石油備蓄の解放、世界に朗報とどろく [経済・社会]

石油備蓄の解放、世界に朗報とどろく。

リーマンショック後初めて取った国際的デフレ解消策と言えよう。記念すべき一歩となった。と思う。

思うというのは、実際彼らは石油価格の急騰を押さえることに主眼が有り、デフレ経済を立ち直すという視点から行われたものではないからだ。

しかもどの程度価格が下がるか分からない嫌いがある。しかし備蓄の放出はやりようによっては、デフレ解消のための世界的な政策になるということだ。

IEAの備蓄は産油国に対する消費国の対抗処置から行われたものだが、これを有効に使えば欧米や日本のデフレ解消の起爆剤になるだろう。

しかし起爆剤にするためには、デフレ解消には購買力を引き上げる事が重要であることを認識している必要がある。

日本のように全く認識していない国では、せっかくの原油安を生かせないのだ。例えば今年年金額を実際に減らしてしまった、6月に3千ほど少なくなったと聞いている。またこの先8月頃には子供手当が引き下げられるらしい。

このような一方で、消費者の購買力を奪い、他方でガソリンが安くなる政策を取っていることになる。これでは薬が全く効かない。非常にちぐはぐなやり方である。
このようなことは自民党時代から続いており、デフレが一向に解消しない原因になっている。

IEAの石油備蓄の放出は、ガソリン税を引き下げ、日本経済をデフレから立ち直らせるためのヒントになるだろう。

日本単独で備蓄を放出すれば石油価格を100円ぐらいに維持できよう。それを半年も続ければデフレ解消の萌芽が現れるであろう。

私達はこれでガソリン税を引き下げる財源を確保していることになる。放出すればガソリン価格が安くなるからである。

来る政権でははっきりとデフレ解消のために消費者へ直接給付を重視する政権になって欲しいものだ。

今のような経済的な方面になんら知識がない政府や内閣では、いつまで経ってもこのようなちぐはぐな事をやるからだ。

特に新聞が主導する世論では、ガソリン税の低減は、ばらまきと決めつけられている。しかも環境破壊だそうだ。火力発電所よりましであろう。

デフレでは生産力を伸ばす政策より、消費者の購買力を引き上げる政策の方が有効なのである。

デフレでは借金の連鎖により、公共投資こそ見返りのないばらまきになり、ガソリン税の低減のような消費購買力を引き上げるものは、有効な景気刺激策になる。
浅はかな知識で、あるいは教科書丸暗記的な知識ではこのデフレは乗り越えられないのだ。


今まで石油生産国に奪われていた資金が、石油消費国に戻ることになる。このように資金が市場に増えることが、付加価値を増やし、名目GDPを成長させることになる。これが税収増を招き財政が均衡していくのである。

ただ単に価格を下げ物価上昇を下げる効果をもつだけでなく、購買力の引き上げに効果を発揮し、デフレ解消に対して著効のあるものなのです。

津波の被害の大きい日本ではガソリン価格が低減することは、日本全体の購買力を引き上げる効果があり、購買力の増加はデフレ下では、生産増以上の付加価値をもたらす。

それが震災復興の原動力となるでしょう。

今、大企業は、津波や地震で損なわれた生産力を取り戻そうとやっきになっています。しかしそれはたとえ元に戻ったとしても、日本のデフレ基調はなんら変わりません。

輸出が増えるでしょう、しかしデフレが解消する訳ではないのです。

石油備蓄の解放は、日本のガソリン税の引き下げや、ガソリン価格の引き下げに大きな示唆を与えました。わずかな財源でガソリン価格の引き下げというデフレ解消策を取れるのです。

国民生活を第一に考え、国民負担を減らす方策をはっきりと取る政権にこの政策をやって欲しいものです。

ガソリン税の低減は私の提案するデフレ解消策の船中八作のひとつです。

デフレ解消のための政策は、1、国民負担を減らす、あるいは2、借金率を減らす、あるいは3、購買力を引き上げる、などの消費を引き上げるために消費者に直接給付するものでなければなりません。

資金を市場にどんどん注入し、生産量に対して資金の比率を上げることが、インフレスパイラルを引き起こす方法なのです。それがデフレを解消する早道なのです。

一言主

2011年6月30日

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