北村 和夫
字典によると山を守り司る神とあります。
木霊・コダマ〔「古事記伝」〕、野の神・山の神〔「照葉樹林帯の個有信仰」〕など、山の神について、私たちは無信心でも何か感じる事があります。
山の神は、山の自然を支配するとともに、そこに生業を営む者の守護神である〔「山びとの記」〕。山に入って仕事を始めようとする時、まず山の神を祭る。特徴のある木を定め、ケズリバナ・サカキ・酒・洗米・魚を供え、御神酒をいただいて、仕事の安全を析願いたします。
山の神を祭る行事は、和歌山では11月7日と、正月7日と定められていたようです。現在、和歌山県では11月7目を紀州山の日と定めていて、各地でイベントが実施されています。
祭りの形式は、地方によって職業で異なっていて、村落で小社を作ったり〔金剛山麓〕、樹木を祭ったり〔紀見峠はコナラの古木〕、奇石〔北宇智〕、川石〔菖蒲谷休場〕、炭焼き小屋〔家族〕で祭る事もあったようです。
昨年私たちが行った、サンマでの山の神の祭りは、大塔村・安川で今も行われているそうです。
ヨキの刃の所に筋が刻まれていて、こちらに3本、反対側に4本筋があります。3本の方をミキ、4本の方をヨキといって、地・水・火・空気を表しています。
山で木を切る前にヨキを樹にもたせかけて拝むんです。
「これから樹、切らしてもらいます、有り難うございます」 〔「木に学ベ」〕