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あとりえ あ〜き       〜あとりえ あ〜きの考え方〜

 

●設計に対する思い、考え方、基本姿勢など

  建築-特に住宅という人間の根幹に関わる建物の設計とは、元来「あいまい」なものだと思っています。機能を追求した住宅が、住人にとって必ずしも快適な住居にならないのは、よくあることです。

 元来、人間とはあいまいなもの。私など設計していても、ああでもない、こうでもないと絶えず揺れ動いています。まして、依頼主は素人。自分の考え方-家に対する希望や生活感を一発で答えてくれるような人は、まずいません。
 しかし、その素人でも、時間を掛けて話し合えば、結構しっかりとした人生観や生活感が見えてきます。その本人ですら気がついていないものまで、見えてくるものです。私達建築家は、ここからが勝負だと思っています。

 設計とは、図面を引くことでは決してありません。依頼主の生活感、人生観や社会観までも具現化するものだと思っています。
 打ち合わせの過程では、自分自身をも問い直すことが次々と必要になってきます。
 設計屋にとっても、依頼主にとっても大変しんどい時間です。
 しかし、建物が完成したとき、設計作業に無理矢理引きずり込まれた?依頼主の喜びは大きい。紛れもなくこの住宅は、依頼主本人が「自分で設計した自分の家」なのですから。
 現代は、家−住宅を建てるには最悪の環境にあると思います。
 お金だけではなく、土地を含めた環境問題、建築資材の問題、そして何よりも信頼のおける専門家−設計・施工業界を含めて−が少ない。端的にいって、あの阪神・淡路大震災を経験してもなお違反、欠陥住宅を造り続けるこの業界の体質。
 さまざまな困難を乗り越え、それでも住宅造りは楽しいものです。だからこの楽しみを建築家一人に独占させておくことはないでしょう。依頼主であるあなた自身おもしろがってほしいのです。
 今、人はバブルの崩壊を経て、やっと少しだけ進歩したと思います。
ストックの大切さが言われています。地球環境の問題を別にしても、たかが20年程度で建て替えられる建物はやはりどこかおかしい。
 私達は、造ることも大切な仕事ですが、それをいつまでも大切なものとして維持していく努力をしなければならないのではないでしょうか。

 私達設計のプロを自負する人間は、維持管理や改善・改良のノウハウをもっと身につけていかなければならないと思っています。

 新築の設計や施工しかできない設計事務所や施工会社は、今後衰退していくことでしょう。自分の設計したものを含め維持管理に対するコンサルティングが重要なテーマとなるのです。

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