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コラム 10.「絵本って何の役に立つの?」 

 最近はずっしりした話が続いていたので、今回はライトな話題でいきたいと思います。

  私は時折他の保育園に保育内容や運営のアドバイスをするのですが、とある0〜2歳児中心の保育園で運営責任者をしている方にこう言われたことがあります。

「子ども達は遊ばせずに、机に座らせて高度教育したらええやん。絵本とかおままごととか、あそんでるだけじゃ意味ないでしょ」

  この方は保育経験がなかった上、その園の赤字続きの状況を打破したくてそう言ったのだとは思うのですが、さすがにびっくりしてしまいました。慌てて子どものあそびには子どもの成長に必要な要素が含まれている事、机に座るなどの習慣は後からでも身に付けられるが必要な心の成長は今の時期しかできない事、子どもは自分の成長に必要なあそびを自然と選択するという説を説明しました。さらに絵本やおままごとなどのあそびに含まれる発達の要素や、様々な「高度教育」と言われる保育スタイルのメリット・デメリットを書面に網羅して説得したということがありました。

 そこで気付いたのです。私達保育士は乳幼児についての専門職ですからそういった事は当然知っているのですが、そうでない方には当たり前の知識ではないと。実際、乳幼児のあそびはそれ自体が乳幼児教育となり、この時期にしっかりあそんでおくことが小学校以降の教育の基礎となります。そこで今回は「絵本」についてお伝えしてみようと思いました。

 絵本についてよく言われているのは
1.「親子のコミュニケーションになる」
2.「語彙が増える」
3.「想像力が付く」
といったところだと思います。

 1.親が子に絵本を読む際、膝の上に子どもを座らせることが多いのですが、これが親子のスキンシップとなります。この際、両者には愛情ホルモンとも呼ばれるオキシトシンが分泌されます。オキシトシンは、愛情を深め、ストレスを減少させます。これが情緒を安定させて、落ち着いた生活を送りやすくなります。また、愛情は信頼を深め、家族関係を良くし、子どもの社会への信頼を築きます。社会への信頼があると、学業や仕事に前向きに取り組むことができます。(一部のネット情報ではオキシトシンがIQを高めると言われていますが、それを証明するに足る根拠は示されていません)

2.絵本を通して様々な文章に触れることで自然と言葉を覚えていきます。絵本には絵が描いてありますから、行動や様子に対する言葉を結び付けて覚えやすくなります。また、絵本を読みながら「○○さん何してるのかな?」などと子どもとのやり取りをすることで言葉を引き出すこともできます。

3.子ども達は「アニミズム」という生命のない物にも生命があるかのように考える思考を持っています。絵本に描かれている絵が、まるで本当に動いているかのように感じることもあるのです。登場人物の様子や気持ちをイメージし、前頭葉が刺激されます。刺激され発達した前頭葉は、さらに色々な物を詳細にイメージできるようになっていくのです。

  他にも集中力がついたりと色々とあるのですが、文字量の都合により詳しい説明は今回は避けておきます。しかし、絵本の読み聞かせは6つある脳葉のうち5つ(前頭葉ブローカ野、側頭葉、頭頂葉、後頭葉、海馬)を刺激できるという、実に有益なものなのです。読書経験の多い子どもは学業成績が良いというデータが出ている事にもうなづけるのではないでしょうか。

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