森よ生き返れを読んで
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橋本市立紀見東中学校1年 井奥真里子 |
この本を読もうと思ったきっかけ、それは自然に対する私の考えが、最近少しうすれてきていたからだ。「森よ生き返れ」というこの本は、私にもう一度、自然、そして地球のことを深く考えさせてくれた。
私は自然が好きだ。森や山に行くと気分がいいし、植物や野生動物を見るのが、すごく楽しい。けれど、この本を読んでいるうちにだんだん、私はただ自然が好きなだけなのかもしない、本当の自然のことなんか、何もわかっていないのかもしれない、と思った。それは、この本にこんなことが書かれていたからだ。私はこの文を読んでハッとした。
「森が死んでいく」
私は初め、この本は森を大事にしようと思う考えを書いた本だと思っていたが、この本には、ずでに「森は消えている。だから今、人間が森を再生させなければならない。」と書かれていた。ただ自然が好きというだけで、自然保護ということを、私たち人間がしっかり考えていなかったばっかりに、すでに森が消えつつあるという。私が思っていたよりも、自然の森が急速に消えていることにすごくショックを受けた。私は自然がまだ残っている地域に住んでいると思っていたのだが、最近では、山が削られてむき出しになっている所をよく見かける。私は、減っている森や山、そして自然を見ていても、「どうしてそんなに自然を破壊するのかな」としか思っていなかった。
でも、それだげではダメだと思った。自然を、森を救うのには、私たち人間が動かないと意味がないと思う。
では、森を再生させるために、「木」であれば、なんでもドンドン植えて、そして再生をはかればいいのか、と私は考えた。でも、そうではなく、私たちが一番もとに戻さないといけない、植えなければいけない木は、「ふるさとの木」だ。 ”ふるさとの木によるふるさとの森”を作らなければならない。しかし、「ふるさとの木」と言われても、私はすぐには思いつかなかった。「ふるさとの木」とは、昔から日本にあったシイノキ、カシノキ、タブノキなどの、広葉樹林(葉の形が広い木)のことらしい。
たしかに、今の森は材木目的だけで、スギやヒノキなどの、針葉樹林(葉の形が針のような木)ばかりだ。人間が使う目的で植える木は、「ふるさとの木」とはいえないと思う。
そして、私の身近な所でも、スギやヒノキなどの針葉樹林は弱いのでは、と思う出来事があった。台風が来たのだ。その被害で針葉樹林が根こそぎバタバタと倒れていたのに対して、広葉樹林はびくともしていなかった。私はそのとき初めて広葉樹林の強さを知り、そして、広葉樹林というのは日本の土地にぴったりなんだな、と思った。
森は二酸化炭素を吸収しで酸素を出してくれる。雨を吸収して、土砂災害などから私たちを守ってくれる。風を防いだりしてくれる。さらに火を防ぎ、火災を止めてくれることまで知った。森は人間にとってかけがえのない存在だ。なのに人間は自然、「森」を破壊し続けている。ただ自然が好きというだけでは、その好きな自然を壊しているのと同じなんだなと、私は思う。本当に自然が好きというのは、自然、森のあり方を考え、そしてどうしていけばいいのかということを考えてこそ、初めて自然が好きといえるんだと思う。
人間はすごく小さなものだ。けれど、この本には「地球の命のドラマの主役は人間だ。」と書かれている。私もそう思った。私たち人間が自然や森に対して何かしない限り、きっとこのまま自然は消えていくと思う。だから私たちは森を生き返らすために、「実行すること」をしなければならない。今の私たちにとって足りないものは、この「実行すること」だと思う。この本には、そのことについて全て書かれている。自然をただ思っているだけではダメだ。今すぐにでも実行しなければいけない!!。この本は、今の私にとっても、地球上の全ての人たちにとっても、これからの未来を明るくするための命のクスリになるはずだ。
森よ生き返れ 宮脇 昭(著) 大日本図書 |