中波対応&ハイバンド対応

最終更新日:2005年5月6日

<ΔLOOP6の中波対応>
作成日:2004年9月27日

2004年9月26日に完成して、現在評価中の中波用のΔLOOPアンテナについてご説明します。

1.具体的に中波対応で何をしたのか?
 基本的な構造は、「ΔLOOP6」です。チューニングBOXやケーブル、コントロールBOXともΔLOOP6のものをそのまま使用します。違いはΔLOOPのエレメントの巻き数だけです。短波用は1TURNでしたが、中波用は5TURN巻きます。これだけの違いです。


2.製作方法
 ΔLOOPのエレメントは、1mの13mmφ水道パイプ3本でできています。短波用には太目のビニール被覆のより線を使用しました。しかし、中波対応では実験の結果、5TURN巻くことが必要です。よって、あまり太い電線を選ぶと、巻き数が増えるに従って巻き辛くなりますので、気をつけましょう。
 具体的には、家庭用のテーブルタップなどに使用されている程度の電線であれば5TURN位巻けますのでそれくらいを基準にしましょう。もうちょっと細めの方が巻きやすいかもしれません。あまり線の太さには関係しません。5TURN巻くことが第一です。

 
 製作方法は上記のように、水道パイプに電線を5回巻きます。巻き上がったら、まず2本の電線を硬結びして緩まないようにしましょう。次に、その電線の両端にチューニングBOXと接続するコネクターを取り付けます。私の場合は、バナナプラグです。


3.対応周波数範囲について
 以下の表に、ΔLOOPエレメントの巻き数と同調周波数範囲を示します。

  <巻き数と対応周波数範囲>
   
巻き数
同調周波数範囲
1TURN (ΔLOOP6) 2200kHz-12800kHz
5TURN (ΔLOOP6MW)
540kHz-1950kHz

 この様に、中波帯はほぼカバーできます。


4.実体写真 
  
  こんな感じで、見た目には変わりませんが、中には5TURNの電線が入っているのです。

  
  現行稼動状態での写真です。短波用の1TURNエレメントを外して、中波用のエレメントを上から乗せる感じでテストしています。きちんと性能が確認できた場合の、設置方法については思案中・・・


5.部品表
 
部品名 詳細 入手先
ビニルパイプ 13mmφ 1m長 3本必要 ホームセンター
ビニール電線 1.6mmφ程度 16m長 ホームセンター、パーツ店
バナナプラグ
チューニングBOX接続用、バナナプラグ2個
パーツ店


6.インプレッション
 もともと中波DXは専門範囲外なので、まだ十分に聞けていませんので、後々&ぼちぼち受信結果をUPしたいと思います。とりあえず近所周りの中波局は、Sメーター振り切れ近くで入感しています。10月11日夜に聞いた感じでは、1700kHzでスペイン語局、850kHz KICY、780kHz KNOM、630kHz ABC、690kHz Vietnamがきれいに入っていました。なかなか良いようです。継続して評価を行います。


7.雑感
 ΔLOOP5のチューニングBOXにつなぐとちょっと感度が高すぎたり、ノイズが多かったりでΔLOOP6への応用をお勧めいたします。一度ΔLOOP3への応用を考えたのですが、ΔLOOP6に比べると感度が不足していて、駄目だと思いました。肝心のNHK大阪のがさがさ音については、ΔLOOP6システムとの合体版では、±27kHzの範囲に及びますが、わざと同調をずらすなどのテクニックによりカバーできることがわかりました。とはいえこういう欠点がありますので、本当はもっともっと改良が必要な中波用のΔLOOPです。これからも改良をしていこうと思っています。
 例えば、近くにあるNHK大阪の100kW&300kWに対するノッチフィルターを入れてみるとかということを現在検討中です。でも、受信機のアッテネーターを入れても、NHK大阪はSメーター振り切れですから、近くに100kWや300kWといったような大電力中波局が無い方がうらやましいです。


<ΔLOOP6のハイバンド対応>
作成日:2005年2月27日

実験途中ではありますが、ハイバンド用ΔLOOP6アンテナ「ΔLOOP6-Mini」についてまとめてみます。

1.ΔLOOP6−Miniってなに?
 ΔLOOP6の同調周波数範囲は2MHz〜13MHz程度となっており、最近話題の昼間の15190kHz(赤道ギニア)等を聞く際に今まではベランダロングワイヤーしかない状態でした。しかしながら、昼間はすごいノイズでロングワイヤーなんて使えないことに気がつきました。この時に、同調範囲から外れますが、ΔLOOP6をつなぐとローノイズの受信ができたことから、じゃあとりあえず高い周波数に同調するであろう小型のΔLOOPエレメントを作ったらどうなるのかな?と言うことで実験を始めているのが、このΔLOOP6-Miniです。

2.ΔLOOP6との違い
 ΔLOOPのエレメントがオリジナルでは1辺1mとしていますが、Miniでは40cmとしました。小型のエレメントと言うことで、ホームセンターに行って切り売りをしている塩ビの水道パイプを見たところ40cm長のものがありましたのでそうしたと言う単純な動機です。

3.受信周波数カバレージ
  3.5MHz〜20.5MHzまでカバーしております。

4.仮設テストの写真
  
 上の写真が、仮設状態でテストしているところです。オリジナルのエレメントと比べてなんて小さいのでしょうか?

5.実験結果
 以下の表に、オリジナルΔLOOP6との比較、ロングワイヤー(ベランダ8m長)、ロングワイヤー+アクティブプリセレクターとの比較をまとめてみます。

(1)10MHz時報局によるオリジナルΔLOOP6との比較     
アンテナ
Sの振れ
ΔLOOP6
9
ΔLOOP6-Mini
7

(2)15MHz時報局によるロングワイヤーとの比較
アンテナ
Sの振れ
空きチャンネルでの
ノイズフロア
ΔLOOP6-Mini
8〜9+10dB
1〜2
LWのみ
5〜9
2
LW+Active Pre-selector
9〜9+20dB
7

 上記の結果を、考察しますと同調周波数が同じであれば、はやり開口面積の広いオリジナルタイプのΔLOOP6が優れていることがわかります。
 次に、ロングワイヤーとの比較では8m長のベランダロングワイヤーよりもかなりゲインがある事がわかります。また、ノイズフロアーもロングワイヤーより低く抑えられ、静かなアンテナであるΔLOOP6の特徴を残していることがわかります。このノイズの多くは自然のノイズではなく、昼間の人工的なノイズが多い点を書き加えておきます。このような状態で、いくらActive Pre-selectorで増幅してもノイズフロアーが上昇し、S/Nと言う観点からは、あまりメリットが無いことがわかります。
 従って、ΔLOOP6-Miniはノイズフロアーが低く、かつハイゲインなアンテナとして使えそうだと言うことがわかりました。引き続き実験を続けてまいります。

6.まとめ
 単純にΔLOOPエレメントを小型化しただけですが、ノイズに強い良いアンテナになっています。これくらいのゲインでどれくらい聞こえるかについては、今後さらに実験を続けてまいりたいと考えています。


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