ホームスクーリングQ&A


Q.ホームスクーリングとは、一体どういうことですか?

A.
「ホームスクーリング」というのは、子どもが学校に行くのではなく、家庭や、図書館、博物館、公園などの地域のリソース(資源)を利用しながら子ども が学んでいくのを大人がサポートしていく「共育」の方法です。欧米では義務教育の方法として、法的、社会的にも認められ、選択する家庭が増え続けていま す。


Q.ホームスクーリングは、どうやってやるのですか?

A.
家庭によって、様々なやり方がありますが、ホームスクーリングの方法には大きく分けて二つあります。

学校と同じように、教材やカリキュラムを大人の側があらかじめ用意しておく方法(school at home)と、子どもの興味や関心にそって、「生活の中の学び」を大事にする方法(unschooling)があります。

通信教育を利用する場合もありますが、いずれにしても、その子どものペースでやれるのが、ホームスクーリングの一番良い点でしょう。ホームスクーリングではあくまで”子どもが主体”なのです。


Q.親が専門知識を持つ必要はないのですか?また家庭に教育設備がありません。

A.
親が専門知識を持つ必要はありません。確かに子どもは親から大きな影響を受けますが、親からしか学ばないという事ではありません。親は子どもが情報を 探したり、経験や人間関係を拡げていく手伝いをすればよいのです。いわば環境づくりが親の大事な役割です。確かに子供は親から大きな影響を受けますが多く の”大人モデル”と出会う必要もあります。親が子供を教え導くのではなく、学びを共有しながら共に歩むパートナーシップを持つことが大切です。親が子ども を教え導くのではなく、学びを共有しながら共に歩むパートナーシップをもつことが大切です。

また整った教育設備は必要ありません。家庭の台所は、十分に楽しい実験室です。その他に、公共の施設を利用したり、家庭同士でリソースを提供しあうこともできます。


Q.ホームスクーリングをしていて、子どもが孤立するのではないですか?また社会性は育ちますか?

A.
日本の現状ではホームスクーリングが認知されておらず、子どもは学校に行っているのが当たり前とされる社会なので、社会的な圧迫があり、孤立しやすい 状況があるのは事実です。ですから、地域でホームスクーリングのグループをつくったり、ネットワークをつくって他地域のグループやホームスクーラーと情報 を交換したり交流をすることで、孤立することから逃れることができます。

このようなグループやネットワークの活動をとうして、様々な出会いがありますし、

社会性は十分に育っていきます。むしろ学校のように同じ年齢の集団の中で競争させられないので、排他的になったり攻撃的になったりすることが少ないのです。


Q.「不登校、登校拒否」とホームスクーリングはどう違うのですか?

A.
「不登校、登校拒否」がホームスクーリングを選択するきっかけになる場合が多いのですが、これは決して、学校に行かない状態がホームスクーリングと表 現されるということではありません。子どもも親も学校にこだわり、学校に戻らなければならないと思っている間は、ホームスクーリングとは呼べません。学校 へのこだわりがふっ切れ、家庭で学んでいくことに積極的な意味が見いだせるようになり、それ自体が学校に行くこととは別のもう一つの方法 一 オルタナティヴな教育の方法として親子で選び直した時に初めてホームスクーリングと呼べるのです。


Q.子どもには学校に行く義務があるのではないですか?

A.
ありません。子どもには「教育を受ける権利」があるのであり、親や国は、子どもが教育を受けるのを「保障する義務」があるのです。ですから、子どもが 学校に合わなかったり、行くのが嫌な場合は、学校に行かないで学ぶ権利があるわけですが、行政レベルでの制度的な対応ができていないために、非常に多くの 親子が困っていることは事実です。

これからは「学校に行かない」事も権利であることを主張し、社会に認めさせていく必要があります。そのような市民の活動もすでに始まっていますし、各地でホームスクーリングのグループも誕生しています。


Q.ホームスクーリングを選んだ場合、学校との関係はどうすればいいのですか?

A.
今のところ、学籍はそのままになり、一日も学校に行かなくても、進級・卒業は校長裁量で認められています。校長や担任には

1、子どもの意志を尊重して、家庭で責任をもってやっていくと言うこと。

2、余計な干渉はしないでほしいということの二点ははっきり伝えましょう。

また子どもが学校に戻りたくなったら、その時にはよろしくお願いしますとつけ加えることも大切です。 



目次のページに戻る