里山だより        2010年5月2日(日)  快晴     
                              朝6時の気温  9℃     冷たい朝です。ストーブが要ります
                里山だより 八十八夜)
 八十八夜の今朝も霜が降りるような低温です。 暖かい3月の後、4月は冷たい春が長く続きます。 
       
お陰で「サクラ」が長く楽しめる素晴らしい春です。  春、満開のレンゲ畑と共に、白いブラシ状に咲くウワミズザクラ、日陰にも耐えるウスズミザクラが、花の芋谷を飾っています。  1つの花芽から1つの花を咲かせるウメと違い、1つの花芽から3〜4の花が開き樹木全体を覆うように咲くサクラは、色・香り・形と共に、散る花を楽しむ日本人の精神文化や農耕文化を育てたようです。

             シキシマ   ヤマトゴコロ                        ヤマザクラバナ
               敷島の大和心を人問わば 朝日に匂う山桜花     本居宣長

 快晴の中、苗代作りや春の自然観察が開かれた4月25日は、大勢の子供たちやお母さんがたで、久々に芋谷が賑わいました。
日本から40数年前姿を消した「里山」、水辺や田んぼの学校は、子供たちに感動を与えてくれます。  観察シートを持った子供たちが、花・虫・魚・空気を見つけ、元気良く走り回っています。 日常は使わないDNAに刺激を与えるようです。  大自然の力は偉大です。感性を磨き、世界で活躍できる人材を育ててくれる里山、この子達が大人になり、素晴らしい日本を作り上げてくれることを願います。

     
  「確かな未来は、なつかしい風景の中にある」  (日本野鳥の会会長 柳生 博さんの4月18日の和歌山での講演より)

 当日は、「橋本ひだまり倶楽部」の10周年記念行事や、玉川峡の水生昆虫調査があり、朝だけで失礼しました。
 (水生昆虫の世界は、無限の分野です。 マクロベントス、マイクロベントスだけでなく、最近「Meiobenthos(メイオベントス)の研究も盛んです。 1億種もあるのではと考えられる世界、水を浄化し、環境を作り出す生き物たち、驚異の世界です。)

4月29日(昭和の日) 毎年一番早く田植えをする大西さんの田んぼは、今年もキヌヒカリが植えられました。
当日、水を引く水路の整備があり、アクションチームのメンバーの方も自分たちの水路の周りの草刈りを実施しました。
栗林へ続くあぜ道は、たいへんきれいになりました。 ご参加の皆様たいへん有難うございました。


美しく整備された石垣。早くも田植えです。


芋田んぼに水が入り、田植えの準備が始まりました。


葛城山麓「笛吹神社」の「ハハカ」は、大嘗祭でこの木を焼いて占う為に献上される歴史の木でもあります。

美しく草刈された「チャンチン坂」の土手に、ひときわ美しく咲いています。

 草刈りの後、あぜ道伝いに大西さんの田んぼを訪ねてみました。 自分の山から伐りだした桧で建てた農具小屋は増築部分も含め140万円かかったそうです。 ご家族の皆さんと一緒に、いすに座りジュースを頂きながら、芋谷やフトン谷の歴史や農業の苦労話、行政への意見など色々と話を聞かせていただきました。  役所勤めをされながら守り抜いた田んぼと川に続く斜面は、ご夫婦協働で美しく整備され、絵のような美しさです。何時までもこの美しさが続くことを願います。 

 (里山保全のすすめと芋谷の自然)
1994年芋谷で開催された英国BTCVとの連携による「国際合同里山田園保全ワーキングホリデー」との交流から16年、地元の方の努力で、今も美しい棚田が保存されています。活動に参加される皆様は、是非地元の方に技術や文化を教えてもらってください。活動の楽しさが更に広がります。

4月11日(日) 今年度のアクションチームの総会は、昨年3月九州大学を退官された重松先生の御出席を頂きました。
芋谷でのワーキングホリデーの開催や杉村公園でのビオトープ作り、橋本市の郷土の森作りなど、橋本市の里山保全活動の基礎を造っていただいた大先生であり、橋本を離れた今も当会や橋本ひだまり倶楽部の顧問にもなっていただき、様々なアドバイスもいただいています。
 昨年9月、「BTCV」の日本版である「JCVN 日本環境保全ボランティアネットワーク」を発足され、市民を巻き込む環境保全ボランティアネットワークつくりへと更なる活躍をされています。 多くの著作も有りますので、里山保全活動の目的や手法を学ばれることを、お薦めします。

  春の芋谷川は、里山の様々な生き物に出会えます。5月の連休の間、是非訪ねていただき、人の営みが作る身近な大自然に
 是非出会ってください。 
 芋谷の奥から、♪ボーボー ボーボーとツツドリの声が聞こえてきます。 フトン谷から横手八幡への道をたどると春の妖精たちに出会えます。
 山道を歩いていると茶褐色の「ニワハンミョウ」。飛ぶことができないため進化の研究が進む、地域によって系統が分かれる「オサムシ」。
   冬を越したチョウ、冬眠から覚めた虫、さまざまな春の花、樹木。 探せばこんなにも見つかります。

                                                                   井奥恵三


子育て真っ最中の「ヤマガラ」  新緑の中で映えます。


ピーりー、チンチリリン♪ 南の国からやってきた宝石が
飛び回っています。   「キビタキ」


オオイヌノフグリ」にとまる
瑠璃色の羽が美しい「ルリシジミ」


 枯葉の中で冬を越した生きている化石。天狗の鼻のようにとがった口吻が特徴です。 「テングチョウ」


 冬を越した「アカタテハ」


      冬を越した「キタテハ」