとなると、
必ずしも専門とは限りません。

それでなくても、「色」という物は、
今まで目にしてきたものや、環境や好みに左右されやすいものです。
リフォームで選ぶ色は、洋服や小物と違って長くつきあうものですので、
ぜひ、ご自身のセンスや好みを優先して、慎重に決めていただきたいと思います。



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