だって、賃貸だから…
 キッチンをハシゴで?へ           「キッチンとコーディネイトしときました〜」へ

一般に知られているのか、どうなのか、
「賃貸住宅」の改装については少し軽んじられていることがあります。

以前にもこんなことがありました。

夫が賃貸のワンルームの壁クロスの貼替に行ったときのこと、
その部屋の床はフローリングだったのですが、
貼り替えることになってなかったので、
工事がすべておわったら、きっと「洗い」がはいって、
その時にどうせ床はふき掃除をするだろうと思い、
自分で簡単に養生をして、クロスの貼替をしたそうです。

ところが、後から元請けさんに
「床にクロスの糊がついていた」と注意をうけ、
よくよく聞いてみると、
「あそこの賃貸は、あのままワックスをかけることになっているから」
と言われたそうなのです。

「あのままって、前の入居者が出たまま?
ふき掃除もせずに、汚れごとワックスを塗るんか?」
と、びっくりした夫でした。

賃貸物件というものは、
家主さんはビジネスライクに
「賃貸だから余分なお金はかけたくない。
きれいに使ってもらえなかったら、やり替えになるし。」
工事する側も、
「予算は出してもらえないし、借りる人は自分の家でもないから
文句も出ないだろう」ということで、
「賃貸だから(この程度で)」というのは、
暗黙の了解のようになってしまっているようです。

賃貸という商売にとって、
賃貸物件はいわば商品なのですよね。
ところが、その「商品」に対して、
提供する側も、手を加える側も
あまり愛着がないというのは、珍しいことではないでしょうか。

賃貸のワンルームなど、間取りによっては、
私個人的には「独房みたい」とぞっとすることがあります。
収益物件として、同じ敷地に一部屋でも多くとる、
という考え方の現れなのでしょうか。
それでは、「自分らしい暮らし」ができないような気もしますし、
だからこそ愛着がわかない、掃除や管理もおろそかになって、
賃貸住宅ほど傷みやすい…「賃貸にはお金をかけられない」と家主さんが思う…
となって、悪循環なのではと思います。

賃貸住宅には私たちが住まいを考える上での大きな役割や
また何か別の可能性があると思います。
供給してくださる方にも、もっと思い入れがあって欲しいと思いますし、
借りる側も「人のものを借りている」ということを忘れずに、
大切に使っていただきたいと思います。

そうすることで、家主さんにも工事業者にも、
「賃貸だから、素敵な部屋にしよう、もっと工夫しよう」
という考えが定着してこないかなあ、と夢を見る私です。



キッチンをハシゴで?へ     HOMEへ      「キッチンとコーディネイトしときました〜」へ




リフォーム業界を リフォームしたい