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コラム 7.「イヤイヤ期」は「自立期」(2016.4〜6) 

 さて、新年度最初のテーマは、“「イヤイヤ期」は「自立期」”です。

 およそ2歳ごろにやってくる、第1次反抗期。いつからでしょうか、近年はこれをイヤイヤ期と呼んでいます。
 名称が変わっても、子どもの姿は同じ。それまでは素直だった我が子がある時「イヤ!」と言うようになり、だんだんエスカレートし、終いには大人の言う事をとにかく拒否するようになったります。

 エスカレートしがちなイヤイヤ期ですが、そもそもなんのためにこのような時期があるのでしょうか。
 タイトルからも分かる通り、それは「自立」のためです。大人からの要求に対して「いや!」と拒否するのは、言い換えると、自分の事は自分で決めたいという事です。
 これは人間として当たり前の気持ちです。子どもが成長して、人間として当たり前の気持ちを持つようになったという、それだけの事なのです。

 ところが大人の立場からすると、それまで比較的素直に自分のいう事を聞いてくれていたのに、こちらの思い通りにならなくなって困惑してしまいます。言い方は悪いのですが、自分の手のひらで転がせていた子が、どんどん大人の手から離れようとして気が気でなくなってしまうのです。

 私自身も我が子のイヤイヤ期を経験しましたが、振り返ってみると、自分の思い通りになってくれない苛立ちの奥には、子どもが自分の手から離れようとする事への寂しさもあるような気がします。
 親としては、この子と一緒に楽しく朗らかに過ごしたいというだけなのです。つまり、親子で良い人間関係でいたい、ということです。

 ここで「人間関係の悩みは『相手の事を自分がコントロールできる』と思っているから起こるのだ」という心理学者のアドラーの言葉にたどり着きます。子どもの中に生まれた「自己決定」への欲求をいかに認められるかが鍵になってきます。

 当園では「大人も子どもも人間として対等」と掲げています。この考えのひとつに「自分の事は自分が決める。相手の事は相手が決める」というものがあります。自分の領域と相手の領域をしっかり区別することが難しくも大切です。

 生まれてからぐんぐん心と体が発達し、できる事が増えていきます。自分ではできないような事でもできると信じ、挑戦します。「可能性を信じる」とも言いますし、「自己への信頼」とも言えますし、「自らの知能への信頼」とも言えます。とにかく、とても前向きな心であるのでしょう。

 さて、せっかく子どもが自分を信頼して行動している瞬間ですのでこういう時にどうするべきなのかというと、各所で「危険でなければ、大人は手を出さずに見守りましょう」と言われています。
 これはやはりその通りで、大人がついつい口や手を出すことは、子どもにとっては自己決定に対する否定であり、信頼されていないことの証明にもなります。第二次反抗期である10代の子ども相手であれば、この手出し・口出しに対して「どうして私の事を信じてくれないの!?」という反論がくることでしょう。

 手を出さずに見守るということは、子どもに対する信頼のあらわれでもあります。 大人としては相手を思う気持ちから出てしまう手出し・口出しですが、相手を思うからこそぐっとこらえる事も必要でしょう。
 つい手を出してしまう心には「自分が手を出せば上手くいく」「相手には上手くできない」という決めつけがあります。結果、目先の現象としては上手くいっても、相手との人間関係は上手くいかないという事になってしまいます。

 自分を信頼してくれる人に対しては信頼を返し、自分を信頼しない人に対しては不信を返すのが人の情です。イヤイヤ期にある子も日頃から大人の信頼を感じられていると、困ったことに直面して自分でどうにもならなければ、案外はやく大人に手助けを求めてくるものですよ。

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