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応急手当のページ

もし倒れている人を見つけたら・・・。  

T、応急手当って?

応急手当には、3つの目的がありますので紹介します。

1つ目は、傷病者の命を救うことに有ります、したがって、応急手当を行うときには、生命に直接関係する症状があれば、その症状に応じた手当てを優先して行います。

2つ目は、悪化防止です、応急手当は、けがや病気を治すのではなく、現在以上に悪化させないことを目的に行います、次のことに注意して行ってください。

@ 医師の治療をすぐに受けるときには、原則として薬を用いることはよくありません、しかし、発作の場合など事前に医師から指示を受けているときは、その指示にしたがいます。

A   傷病者を動かしたり、姿勢を変えるのも応急手当の中では、重要なことです、胸の痛みや呼吸の苦しさを訴えている人を仰向けに寝かせてしまうと、突然状態が悪化することがあるように、やり方によっては、悪化させてしまうことがあります、傷病者を動かしたり、姿勢を変えるときには、手当てをする人が一方的に決めないで、傷病者が最も楽な方法で行ってください。

3つ目は、苦痛の軽減です、傷病者は心身ともにダメージを受けていることから、必要な応急手当を行うとともに、励ましの言葉を掛けるようにします。

U、応急手当は、なぜ必要か?

急病や交通事故など救急の場面に遭遇したとき、救急隊が現場に到着するまでその現場に居合わせた人により素早く適切な応急手当が実施されることで、傷病者が救命される可能性が一層高くなります。

しかし、救急事故の発生時に家族、通行人、その他の人が現場に居合わせながら、「動かさない方がいい」「どうしてよいかわからない」などといった理由から、適切な応急手当がなされず、救命のチャンスを逃してしまう事例も少なくないのが現実です。

そのようなことが起きないように、応急手当に関する正しい知識と技術を身につけましょう。

もしも、自分で習得することが難しいと感じたら、また、もっと詳しく知りたいと思ったら、近くの消防署で実施している普通救命講習等を受けてみるのも、良いと思います。

カーラーの救命曲線
左の図は、カーラーの救命曲線といいます。

全国の平均救急車到着時間は約6分です。救急車が到着するまでの空白の時間に何もせず見ているだけなら、命を助けられないことが分かります。

その場に居合わせた人の応急手当が、応急手当を必要とする人にとって大変大きな意味を持ちます。

倒れている人を見つけたら、Vの心肺蘇生法を素早く実施できるように頑張ってください。

また、大きな怪我で沢山の出血をしているときや、大きな骨を骨折しているときには、Wの応急手当を実施してあげます。

V、心肺蘇生法 (AHA2000G 成人版) (小児版はここをクリック!)

1、意識はあるか?  
 肩をたたきながら呼びかける。
 ポイント

 名前がわかれば名前で、また、普段呼ばれなれている呼び方で呼ぶと効果的です。

2、助けを呼ぶ  
 救急車や助けてくれる人を呼ぶ。
 ポイント

 恥ずかしがらず大きな声で、誰も居なければ119番に通報する。

3、気道(通り道)を確保する  
 額を押し下げる。
 指で顎を持ち上げる。
 ポイント

 骨の下の柔らかいところは押さない。(押すと結構苦しいです。)

4、息はしているか?  
 顔を口に近づけ、耳で息を聞き、目で胸やお腹の動きを見て、肌で息を感じる
 ポイント

 10秒以内で確認する。

5、人工呼吸  
 気道を確保したままで、額を持っていた手で鼻をつまむ。

 大きく2回ゆっくりと息を吹き込む。

 ポイント

 胸・お腹の動きを確認しながら息を吹き込む。

 できるだけ、ハンカチや市販の感染防止製品を当て感染を防止する。

 (だれがどんな病気を持っているのか分からないし、また自分の病気を移さない為に!)

6、循環のサインの確認

(動いていないか?)

 倒れている人に次の@ABが無いか確かめる。
 @ 息はしていないか?
 A 咳はしていないか?
 B 体は動いていないか?
 ポイント

 @ABがないとき、分からないときは心臓マッサージに進む。

 10秒以内で確認する。

7、心臓マッサージ  
 中指と人差し指をそろえて伸ばし、あばらを中指で頭に方にたどり、中指をみぞおちに置く。

 そして、人差し指の頭側に反対の手の付け根を置きまっすぐ下に押します。

 分かりにくければ、乳首の間でも良い。

 ポイント

 背筋は伸ばし、肘をまっすぐにする。

 膝は肩幅に開き、つま先を立てる(こうすると体重をかけやすい)

8、心肺蘇生法  
 15回の心臓マッサージと2回の人工呼吸を繰り返す。

 4サイクル行ったら循環のサインを調べる。(10秒以内で!)

 ポイント

 救急隊が到着し引き継ぐまで続ける。

 疲れきって自分自身が倒れそうになったときは、中断しても良い。

 2人以上居る場合には、交代して実施すると継続しやすい。

 途中で充分な循環のサイン(体の動きや呼吸)が出現したら、気道確保等に注意し中断してもよい。  

W、大出血時の止血法

   上のカーラーの救命曲線でもわかるように、体内の血液が大量に失われると生命に危険が及びます。

   出血量が多いときには止血手当てを迅速に行いましょう。

1、直接圧迫止血法 (出血しているところを直接圧迫し血を止める。)

 きれいなガーゼやタオルなどを傷口に当て、手で圧迫する。

 大きな血管が損傷して、片手だけでは血が止まらない時には両手で体重をかけて圧迫し血を止める。 

 ポイント

 止血を行うときは、病気が移るのを防止するために血液には直接触れないようにする。

 ピニールやゴムの手袋を利用したり、それが無いときにはビニールの買い物袋を使ってもよい。

2、止血帯法  
 止血できる場所は手足に限られるが、直接圧迫止血法では困難な場合に有効。

 有効に止血できないときは止血帯に棒を通し、傷口から出血が止まるまで静かに締める。

 ポイント

 止血帯はできるだけ幅の広いもの(3cm以上)を使う。

 棒を通して止血したときには、止血した時間を記録し長時間(30分以上)になるときは30分に一度程度

 止血帯を緩め血液を流してあげる、その時に出血が続いているならもう一度締める。

 応急手当の流れはここをクリック!

応急手当の最後に

なんせ大事なことは、「なにかやる!」

ということです。もしも、このような場面に遭遇したら勇気を出して応急手当を実施しましょう。

また、質問があればメールください。