子どものあそびが変わってきた現代では少し減ってきたようですが、寒風吹きすさぶ時期でも「子どもは風の子!」と外であそぶ姿がよく見られます。私たちが子どもの頃などは、冬でも半ズボンで走り回っている子も少なくありませんでしたね。
ところで、なぜ子どもは風の子と言われるのでしょうか。結論から言うと、ずばり、自律神経が未発達なため、寒さを感じにくいからです。薄着であそぶ子どもを見て「あんな恰好で寒くないのかしらね〜」とおっしゃる方もいらっしゃいますが、実はその通り、寒くないのです。いえ、正確に言うと、寒さに気付いていないのです。
気を付けなければいけないのは、子ども自身の意識としては寒さを感じていなくても、子どもの体は寒さを感じているということです。
園長が過去に某市の公立保育所で保育士をしていた時、他クラスの3歳の子どもが真冬に外で過ごしていて本人は「寒くない」と言っているのですが、唇は真っ青で、顔も白くなり、体はガタガタ震えているという事がありました。すぐに保育室に連れて行ってもらい、足湯で体を温めさせました。「子どもは風の子」と思い込んでいると後々大変なことになりかねません。
だからと言って厚着しすぎると皮膚の感覚器官が刺激されず、自律神経の発達が促されませんので、服装にもバランス感覚が必要です。
多少寒くても全力であそぶと、体温がすぐに上がり、汗もかいてきます。動きやすく、肌着を着せ、「少し薄着かな?」と思うくらいの恰好がちょうど良いようです。静的なあそびが好きな子は少し厚着にするなり、 早目にお部屋に入ってもいいでしょう。