頭の中身を整理する。

リハビリ日記


右ひざ前十字再建及び半月版縫合手術
2013年12月12日
【受傷】
2013年3月。新年度からの転勤が決まり,立つ鳥跡を濁さずがんばろうと思っていた矢先のことだった。
詳しくは書けないけど,膝をやってしまいひざがどうにも動かない。「しばらくすれば治るやろ。」と楽観的に考えていたのだけど一向に痛みはひかない。そして膝は曲がったまま伸びない。「いつもとなんか違うzzz」と不安になり,近くにいた医師の方に診てもらうと「これ,半月板やってる可能あるね。」と言われた。一瞬あせったが,「俺に限ってそれはないだろう。」という根拠のない思いから,今年一年間悪影響を及ぼし続ける事故をかなり軽く受け止め,伸びない足で運転し,家路を急ぎましたとさ。

【診察】
けれども家について寝る段になっても膝が痛い。痛すぎる。翌々日が夜勤だったため,「早めに診てもらおう。」と思い時間外にやっている病院を探した。なかなかやってないのよね。時間外の整形外科って。ようやく見つけたところに電話で診察の可否を確認し,よっこら行ってみるとレントゲンと痛み止めを打たれただけで,また明日来てくださいとのこと。翌日,再診を受けに行くと,「ここではMRIないから半月版は分からないんだよね。」と言われ,たらい回し。何もできんくせに診察料だけは取るんだよね...。
そんなこんなで行き着いた病院はなんやかんやで家からそこそこに近い病院だった。加えて膝の手術では有名だそうでスポーツリハビリなんかもやってるところ。そこでやっとまともな診察を受けることになりました。
MRIなどの検査を一通り終えて診察に臨むと,先生「半月版がかなり大きく裂けてますね。そこにももの骨が刺さりこんでいる。おまけに随分前に前十字靭帯を切っていますね。靭帯切ったとき自覚症状なかったですか?」。一瞬頭の中が真っ白になった。(なにそれ?一流のサッカー選手がなるようなケガ。復帰は?)とりあえず聞かれたことには答えなくてはならないと思ったので,「いや。靭帯切った覚えは全く。随分前ですよね。怪我しそうなスポーツはいろいろとやってきましたからどれも怪しいですし。いつ切ったかわかりません。」と答えると,「そうですか。靭帯切ったまま相当無茶をしてきましたね。半月版が相当痛んでいます。手術を受けることになりますが,いつが良いですか。」。手術は覚悟していたので事前にネットで調べたところによると「術後3日で退院。」と謳っているところがあったので,まあ仕事は大丈夫だろうと思っていた。仕事にはあまり穴を開けずに済むという確証がほしく尋ねてみた。
「大体どのくらいで退院ですか?」
すると想定の範囲外の返答。
「そうですね。あなたの場合靭帯だけではなく半月版もやっているので一ヶ月ほど入院してもらいます。空いている手術日で一番近いのが10日後の...。」
一月入院?そして手術が10日後?手術って即日じゃないのか???腸炎などしょうもない病気で入院したことはあったがこういうのは初めてだったので,驚きの連続だった。同時に吹っ切れた。「しょうがないか…。」

4月から転勤なのに,最後まで勤めきることなく去ることになる。そして転勤先では名前だけが移り,身柄は現れずといった状況。すばらしく迷惑この上ない存在として認識されたと思う。

【手術と入院】
手術前日に病院に入る。血液検査などの簡単な検査を受けたりとそれなりの準備が要るのです。夜,おしっこをするときふと,「手術をしたら車椅子。立っておしっこもできなくなるのか。」とかなりブルーが入りました。
翌朝いざ手術となり,全身麻酔。あれってあっという間に落ちるんやね。気がつけば手術も終わっていました。「半月版傷んでましたね。18針縫いましたので全快まで少し時間がかかりますよ。」と先生。ちなみに半月板18針というのは他の病院だと摘出してしまうレベルなのだそうな。というのもそもそも半月板には血管がなく,修復するのに必要な物質を供給する経路がないのだそうな。ただし血管が比較的近いであるとか場所によっては修復する可能性はゼロではないためこの病院の先生は縫合してくれたようだった。摘出されると以前のように空手はできなかったと思う。先生,ありがとうございました。

入院は同室の人が楽しかったので良かったけど,リハビリがきつい。手術した足を見たら太ももの筋肉がえぐれたようにやせている,指で押すとももの骨に触れるのだから相当な衰え方だった。加えてリハビリでモモとか足に力を入れたりするんだけどピクリともしない。神経と筋肉がまるでつながっていない感じ。例えるなら「スプーン曲げ」みたいで、念じても念じても全く反応がない。自分の体なのに。情けないやら悔しいやら。俺にとってはこれだけでも卑屈になる理由として十分だった。「自分の体が云うことをきかないというのはぼくにとって相当にキツいことだということ」と「そういうとき自分が相当に卑屈になり他人に迷惑をかけるということ」を今回の怪我で思い知ることになりました。そういう意味では人間的に成長する糧になったのかもしれません。二度とカンベンですが。

【通院・リハビリ】
退院後も一週間に2回、退院後2ヶ月目(術後3ヶ月目)から週1回リハビリに通わなくてななりません。しかもリハビリというのは怪我する前はなんでもなかったような運動を反復するという地味なもの。それなのに全く思うようにできない。全然できない。もう悲しいやら悔しいやらで、言うこと聞かない右足を何回ペンで刺そうとしたことか。3ヶ月経っても、4ヶ月経っても健康な足の筋力の3割にも満たない。本当に良くなるのかわからないくらい回復がスローペースだった。他の人は回復していってるみたいなのに…。

そして不安故に、同じような怪我をした人のホームページを覗いたりする。そしたら他の人は回復めっちゃ早いしスキーなんかやってるし。本当に凹んでしまった。当たり前のことが当たり前にできない,そしてできる見込みが立たないというのは本当きつい。

けどね、ジョギングの許可が下りたら早いんですよ、回復。結構自でも筋力鍛わるようになりますし。僕の場合は膝に出る痛みが正常なものか異常なものか判断ができずビビッていたというのもあるのですが、痛みの多くは硬まった筋がスムーズに伸びないことに起因することが多かったように思います。特に膝を進展したときはベリバキッ!っとすごい音が出て引っかかるような感じがしましたが,これは正常な違和感でした。(あくまで体験談ですので、医師や理学療法士の支持を仰いでくださいね。)

【現在】
なんとか快方に向かい。走ることはもちろん基本稽古や型ぐらいならできるようになりました。

そして2013年末,怪我した足が健康方の足の筋力の9割まで戻ってきました。正座ができればもうリハビリも卒業。