里山だより        2009年8月8日 
             
         
   里山だより(いのちの廻る音)   平成21年8月8日(土) 晴れ時々曇り 気温31度              
先日、映画会社アニープラネットの目黒秀幸さんから相互リンクの依頼メールを頂きました。 

NHKスペシャルで放送された「里山」シリーズの中の一部が追加編集され、「里山 いのち萌ゆる森」が劇場映画として8月22日より全国で順次放映されるとのことです。(大阪は9月5日頃より、なんばパークスシネマにて上映予定)
 詳細は http://satoyama.gaga.ne.jp/ を一読ください。

長い梅雨、立秋、台風と季節はどんどん進みます。お盆休みになり一面の夏草が覆う芋谷を、久々に訪ねてみました。
 
昨年、崩落した芋谷トンネル。 5月には博物館のNさんを案内できたのですが、更に崩落が激しく危険なため
あの後、両方のトンネル入り口を網で塞ぎ、完全に通れなくなりました。 何とかこの手彫りトンネルの復活を願います。
 
誰もいない芋谷。 カナカナカナ・・とヒグラシの声が聞こえる真夏の棚田は、農作業もなく1年で1番静かな時かもしれません。
 
今年は気象がおかしく、いつもは9月に咲き始めるヤブランやゲンノショウコの花が、早くも咲き始めています。


  棚田展望地のクヌギの木で昆虫採集   


温暖化で勢力を広げるクマゼミ、芋谷にも進出です。

夏休みの思い出。 夕方、おばあちゃんに連れられて棚田展望地に、子供たちが虫取りにきました。 美味しい棚田米の田んぼは、子供たちに自然の驚異や自然のありのままの姿に目をみはる教科書には載っていない 「自然への感性、感覚、気づき」を体で覚えさせてくれます。その体験が「科学的精神」や「創意工夫」の力を育ててくれるの ではないでしょうか。
 


一株ずつ手で植えられた棚田のイネも黄金色に色付き始めました。南の国からやってきた「ウスバキトンボ」が無数に飛び交う世界です。

「芋谷の自然」 2009.8.8

当日であった美しい昆虫たち。 あの虫取りにきた子供たちにも見せてあげたい世界です。
夏の太陽の下、動植物が飛び、泳ぎ、実っています。

産卵する「キアゲハ」。  春、山菜としていただく「セリ」は真夏に花を咲かせます。 キアゲハはこのセリを食用に子育てをします。

白い花を咲かせる「リョウブ」には、大きな姿の「ミスジチョウ」がとまっています。こちらは「イロハモミジ」が食草です。最近少なくなりました。

田んぼのソバにある「エノキ」の大木には、もっと少なくなってきた「タマムシ」が樹上を飛び交っています。 エノキ、桜、ケヤキなどの大木の根元に 近い割れ目に産卵し、3年ぐらいかかって羽化します。 カブトムシのように養殖がなかなかできず、宝石のように貴重な昆虫です。
芋谷トンネルへの途中、道端の明るい湿地に咲く「ノカンゾウ」も花盛りです。 花びらには「アシグロツユムシ」の子供が止まっていました。
写真家 今森光彦さんのフィールド 「琵琶湖の西岸 仰木の棚田」に負けない「芋谷の棚田」は、人と生き物の共生空間です。 皆さんも是非訪ねてみてください。