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はしもと里山保全アクションチーム
里山とは
〈はしもと里山保全アクションチームって、どんな会?〉
中岡準氏からのメッセージ
入会御希望の方は下記まで
〒648-0075 和歌山県橋本市さつき台2-478-57
代表 澤田 真弓
tel: 050−7125−8087 fax: 072−881−2457
mail: aadklmnorw◎gmail.com ◎→@に変えてください
古来より、薪炭や食料生産の場として利用、維持管理されてきた里山や田園は、原生の自然ではないものの、ある種のパランスのとれた生態系と景観を擁し、私たちの最も身近な自然として親しまれてまいりました。
しかし、近年、担い手不足に伴う管理の放棄や開発による都市化の影響で、これまで豊かだった生物相や伝統的な風土景観が失われようとしています。
「担い手不足により、荒廃する雑木林や農地を市民参加のボランティアで手入れし、伝統的な農産村の景観や環境を保全していこう」と、昨年6月、当会のメンバーでもある大坂府立大学農学部講師重松敏則氏の呼びかけに、当会も賛同し、支援、協力していくこととなりました。
このプロジェクトは、豊かな里山、田園環境を保全するために、その維持管理に必要な伝統技術を学び、継承していくとともに、保全活動を通して、地域環境に対ずる認識と愛着を高め、協調心を育み、声民、行政、企業の参加と支援のもとに、将来トラスト(非営利の事業運営組織)を設立することを目的どしていまず。
昨年10月、重松氏を代表に市民有志らとともに「はしもと里山保全アクションチーム」を結成しました。
モデル、プロジェクトの対象地として、市の北東部に位置する柱本地区の「芋谷」を選び、土地所有者に使用許可を受け、技術実習地を確保しました。
そして、11月5日から7日の2泊3日で、公募による都市部(大阪府、兵庫県、和歌山市)からの参加者も加え、維持管理に必妻な技術の習得と将来のリーグー養成を目的として、第1回目の技術実習講座を開きました。
地元の伝統技術保持者の指導のもと、棚田の石積みや雑木林の下刈り、ヒノキの間伐や枝打ち等にみんなが挑戦しました。
棚田の擁壁の空石積みは、まるで立体のジグソーパズルのようで難解、技術習得までにはかなり時問がかかりそうです。
しかし、雑木林での下刈りや間伐作業は、私たち素人でもなんとか行うことが出来ました。
密生したツル植物や低本を1本、1本、切り倒すごとに、薄暗かった林内に光りが差し込み、効果が目に見えて現れるためか、みんな夢中になり、切らずに残しておこうと決めていた木も切ってしまい、慌てる一幕もありました。
このほか、指導者の実演を交えたヒノキ林での間伐や枝打ち作業等の実習に、みんな時間を忘れてしまうほど熱中、アッという間に3日間が適ぎてしまいました。
今後も、何回かの実習講座を実施して人材を育成し、この夏にはこうした運動の先進国、イギリスの布民団体BTCV(英国自然環境保全ボランチア、トラスト)と違携し、英国からの参加者も募り、日英合同で10日間の作業合宿を行う予定でず。みなさんも参加して、自然の中で思い切りいい汗をかいてみませんか。
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里山とは
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「人間が生活用の燃料として、薪や炭または農業用の有機肥料となる落ち葉を得るために、伐採、下刈りを行い、維持管理している人里周辺の林地や山野、つまり人為的に造り替えた二次林のことで、多くはアカマツ林やクヌギ、コナラの落葉広葉樹の雑木林です。
周年で伐採し、定期的に下刈りすることで、ヤマユリ、カタクリ、ムラサキシキブ等陽好性植物が生育し、昆虫類や野鳥、獣類のエサ場となります。
放置すると、常緑広葉樹が繁茂し、陽好性植物が駆逐されまず。
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〈はしもと里山保全アクションチームって、どんな会?〉
この文章は(
「自然保護最新ボランティア情報」
メトロポリタン出版)に掲載されたものです。
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発足
1993年、重松敏則氏の働きかけにより「ふるさとの自然を考える会」などのメンバーを中心として、より具体的な行動を通じての自然環境保全をめざして結成。
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活動のあらまし
橋本市の里山,田園環境を守り、保全作業を通じて伝統技術を修得している。
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活動目的
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@具体的な作業や行動を通して、自然を守る。
A里山・田園環境保全のための伝統技術を学び、継承していく。
B市民参カ加による活動を通して、地域環境に対する市民の認識と愛着を高める。
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活動場所
和歌県橋本市内の私有林・水田(活動動内容により、場所を移動)
いずれの場合も、南海高野線「林問田園都市駅」より車で10分、JR和歌山線「橋本駅」より車で20分。あらかじめ連絡しておけば、駅まで迎えにきてくれる。
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活動状況
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石垣積み・下刈り作業実習
〔1993年11月の例〕
*市民募集のリーダー養成実習(文部省の科学研究補助を得た:「里山・田園環境保全プロジェクト」の一環)。
*イモ谷地区(橋本市の中心部から約10キロ)の地元農家から借りた棚田と雑木林で実施。計30人の参加を得て、3日間行われた。
*元石工の指導で「三分勾配」の技術を学ぶ。半目で、幅約3メートル、高さ1.2メートルの石積み擁壁2つが完成(積んだ石のすき間が小動物のすみかになる)。
*棚田横の雑木林(6アールほど)で下刈り作業を行う。里山保全のための技術を修得。
A
日英合同・里山田園保全ワーキングホリディ開催〔
1994年7月〕
*橋本市がこの合宿作業のために補助金75万円を拠出。
*英国自然環境保全ボランティアトラスト(BTCV)グルーブの男女5人を招き、他府県の人も含め約50人が合宿して10日間行った。
*雑木林での下刈り、棚田での石垣積みの他に、地元の農家から提供された土地にワラぶきの丸太小屋を建設。里山保全活動の拠点づくりも行った。
*会期中に「見つめようふるさとの自然」の題でシンポジウムも開催。市民ら400人が参加。
B棚田へのレンゲ播種(11月)とお花見(5月)〔1995年、1996年〕
Cシイタケ栽培〔1996−98年〕
D「開発」で伐採されることになった市内の希少木を公園に移植〔1996〜98年〕。
E会誌「里山だより」を不定期に発行。(「里山NEWS」を99年に「里山だより」に変更)
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中岡準氏からのメッセージ
紀の川両岸の丘陵地帯には里山やだんだん畑や棚田などが連なって、私らの橋本は、ほんまにのどかで緑豊かな町だったんです。ところが、このなつかしい風景が30年前あたりから次々と消えていっています。
住宅団地やゴルフ場の造成、大型道号路建設を中心に「開発」がどんどん進んで、雑木林や棚田などがあちこちでつぶざれ、その下流の大小の川は次々と三面コンクリ張りにされています。
山からはヤマツツジやササユリ、野鳥やけものが少なくなり、川からはメダカやエビ、フナ、トンボやホタルなどがほとんどいなくなってしまいました。その上、勤めに出る人が多くなって、雑木林や棚田が放置されたり、手入れが行きとどかなくなっています。
千枚田ともいわれる棚田は
、機械も使いにくく土手も高いので、草刈りなどの作業も特別にしんどいのです。まあいうてみたら、大型開発優先とか零細農業切りすて国の政策がふるさとをつぶしているわけです。
ですけど、いまならまだ自然は残っています。この破壊の流れをなんとかして食いとめて、ふるさとの風景を次の世代へ伝えていきたいと願っています。それには政治への働きかけを抜きにはできませんが、私らのアクションチームは、自分たちのからだを動かす作業を通じて、田園風景や伝統文化を守っていこうということで集まったグループです。市民の問に、「このすばらしい風景を残さなければ」という気持ちが湧きおこってきたら、行政の姿勢も変わると思うのですが…・。私らの活動が、そういう気運をつくり出すひとつの契機になればと思っています。
うちの会には、宇宙生物学、野鳥、植物・薬草、メダカ、民俗学、歴史、古代食などさまざまな分野のエキスパートがおり、いろんなことを学ぴながら楽しく活動しています。そのうえ、活動地域内には、山林業や農業の現役の方はもとより、かつて石積みや茅葺きの職人さんとして活躍された70代、80代の方々がおられて、指導していただくことができます。また、会員の中に山林や田畑の持ち主が何人かいて、会員数や活動分野がふえれば、現在の活動場所以外にいつでも提供してもらえるフィールドもあります。大勢の人たちに参加していただきたいです。
はしもと里山保全アクションチーム
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