里山だより        2009年12月29日  
             
         
   里山だより(師走の小望月)  平成21年12月29日(火)  晴れ気温13度
春は藤波を見る。 夏はホトトギスを聞く。秋はひぐらしの声、耳に満(み)てり。 冬は雪をあはれぶ。 芋谷の四季折々の自然環境は、まさに方丈記の世界です。    誰もいない本日(12月29日)の夕日に染まる棚田と雑木林、空には小望月が浮かび別世界です

写真のブルーシートは、棚田の石垣が崩れた部分です。 昨日も役所の方が調査されていました。


12月13日
の愛知県日進市の「にっしん市民環境ネット」の参加もいただき、総勢49名もの方々の草刈りで桧の植林山は蘇りました。 記念小屋から見る芋谷もずいぶん美しくなりました。   

 汗びっしょりになった草刈り作業、そのあといただいたおいしい「亥の子餅」 ボランティア活動は、体に良いことがいっぱいです。


佐藤事務局長からの活動報告


来年の秋には、美しくなった斜面に以前生えていたリンドウやセンブリの花が見られるかもしれません。
このあと、にっしんの皆様と一緒に棚田の自然観察もしました。みなさんたいへん喜んでおられました。

 この行事の後、数日雪の降る日がありましたが、クリスマス以後はたいへん暖かく、今年も暖冬のようです。 すでに、棚田展望地付近には、キジムシロの黄色い花やオオイヌノフグリ、ハルノゲシ等春の花がたくさん咲いています。 
 今日は、柿木小屋から棚田へ降りていく道で、暖かさで冬眠からさめたのか「シマヘビ」にも出会いました。 太陽に体を温めているようです。
 ただこの暖かさのせいか、毎年冬に北の国からやってくる「アオジ」や「カシラダカ」を見かけず、今年は少しおかしいです。 

10月8日に発生した豪雨で、芋谷川は土石流に見回れ川の蛇行部分は崩壊し、上流は岩盤まで現れるほど、ほとんどすべての土砂が流されました。  棚田の石垣もあちらこちらで崩壊し、ブルーシートが掛けられています。  人災が生んだ天災のようにも見えます。

    一見変わらない芋谷の風景も、気候変動の影響を大きく受けているようです。

ナズナ、ハコベラと春の七草も咲き出しました。


フユノハナワラビ  



リーゼント頭が似合う「カシラダカ」

    一度リセットされた芋谷川流域は、芋谷の動植物がどのように再生していくか、別の意味でラッキーな年でもあります。
  今年一年、ご厚誼を受け有難うございました。 皆様良いお年をお迎えください。    井奥