学思塾  ー学びて思わざれば則ち罔し、思いて学ばざれば則ち殆しー (「論語」為政より)

 

実力をつける学習法




<1>家庭学習

 
家庭学習こそが学力を育てます。
https://berd.benesse.jp/berd/center/open/report/gakuryokukoujou/2008/hon/hon2_32.html
 勉強を習慣化してしまえば、毎日勉強することが普通になります。
http://www.study-learning.com/benkyou-hou/syuukan.html
 ただし、「勉強することが何より大切だ」と勉強を特別扱いするのではなく、食事・入浴・睡眠・会話・遊び・読書・運動・掃除などの他の日常生活と同列に扱いましょう。勉強だけを特別扱いしていると、長期的には勉強も伸び悩みます。
https://showin-juku.jp/column/education-study/
 『家庭学習』は、『基本的な生活習慣』と『多様な体験』の上に成り立ちます。
https://www.nichigaku.jp/kateigakushu/images/img1.gif
 真の学力を伸ばすのは、学習塾ではなく家庭学習なのです。
https://benesse.jp/kyouiku/201907/img/KJ_20190725_02_01.jpg
 塾に通い過ぎて家庭学習が減ったり、睡眠時間が短くなるのは本末転倒です。
https://e-gakkou.jp/columns/detail/27



<2>算数


 一般に計算→文章題の勉強順だと思われていますが、逆が正解です!
https://www.familyblog.jp/entry/2018/06/25/093000
https://www.familyblog.jp/entry/2018/09/17/123723
 数がわかる子なら、
「飴を兄から3個、姉から5個もらうと全部で何個ですか」
「クッキーが7個あって2個食べると残りは何個ですか」
「4人の子どもに2個ずつパンをくばるには全部で何個のパンがいりますか」
「9個のボールを3人の子どもに同じ数ずつくばると1人何個もらえますか」
 などは計算を知らなくても解き方を教えなくても、絵をかけば解けます。その後で計算を習うと将来の伸びがまったく違います。計算法を先取りして勉強することは将来伸び悩む原因になります。

https://www.jiatama-t.com/文章問題が苦手/
http://blog.livedoor.jp/yoursong2005/archives/50415541.html
 内容が抽象的になると成績が伸び悩むことがよくありますが、その原因はもっと前の学習の間違いにあるのです。
https://sekibunn.at.webry.info/201607/article_1.html
 割合・速さの公式は覚えない方がいいです。絵で考えれば割合・速さの公式は必要ありません。
http://blog.livedoor.jp/yoursong2005/archives/51419166.html
http://blog.livedoor.jp/yoursong2005/archives/23757570.html
 もちろん、小学生に方程式を教えてはいけません。
https://tai-san.net/2017/08/01/houteisikitoitehaikenai/


<3>理科

 授業中は、先生の話を聞きながらノートを取り、黒板を丸写しせず自分なりに整理する。先生の話や疑問点や図なども書き込む。図はフリーハンドで素早くたくさん書く。
https://www.clearnotebooks.com/ja/public_page?note_id=855556&page=1
 授業前に前回の内容をざっと見直しておく。テスト勉強などで復習するときは、内容をぶつぶつ言いながら用語や図を青ペンなどで書きなぐる。
https://pbs.twimg.com/media/EVsQ84WVcAAoRvm.jpg

 できれば多くの内容を詰め込んだまとめノートを作る。
http://blog-imgs-46.fc2.com/k/o/b/kobetusidoujump/IMG_4842.jpg

 


<4>社会


 

 歴史漫画を読み、壁に歴史年表や日本地図・世界地図を貼る。
http://asomanaotosan.blog3.fc2.com/blog-entry-2090.html
https://www.amazon.co.jp/中学生の歴史年表/dp/4906660274
https://www.amazon.co.jp/小学低学年-学習日本地図-キッズレッスン/dp/4533114768
https://www.amazon.co.jp/小学高学年-学習世界地図-キッズレッスン/dp/4533078508

 「旧石器→縄文→弥生→古墳→飛鳥→奈良→平安→鎌倉→南北朝→室町→戦国→安土桃山→江戸→明治→大正→昭和→平成→令和」を歌いながら書いて覚えておく。
 「時代区分歌」
https://www.youtube.com/watch?v=TZjHW6hsjOE
 「47都道府県歌」
https://www.youtube.com/watch?v=WNTz2kcbUYk
 おまけ:「世界国名歌」
https://www.youtube.com/watch?v=-KFt0cx38ps
 授業中は先生の話を聞きながら、黒板を丸写しせず自分なりのノートを取る。先生の話や図なども書く。
https://assets.st-note.com/production/uploads/images/27247263/picture_pc_bdb5a9cf46c9b9eeead447af26c8ae09.jpg
 テスト勉強などで復習するときは、内容をぶつぶつ言いながら用語や図を青ペンなどで書きなぐる。
http://jitsuryoku.jp/wp-content/uploads/2018/09/CIMG0585.jpg
 できれば多くの内容を詰め込んだまとめノートを作る。図のコピーも貼る。
https://userdisk.webry.biglobe.ne.jp/024/688/59/N000/000/002/144143128400373887177.jpg


<5>英語力低下の現状

 最近、英語の重要性が強調されています。しかし、重要性が強調されだしてから英会話教室・英語塾に通う子どもが非常に増加していますが、生徒の英語力は伸びるどころか以前より激しく低下し、ほとんどの生徒が「読めない・書けない・知識が足りない」状況です。
https://www.nippon.com/ja/ncommon/contents/japan-data/2095961/2095961.png
 現在、英文中の「~の上に」という意味の「over」を正しく訳せる高校生は約10%、「引く」という意味の「pull」を正しく訳せる高校生は約30%です。どちらも10年前までは正解率が90%以上でしたが、今では年々正答率が低下していっています。また、ほとんどの中高生は時制・品詞・文型・受動態・比較・関係代名詞などの基本事項すらわかっていません。
 小学生のときから英会話を習っているのに中高生になっても英単語をまともに読むことすらできない生徒もかなりいます。他の教科は難関大合格レベルにある頭のいい高3生が、「center」を「コーナー」、「same」を「サム」、「their」を「ユア」と読み、「nine」を「6」、「these」を「あれら」と訳したりするのも最近では普通になっています。
 それでも下の学年と比べると今の高校生はまだましで、教育改革にあわせた新しい授業をうけている現在中学生の子ども達は英語力がもっと落ちています。
 今までの英語教育では、日本語能力がある程度完成した中学以降に文法重視の英語指導が行われてきました。その中で「英文を分析読み」することが結果的に国語・数学・理科などの他の教科の読解力・論理的思考力をも向上させてきました。英語を勉強することが子どもたちの頭を良くしたのです。これは、「英語が話せる」ことよりもはるかに重要なことだったといえます。
http://nagatuduki-eikaiwa.com/5124.html
 最近は、早期英語教育や英文法軽視・英会話重視などによって“英単語の意味を適当に並べかえて英文を読み取る”だけの「でたらめ読み」をする生徒が増加し、そのことが国語・数学・理科などの他の教科での読解力や思考力をも大きく低下させています。今までと反対に、英語を勉強することが子どもたちの頭を悪くするようになってしまったのです。これは「英語力低下」以上に大きな問題です。
http://katsuura-eigojuku.com/120924-2/

 問題は次の4つだと思われます。
①英語早期教育
https://www.mori7.com/index.php?e=2078
②英文法軽視・英会話重視
https://ameblo.jp/akiaki-1107/entry-11497670280.html
③カタカナ発音否定
http://blog.yutokatagami.com/entry/start-speaking-english
④外国人教師
https://cebu-english.com/cebuedu/english/4426/
 最近の学校の授業や教科書では英語力がつくわけもなく、生徒達がかわいそうです。
https://eigohiroba.jp/t/193

 

 
<6>ノートの取り方


 ノートを取るのは、後で見直すときのためではありません。人は自分の手で書くことによって初めてよく理解できるのです。理解し考えるためにノートをとるべきなので、書きのがしがないようにノートを取ることを頑張るのは授業が聞けなくなるので本末転倒です。
①ルーズリーフでなく必ずノートを使い、ノートは科目別に作る。ルーズリーフを使っていて伸びる生徒はほとんどいません。
②表紙に科目や教材名を書く。
③スペースは広めにとる。ノートをケチっていて伸びる生徒はあまりいません。
④黒板を丸写しせず、自分なりのノートを取る。先生の話やポイントや疑問点や図なども自分なりに書き込む。すべての内容を書く必要はありません。
⑤色ペンは数色までにする。カラフルすぎるのは良くありません。
⑥大見出し・中見出し・小見出しごとに文頭をずらす。
http://benesse.jp/contents/dekiru_note/index.html
 勉強ができない子は、板書をノートに書き写します。勉強ができる子は、先生の話を一度脳にインプットしてからアウトプットとしてノートに板書を自分の言葉になおして書きます。同じようにノートを取っているように見えても、やっていることはまったく違います。
https://web.archive.org/web/20190423143931/https://www.goodbyebluethursday.com/entry/2015/10/27/184500
 最近はノートを取らない(取れない)生徒が増えて、学力低下の原因になっています。
http://ozakijuku.com/blog-45538/
 ノートを取らない生徒が増えたのは「外遊び・指先遊びの減少による指先の不器用化」「タブレットなどによる電子化」「学習塾での先取り学習」「先生が板書しないプリント授業の増加」などが原因だと考えられます。
https://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-11-13
https://www.yakuji.co.jp/entry4118.html


<7>壁に貼る


 時間割・地図・ポスターブックなどを壁に貼っておくと、簡単に大きな効果が得られます。
時間割・予定表・カレンダー
https://jmty.jp/kanagawa/eve-tou/article-3afa7
ポスターブック
https://feature.cozre.jp/71659
お風呂に
https://chalow.net/2013-10-29-1.html
トイレに
https://blog.goo.ne.jp/hiropikari7/e/5b169e4af55c097917619fc608dc0000



<8>無意識の学習


 無意識の学習は意外なほど重要で、長い目でみると大きな学力差がうまれます。
①ノートで勉強
 ルーズリーフでなくノートを使うと、開くたびに無意識に前の内容が復習され知識が整理されます。定期試験などでは差が実感できませんが、ルーズリーフを使っていて長期的に伸びる生徒はほとんどいません。
②教材を立てる
 日常使う教材を見える所に立てておくと、知識が無意識に復習・整理されます。
③時間割を貼る
 時間割を貼っておくと、見るたびに学習内容が復習・整理されます。
④目次を貼る
 教科書や問題集の目次を壁やノートに貼っておくと、無意識に復習され次の内容の準備にもなります。
https://builmen.net/wp-content/uploads/2017/04/IMG_20170413_221639-e1492264219719.jpg


<9>学習机


 学習机は学習効果を左右します。
 多くの本を立てられる机にし、日常使う教科書・参考書・問題集などの教材は机の前に立てます。目につく所に立てておくと脳が無意識に復習して知識が整理されます。
http://uchitama-119.asablo.jp/blog/img/2013/03/23/27a32b.jpg
https://store.shopping.yahoo.co.jp/next-life-style/gd-12-m32-026302.html#&gid=itemImage&pid=1
 最近は大人向けのシンプルな机を使う家庭が増え、教材を立てることができないために学習内容を脳内で整理できなくなっている子どもたちが増加しています。
 机の前に立たない分は、机の横の棚に立てておきます。
https://static.takeda.tv/uploads/2019/10/h4AJJBZ7nV05mZZES4bD7yapYnfueSf7e6WzHBbn.jpeg
 机からベッド・テレビ・スマホ・オモチャなど余計な物が視界に入らないように整理します。机の上に小物をごちゃごちゃ置かず、息抜きになる物を1つ置く程度にします。照明は利き手の反対から照らし、昼光色か昼白色のチラつきがない照明にします。
https://studyhacker.net/columns/gakusyukouritsu-up
 気温や湿度の調整も必要です。
http://oyaryoku.blog.jp/archives/60664039.html
 換気不足の部屋で勉強しているとCO2濃度の上昇によって学習効率が低下します。暖房や冷房中でも時々空気の入れ替えが必要です。
https://hc.nikkan-gendai.com/articles/166875


<10>学習時の姿勢

 学習時の姿勢で大切なのは、「文字を書かない手」と「足」です。
 「文字を書かない手」は机の上に出してノートの上に置き、両手が「ハ」の字になるようにすれば学習が上手くいきます。「文字を書かない手」を机の下にしていると学習が上手くいきません。
http://blog.livedoor.jp/aritouch/archives/3090662.html
 「足」は、足の裏を床につけることが大切です。椅子が高すぎて足をブラブラさせている状態では思考が働きません。椅子が低すぎて足を前に投げ出しているのも良くありません。
http://oyaryoku.blog.jp/archives/60663762.html
 「背筋をまっすぐにして姿勢良く勉強するべきだ」という意見がありますが、背筋をのばして動かずに勉強すると思考が狭くなります。人は、作業に集中するときは前かがみになり、発想を広げるときは体を机から離して少し上を見たり、ペンを回したり、頭をかいたりします。思考するには体や目線を適度に動かす必要があるのです。背筋をまっすぐにして勉強すると、単純作業の勉強は上手くいきますが高度な思考力はつかなくなります。
https://blog.goo.ne.jp/kotoba_produce/e/e278365d1441f4bcc05efc1b41d46c3e
https://studyhacker.net/columns/good-penmawashi
https://psych.or.jp/interest/ff-37/
 体に芯がないような、だらっとした姿勢で勉強する子どもは学習が上手くいかないのは当然ですが、「姿勢を正しなさい」と言ってもたいてい効果がありません。外遊びや運動などが不足していたり、睡眠や栄養が足りていないために、体幹の強さや基礎体力が足りていない場合が多いからです。乳幼児期からの「体を使った遊びや運動」「良質の睡眠や食事」が学習の根本なのです。
https://dual.nikkei.com/atcl/column/17/101900011/090200103/


<11>間違うことの大切さ


 自分で考えれば間違うことはたくさんあります。だからこそ考える力をつけるには間違うことがとても大切です。「間違わないように努力する」ことは、「自分の頭で考えないようにする」ことになってしまうのです。
https://ameblo.jp/ushisense/entry-12296511715.html
http://blog.livedoor.jp/yoursong2005/archives/50253574.html



<12>学習能力の喪失


①過去問で定期試験対策
 塾や先輩から定期試験の過去問を手に入れて勉強すると、授業を聞いて理解したり自分で試行錯誤しながら演習するといった普段の学習が壊れます。一度手を出すと正常な学習に戻ることは困難です。
https://www.jiatama-t.com/修正履歴/塾通いで加速する学力低下/

http://usjuku.jugem.jp/?eid=1562
②勉強の代役
 家庭教師や個別指導塾でわからない問題を代わりに考えてもらい解法をわかりやすく説明してもらうと、自分で文章を読み取ったり試行錯誤する能力が壊れます。一度失った学習能力を取り戻すことは困難です。
http://how-to.jp/home/tutor.html
https://seiseki-t.com/archives/1059114200.html


<13>苦手科目を重点的に勉強するべきか?

 「得意科目より苦手科目を重点的に勉強するべきだ」という意見をよく聞きます。苦手科目の方が伸びる余地が大きいため、苦手科目を勉強する方が目先の得点が伸びるので、このような意見が出回るのでしょう。
 ところが、「得意科目と苦手科目がある生徒」と「どの科目も同じような成績の生徒」がいて総得点は同じ程度だった場合、その後の成績の伸びは「得意科目と苦手科目がある生徒」の方が大きくなることが多くの統計でわかっています。
http://www.asahi.com/edu/center-exam/TKY201101060310.html
 苦手科目が苦手なのは、勉強が上手くいってないからです。苦手科目の勉強法を良い方法にできるのなら一番いいのですが、もちろん簡単なことではありません。もし、悪い勉強法のまま苦手科目を重点的に勉強したらどうなるでしょうか。実は、「学習の転移」によって他の科目の勉強法も悪くなってしまいます。その結果、目先の得点は伸びても、長い目での実力は伸び悩んでしまうのです。逆に、得意科目の勉強法が良い場合、得意科目の勉強を極めれば「学習の転移」によって他の科目の勉強法も少しづつ良くなってくるものです。
http://harupis7.com/313.html
https://thunss.com/2018/11/23/kokugo-nigate-goukaku-kanou/
 ただし、苦手科目の勉強を捨ててしまうと、得意科目でいい勉強をできるようになっても、もはや苦手科目に転移することはなくなってしまいます。苦手科目も普通に勉強を続けておくことが必要です。『苦手を捨てず、得意を伸ばす』ことが大切なのです。



<14>「集中して勉強する方がいい」という勘違い

 一般に、勉強するときは「集中度が高い方が良い」と考えられていますが、本当でしょうか。
 人は、高集中時には頭の一部だけを強く使っていて、一つのことを意識的に考えるには適していますが視野は狭くなります。低集中時には頭全体を少しずつ使っていて、多くのことを無意識的に考えていますが一つのことをしっかり考えることはできません。高集中と低集中は両方大切であり、集中度を自在に変えることができる能力こそ“頭の良さ”なのです。
 最先端の神経科学・脳科学では、脳の活動のうち意識的思考(集中思考)に使われているのは5%程度で、残りは無意識の思考(非集中思考)に使われているということがわかってきています。脳の意識的な思考活動をタスク・ポジティブ・ネットワーク(TPN)、無意識の思考活動をデフォルト・モード・ネットワーク(DMN)といいます。勉強や仕事で優秀な成績を上げている人達の脳を調べると、他の人達よりDMNを活性化させながら思考しています。集中度を高めてTPNだけを強くしすぎると、DMNは逆に活動が低下します。無意識の思考力こそ頭の良さなのです。
http://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000194913
 リラックスしているときは低集中になり、緊張しているときは高集中になります。生理心理学の基本法則であるヤーキーズドットソンの法則では、「緊張度が高すぎても低すぎても学習効果は低くなる(逆U字仮説)」といわれています。
https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/h/healthy-healthy/20161117/20161117214429.png
 ただし、単純な課題では緊張度・集中度が高いほど成果がでてしまいます。
http://hysmrk.cocolog-nifty.com/photos/uncategorized/2019/02/21/image_preview.png
 しかし、単純な課題でも難しい課題でも、能力の伸びは緊張度・集中度が中程度のときに最大になります。
https://www.hamaspo.com/files/2014/05/20140513143528_CGms9UJT.png
 「勉強するときに集中度が高い方が良い」というのは都市伝説にすぎないのです。
http://livedoor.blogimg.jp/keimambo-1120/imgs/c/d/cd3c3da9.jpg
 すでに、スポーツ心理学では逆U字仮説が広く浸透してきました。「真面目に真剣に頑張るほどいい」というのは間違っているというのがスポーツ界では常識になってきていて、スポーツ選手達は逆U字仮説に従ってトレーニングすることで今までよりはるかに大きく成長するようになってきています。
https://www.jpnsport.go.jp/jiss/tabid/1297/Default.aspx
 教育や学習についても逆U字仮説があてはまります。しかし、そのことに気づいている教育関係者はごく一部です。教育や学習では、「目先の試験結果」は「能力の伸び」を表すわけではないので、学習方法とその成果の真の因果関係を客観的に調べることが困難です。そのため、最近の「客観的実験結果を重視する教育学者」や「試験結果を重視する学校教師や塾講師」は、かつての「哲学的教育学者」や「試験結果より自身の手ごたえを重視した学校教師」よりも真理から遠ざかっているのです。
http://hysmrk.cocolog-nifty.com/blog/2011/12/post-e1cc.html
 現在、ほとんどの子どもたちは「テストで結果を出すために勉強をする」ようになったため、目先のはっきりした目標を達成しようと勉強時に集中を高めすぎています。本当の実力を伸ばすには、集中思考だけでなく非集中思考(分散思考)を使うことが大切です。
https://diamond.jp/articles/-/163581
 集中しすぎない状態で勉強すると地頭が最も成長します。適度に物音がする環境で勉強することは、過度の集中を防ぐ効果があります。
https://www.chugaku-juken.club/post/中学受験-学習環境の音

 「物音のしない静かな場所でないと勉強できない」という子どもがいます。周囲の大人も「静かな場所の方が勉強がうまくいくタイプの子ども」と勘違いして、静かに勉強できる環境を用意してあげることが多いようです。しかし、その子どもは「目先の結果だけを求める小手先の勉強をするには高集中学習の方がうまくいく」ので、自然と静かな環境を求めてしまっていると考えられます。
https://ameblo.jp/rumicommon/entry-12081777241.html
 勉強途中に、ときどき軽くおやつを食べたり、お茶を飲んだりするのも効果があります。
http://www.sougousingaku.co.jp/blog/recipe/post-647.html

 勉強前や合間に体操やストレッチをするのも効果的です。
https://daigakuzyuken-pro.com/2018/12/03/study-stretch/
 歩きながら暗記をする方法も、同じ意味があります。
https://anki-study.com/memorization-technique-walking/
 日常生活における「家でダラダラ何もしない時間をもつ」「ささいなことで笑う」「みんなで楽しく食事をする」「散歩する」「雑談する」「部屋を掃除する」「ペットとふれあう」「夜更かしせず睡眠時間を確保する」などの行為は集中度を下げて、DMNが活性化します。そのときこそ勉強した内容が頭の中で自然に整理され、身になるのです。
https://president.jp/articles/-/16508
 逆に、近くに目の焦点を合わすと集中度が上がります。「スマホを使うと頭が悪くなる」というデータがたくさんありますが、近くに目の焦点を合わすことで高集中状態になることが一因と考えられます。
https://www.fnn.jp/posts/00406250HDK
 スマホやパソコンなどのデジタル機器の使用はDMNの活動を低下させ脳の成長を阻害します。
https://www.j-cast.com/tv/2019/02/20350802.html
 日常的にイヤホンで音楽を聴いていたりしても、狭い世界だけに意識が集中してしまい、高集中状態から抜けられなくなってしまいます。
http://kosotatu.jp/study/勉強中・外出中いつもイヤホンで音楽は考えもの/
 学習課題を細分化して学ぶ「スモールステップによる学習」では、課題が単純化されるために集中度が高いほど成果がでてしまいます。そのため学習者は高集中になりすぎてしまい、目先の課題は達成できても能力は伸びなくなります。「スモールステップによる学習」では、頭を使わない『単純作業』はできるようになりますが、逆に『思考力』は育たなくなるのです。
https://ameblo.jp/nicomarujyuku/entry-12228985403.html
 「過度の定期テスト対策」や「賞罰をともなう学習」でも高集中になりすぎてしまい、『思考力』は育たなくなります。
http://www.shin-ei-kai.com/archives/essay_data/『ごまかし勉強
 普段の生活の延長で「リラックスして学習する」ことが能力を最も伸ばす方法です。
https://happylifestyle.com/13585


<15>頭がよくなる学習法

 頭がいい生徒は、 
  ①習ったことを正しく理解する。
  ②覚えたことを忘れにくい。
  ③解くのが速い。
  ④最初から解ける問題が多い。
  ⑤間違いが少ない。
  ⑥同じ間違いを繰り返さない。
  ⑦うまい解法を使う。
 などの特徴があります。
 これらは頭がいいから自然にそうなっているのであって、これらの特徴があるから頭がいいのではありません。これらの特徴を“無理に”目指しても頭はよくならず、逆に頭がよくなるのを妨げてしまいます。

①習ったことを無理に正しく理解しようとすると、
 自分の頭で理解せずに、内容を覚えて理解したことにしてしまいます。
②覚えたことを忘れないように無理に努力すると、
 理解が浅いままで終わってしまいます。
③無理に速く解こうとすると、
 でたらめに解いたり、考えずに正解を真似するようになります。
④無理に解ける問題を多くしようとすると、
 意味なく手を止めて長時間悩むようになります。
⑤無理に間違いを減らそうとすると、
 用意された正解を目指そうとして、自分の思考をしなくなります。
⑥無理に同じ間違いを繰り返さないように努力すると、
 自力で考えるのをやめて、何が正解かを思い出そうとするようになります。
⑦無理にうまい解法を使おうとすると、
 地道に自分なりの思考をすることをやめてしまいます。

 本当の『頭がよくなる学習法』とは、無理せず自分の力が届く範囲で理解・思考・判断をし、自然な速さで問題を解き、自分なりの思考で正解したり間違えたりし、間違いを自然な範囲で理解・反省し、忘れたことはその都度覚えなおすことです。「わからないこと」「解けないこと」「間違うこと」「忘れること」を恐れず、ありのままの自分を出して自然な努力をするときにこそ、頭はよくなるのです。


<16>学習に役立つ本

「ドラえもんの学習シリーズ」(小学館)
https://www.shogakukan.co.jp/books/series/B50001
「ドクガク! 朝日小学生新聞の学習読みものシリーズ」(朝日学生新聞社)
https://www.gakusan.com/home/result.php?series=%83h%83N%83K%83N%21+%92%A9%93%FA%8F%AC%8Aw%90%B6%90V%95%B7%82%CC%8Aw%8FK%93%C7%82%DD%82%E0%82%CC%83V%83%8A%81%5B%83Y
「学習まんが 日本の歴史」(小学館)
https://www.shogakukan.co.jp/books/09298909
「学習漫画 世界の歴史」(集英社)
http://kids.shueisha.co.jp/gakusyu/detail_sekainorekishi.html
「学習漫画 中国の歴史」(集英社)
https://books.shueisha.co.jp/items/contents.html?isbn=978-4-08-248907-6
算数図鑑
https://style.ehonnavi.net/manabi/2018/02/06_001.html
「まんが47都道府県研究レポート」(偕成社)
https://www.kaiseisha.co.jp/books/9784035444619
「ドラえもん科学ワールドシリーズ」(小学館)
https://www.shogakukan.co.jp/books/volume/25869
「やる気ぐんぐんシリーズ」(ナツメ社)
https://www.natsume.co.jp/genre/yarukigungun
「まんがサイエンス」(学研)
https://hon.gakken.jp/book/8881073900
「理科まんが とび出せ!発見・発明伝」(朝日学生新聞社)
https://www.amazon.co.jp/理科まんが-とび出せ-発明・発見伝-2巻セット-朝日小学生新聞の学習まんが/dp/4907150547
「数の悪魔―算数・数学が楽しくなる12夜」(晶文社)
https://www.shobunsha.co.jp/?p=1008
「あさきゆめみし」(講談社)
http://日本史漫画.com/koten.html
「史記」(小学館)
http://gakushumanga.jp/manga/史記/
「風雲児たち」(リイド社)
http://gakushumanga.jp/manga/風雲児たち/
「その時歴史が動いたコミック版」(ホーム社)
https://ameblo.jp/kyoichika/entry-11638673538.html
「角川まんが学習シリーズ よくわかる近現代史」(KADOKAWA )
https://www.kadokawa.co.jp/product/321804000596/
「もしも原子がみえたなら」(仮説社)
https://www.kasetu.co.jp/products/detail/335
「もしも原子がみえたならカラー版」(国土社)
https://bookmeter.com/books/108655
「ビーカーくんと放課後の理科室」(仮説社)
https://www.kasetu.co.jp/products/detail/632
「サイエンスシアターシリーズ」(仮説社)
https://www.kasetu.co.jp/products/list?category_id=23
「マンガでわかる元素118」(SBクリエイティブ)
https://www.sbcr.jp/product/4797362503/



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