Project Y 2007

穂高の夏


家族で山に登り始めてから10回目の夏が来た。
登り始めた頃には、保育園だったToshiは中学3年生、Hiroは高校2年である。
10年目の夏は、思い出の穂高を存分に楽しむ夏。
4つの3000m峰を越える難ルート
穂高には、いくつものいい事があった。

8/14:上高地〜明神〜徳沢〜横尾〜涸沢
8/15:涸沢〜北穂南稜〜北穂高岳〜涸沢岳〜穂高岳山荘
8/16:穂高岳山荘〜奥穂高岳〜吊尾根〜前穂高岳〜岳沢〜上高地
8/17:上高地〜白骨温泉〜自宅
8/14
上高地〜明神〜徳沢〜横尾〜涸沢
東海北陸道から高山へ、平湯から安房峠を越える。
中の湯をしばらく下れば沢渡である。
沢渡にWISHをとめて、朝1番のタクシーに乗り込む。
上高地までは30分、4000円の道のりである。

午前5時20分上高地に着く。
登山届けをまじめに提出し、今回はさらに山岳保険に加入する。
穂高の岩稜を歩く今回のコース。
まさかとは思うが、念には念である!
無駄な出費になることを願い。河童橋に向かう。

河童橋に家族を待たせ、下山時の荷物を最終日の宿に預ける。
10年目にして初めて上高地に宿をとる。この宿は知り合いのお友達が営んでおられる宿だ。
挨拶もそこそこに河童橋に戻る。
靴紐を締めなおし、涸沢に向かって歩き出す。
Project Y  2007 憧れの穂高へ歩き出す。
上高地から明神までは40分、徳沢までは90分。快調に木立の中の道を歩いてゆく。8年前は明神まで90分、徳沢までは3時間かかって到着していた。8年の間に半分の時間で歩けるようになった。
とにかく、前を行く人は抜いてゆく。
街道歩きで鍛えた足!平地は強いぞ!

かつてないハイペース!でもオーバーペースじゃない。
快調に歩き続けて、横尾山荘8時30分に到着!


横尾山荘から涸沢目指して歩き出す。「もしかしたら、そのまま北穂まで一気に…」なんてことをひそかに考えながら、まずは本谷まで歩く。
ここからは、登山道、徐々に傾斜がきつくなる。
木々の間から真夏の日差しが照りつける。
♪雲はわき光あふれて〜
口ずさむ歌はなぜか、夏の甲子園の歌なのである。
屏風岩を眺めながら、もう一汗かけば本谷だ。
一汗も二汗もかいた頃午前10時、本谷に到着!
涸沢まであと2時間の休憩ポイントである。
沢の水が冷たい!みかんの缶詰をぶち込んで冷やす!
ついでにフルーチェも冷やす。
さて、昼飯だ!ラーメン3丁!(デザート付きで)
本谷から先涸沢までは一気に傾斜が急になる。
ジグザグの急坂をエッホエッホと高度を稼いでゆく。
照りつける夏の太陽!でも甲子園の高校球児の比ではない。
♪雲はわき、光あふれて
などと歌ってはみても、やっぱり暑いものは暑い!
登っては汗を拭き、登っては水を飲み、ようやくSガレを過ぎる。
沢沿いにヒュッテそして穂高が見える。
7年ぶりの涸沢、そして穂高だ!
我が家にとって3度目の夏の涸沢。
涸沢小屋への分岐をヒュッテに向けて雪渓を横切れば
まもなく涸沢ヒュッテだ。
緩やかなようできつーい登り、
本谷から歩くこと2時間、午後1時、ようやく涸沢ヒュッテに到着!
7年前にくらべて2時間30分早くなった。
さて、ビールだ!おでんだ!
涸沢ヒュッテの生ビールさすが店舗限定美味かった!

7年ぶりの涸沢。仰ぎ見る穂高連峰。そして展望テラスの賑わい。何もかもがあの頃のままである。穂高は神々しく、集う人々は明るく、
そして我が家はあたりまえのように毎年夏山に登っている。
そんなあたりまえに感謝しながら夜空を仰ぐ。
星が飛んでゆく。
 
♪流れる星は、今がきれいで
 ただそれだけに悲しくて
 流れる星は、かすかに消える
 思い出なんか 残さないで
 あぁーあ 君の欲しいものは何ですか
 僕の欲しかったものは 何ですか
      「流星」 by吉田拓郎

2007年夏、今年も至福の夜を過ごしている。
8/15、涸沢ヒュッテ〜北穂高岳〜涸沢岳〜穂高岳山荘へ