オリジナルの心地よさをつくる


日根野の家

白い壁







  

Copyright(c)2004
K.ASADA ARCHITECT & ASSOCIATES
 


撮影/小林 修  
・宅地に造成された高低差1Mの三角形の敷地に計画されました。「白い箱のような家を建てたい」という要望から、内外「白」を希望されているのかと一瞬思いましたが、内部は「白」ではない温かい雰囲気の仕上がりが良いとのことで、設計は始まりました。
 「白」という色はウエディングドレスに象徴されるように印象の強い色で「白」というだけで建物・空間の善し悪しを超えて、特定のイメージを与えてしまいがちです。

・一口に白といっても、様々な「白」があり、今回は「塗装の白」のような薄っぺらいイメージではない白、そして潔い白にしたいとの思いから、
漆喰の「白」を選ぶことにしました。 漆喰に混ぜる骨材の大きさ、量を調整し、真っ白の中にもどこか温もりのあるやさしい質感を表現しました。
 また、少しでも白さを維持したいとの事から、白の上に
光触媒を塗布しました。「古美る」という事が大好きな私としては、当初抵抗があり、試作の段階で漆喰の質感をほとんど損なわない事を確かめた上、塗布することにしました。

・この「白い」長いアプローチを経て、裏まで抜けた
「通り土間」へと続きます。この土間を境に「白」から落ち着いた土漆喰の空間へと切り替わり、居間、食堂へと、そして大きな建具を開け放つと更に外部のデッキテラスへと緩やかに繋がります。
 また、居間上部の吹抜により2階へ、そしてデッキテラス上部のバルコニーへと家族、お互いの気配を感じながら繋がっていきます。

・白くオープンな外観という都会的なものと、土間、土漆喰、杉皮紙といった伝統的な要素をうまく絡み合わせ、落ち着いた心地良さを目指しました。