日本化と言われ馬鹿にされても懲りない日本の為政者、政策担当者たち [経済・社会]

日本化と言われ、馬鹿にされても懲りない日本の為政者、政策担当者達

最近アメリカのオバマ大統領に着物を着せ日本化を揶揄する写真が掲載されたということだ。日本の現在の状況をばかにしているのである。

これに対して日本の為政者や政策担当者は黙ったままである。なんら策がないらしい。それどころか肯定しているように見える。

日本化とは、デフレが深刻化し、借金が莫大になり、国力が落ちたことを言っているのである。その原因はこれまでの間違った低金利政策などの金融政策と財政政策にある。

欧米やそれ以外でも日本化をだれも評価していない。こんな現状を変えねばならないのだ。しかるにやっていることにせよ、これからすることにせよ今までと何一つ変わっていない。

それどころかより日本化をさらに進展させる算段を取るようだ。野田政権は日本を菅政権をより進めた、日本を破綻させる内閣になるであろう。

現在、野田内閣に見る政策構想は、財政の再生も、経済成長も全く見込めない政策を踏襲している。

復興税、消費税の増税路線、TPP、などに日本の明日はない。

日本の為政者、経済政策担当者、経済の専門家に反省という言葉はない。責任もとらない。教科書どおりを繰り返すだけ。それでだめなら想定外で日本が破綻し、国民が路頭に迷っても平気のへいさなのだ。

5主要新聞も同じむじなである。特に日経新聞と読売新聞は、低金利政策や金融緩和を推奨し、日本を破綻の縁に追い込んだ張本人である。まだやるらしい。どんな根拠があるのだろう。普通の経済学者なら黙るだろう。

この20年間の失敗の積み重ねがこの惨状を招いたのである。しかしまだそのうえに楼閣を架けようとしているから空恐ろしい。

日銀など率先して低金利を貫き、金融緩和で世界を困らせている。アメリカが同じことをやればどうなったかなど、ほっかむりをするようだ。

税と社会保障の一体改革なども、名前はよくてもやることは緊縮、国民負担の増大に過ぎない。それでヨーロッパは今どうなっているのだ。いずれも経済成長が鈍化している。

震災復興のため大規模に公共投資をやっているが、無になった物を有に変えるのはよい公共投資だが、それとて日本全体のデフレを解消することはできない。

日本全体の資金が震災復興に向かい、人も、生産財も震災復興につぎ込まれ、その結果他の地域に空白が生まれ、疲弊することになる。

それは震災復興はなるが、日本復興はならず、さらなる借金が残ることになる。そして経済は下降して行く。
それはこれまでの経済政策からも明らかなことである。
デフレでは、生産刺激策を取ってはならないのである。それはデフレをより深刻化させるだけなのである。
現在、野田政権の最初の政策として復興税を法人税や所得税から取ろうとしている。

震災復興という公共投資を国民負担を増やして、やるのと同じことだ。すなわち、国民から資金を奪って、生産を増やしているに過ぎない。これはデフレを助長する政策なのである。

震災復興を起爆剤にし、日本復興を成し遂げるには、国民負担を減らして、国内を拡大再生産にもっていき、その成長分から震災復興費を捻出する必要があるのです。
全く逆だ。このような安易な増税では、震災復興もおぼつかないだろう。


世界から日本病、日本化と言われ揶揄されているが、一向に恥じ入る気もなく、なおかつ欧米の経済政策に口出ししたり、上から目線でうんちくをたれているのが日本の知識人だ。

欧米は日本の間違ったデフレ政策を踏襲して、日本と同じように債務が増え、経済が自律的に成長しなかったのである。

私達は日本でそれを何回も見てきたのである。欧米はまず1回目の失敗で、低金利、過剰緩和、ニューディール政策などが、デフレにおいては効果がないと見抜いたようだ。

大したものだ。しかしまだそれから逃れるすべを知らないようだ。

それに比べ私達は既に何をすべきか知っている。どうすればデフレが解消するか知っている。私の論文をたまに読んでいる方ならお分かりだろう。

野田首相に変わり、前の首相と違って、人間性を批判するところは少なくなった。しかし政策が全く逆行している。ひどすぎるのである。

円高対策としてこれ以上低金利金融緩和はできまい。
またこれ以上の公共投資はできまい。それが自立回復しないことは分かっているからだ。

さらに所得税の増税や消費税の増税などを行ったヨーロッパ諸国がどのようなっているか分かっていよう。

それなのにまだ、やるのだろうか。実際野田政権は、再び欧米の後追いをするつもりでいる。

日本の知識人の馬鹿げたところは、欧米がやったことを後追いしようとするところである。それが間違っていようとなかろうと、忠実に真似をする。それは日本化を促進するだけである。


イギリスが今年の初め、消費税を上げるとすぐ真似をしようとする。
また、クルーグマン辺りが、需給ギャップ論を出すとすぐまねをして、ギャップが20兆円だからその分投資をしなければならないとか言ってしまうのだ。

自分で考えることがない。日本は何度も莫大な公共投資を打ってきた。需給ギャップ論が正しければもう既にデフレが解消されているだろう。麻生政権の16兆円の公共投資を思い出してもらいたい。

そのお金は年度に一度に使えず、基金として使われようとしたのである。日本にも限界が有り、物、人、の1年の使用要領が決まっている。震災復興に30兆いるとしても1年間に5兆程度の消化が限度であろう。

ギャプ論などに迷わされていけない。

デフレは需給ギャップで生じている訳ではない。生産量あるいは生産能力と、消費額の差がデフレを呼んでいるのである。

すなわち、私達が生活できる分量を生産した生産物の売上に対して、消費額、あるいは購買力が不足しているのである。
この絶対的な差が、デフレの元凶である。

このことからデフレの解消策は、この消費額の不足分を直接補ってやる必要がある。
それがデフレ解消策の基本なのである。それは増税ではできない。

国民負担の軽減が必要なのである。
デフレ解消の船中8策(追記参照)

しかし厚顔無恥な日本の為政者、政策担当者に、日本病という単なるデフレ化を解消するすべや手段をもっていない。さらなる国民の困窮の長期化、破綻と無力化へ邁進している。

日本病が世界へ移ってしまった原因は、日本の経済学者のデフレの分析不足、勉強不足、経済音痴であり、それを踏襲する世界もまたデフレに対する無知がなさしめたのである。

ここらでしっかりと修正する必要があろう。


一言主

2011年9月8日

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