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小さな子どもが過ごす場所だからこそ、保育園は”家”でありたい。

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コラム 2.「清潔な環境が花粉症の原因!?」 

 当園にも3年に1回ほど「入園を考えているが、砂遊びをさせないでほしい」という問い合わせと言いますか、要望がきます。その保護者様いわく、砂遊びは不衛生で、病気の原因になると言うのです。
 当園の砂場では猫除けネットをしてありますので猫が糞便をすることはありません。しかし、確かに自然界には細菌が存在しており、砂場にもいるはずですので、病気になる可能性を100%否定することはできません。しかし、では、皆さんの中に砂遊びが原因で重篤な病気になった経験をお持ちの方はどれだけいらっしゃるのでしょうか。

 ロート製薬が行った花粉症についての調査分析(2013年〜2015年)があります。この報告では逆に「子どもの身の回りが清潔になった結果、免疫力が高まらず、アレルギー反応を起こしやすくなっている」と結論づけています。
 清潔すぎる環境がかえって感染症やアレルギーを招くということは実に50年も前から言われていますが、商業的な煽りもあり、日本の清潔志向はますます高まるばかりです。

 だんごや飴の中に花粉を練りこみ、それを食べることでアレルゲンを体内に取り込んで花粉症を治すという民間療法は以前からありました。最近ではスギ花粉エキスを口中に含む舌下免疫療法が2014年10月に健康保険適用となりました。花粉症の症状を抑える対症療法ではなく、完治が期待できる療法です。
 原因を遠ざけるのではなく、あえて取り込むことで体に耐性ができていきます。

 他の事例も挙げてみましょう。

●東海大学健康科学部の田瓜正氣元教授の実験で、無菌状態の風船の中で育てられたマウスは、通常の環境で育ったマウスに比べて1.3倍長生きした。ところが、一定期間無菌状態で育てたマウスを通常の大気中にさらすと、3割のマウスは通常の寿命のものより早く死んでしまった。

●1995年、インドネシアのバリ島から帰国した日本人旅行者200人以上がコレラを発症。しかし日本人以外の外国人旅行者は1人も発症しなかった。「日本人は清潔すぎて免疫力がないのでは」と話題に。

●ほぼ制圧したと考えられていた結核が、1996年から3年間増加を続けた。厚労省の2014年調査では、日本の結核罹患率は先進国でトップ。罹患率はオランダのおよそ2倍、アメリカの4倍以上。

●南ドイツで農家と非農家のホコリを集め、エンドトキシンという細菌成分の量を調べたところ、それが多い農家の子ほど花粉症とぜん息の発症が少なかった。

 上記の事例からも、人間は本来、細菌を含む自然と共生するものだということがわかりますね。こういったことから、酷く不衛生な環境はもちろん避けるべきですが、あえて多少の細菌がいる環境で過ごすことは、子どもだけでなく大人にとっても健康上必要なことだと言えるのでしょう。過ぎたるは及ばざるがごとし、なのですね。

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