右のレバーを開ければ、4(10から引いた残り)と、4(一位の4)を加えることになり(加)、答えは8となります。これが減加法です。
14−8を例にします。
球を真ん中に入れると10個入ると、オーバーフローして後は自動的に1位に入り、14を表します。
1位の4から6は引けないと考え、1位は何も操作しないで、10をこわしてそこから6を引くと考えます。10から6を引くと(減)、残りは4、それに一位の4がまだ残っているから
くりさがり計算機
番号 部品名 寸法など 数量 メーカー 入手先 その他
@ 台紙 A3サイズ 1枚 象の会HPより
A ラミネートシート A3サイズ 1枚 ホームセンター
B ベニヤ板 35.4cm×25.4cm 5.5mm厚 1枚 ホームセンター
C 枕木 17mm×20mm 長さ25.4cm 1本 ホームセンター
D ヒノキ材 幅3cm 厚み9mm 長さ6p 1本 ホームセンター
E ヒノキ材 幅3cm 厚み9mm 長さ3p 1本 ホームセンター
F コ型プラスチックモール15mm 長さ19.7p 3本 光モール ホームセンター http://www.h-mol.co.jp/
G L型アングル10mm 長さ26.8p 1本 光モール ホームセンター
H L型アングル10mm 長さ6p 1本
I 鋼球9/16 直径14.2875mm 20個 大橋鋼球 http://www.ohashi-ball.co.jp/index.html
J ちょうつがい 幅25mm位 2個 ホームセンター
K ちょうつがい取り付け木ねじ 長さ8mm位 8本 ホームセンター
L 枕木取り付け用木ねじ 長さ16mm位 4本 ホームセンター
むずかしいくりさがりのある引き算
 十進法は、位置で大きさを表しています。つまり十の位は、表記は一の位と同じ「1」でも、一の位が10個集まっていることを表しています。このことがわからないと、くりさがりのある引き算は、とてもむずかしいものとなります。球を使う具体的な操作で、十位と一位が視覚的に把握しやすくすることで、引き算を何とかわかりやすくできないものかと考えてみました。

減々法
減加法
 2桁の引き算で、くりさがりを伴う計算には、減々法減加法の二通りのやり方があります。減々法とは、14−6を例にすると、4から6は引けないので、引く数の6は、4と2に分解できることをはじめに考えます。そして、一位の4を引きます。ところが、引く数は6なので、先ほどの分解で考えたあと2だけ残っていることがわかります。次に10から残りの2を引きます。つまり、答えは8となります。一位から1回引き(減)、十位からさらにもう1回引くので(減)、減々法というのです。
これに対して減加法は、14−6の場合、一位の4よりも6は大きいので引くことができないと考え、10から4を引きます。10をこわすつまり十位は、一の位が10個集まっているという考えが必要ですが、@引き算が1回ですむこと、Aその引き算は常に10からの引き算になる(つまり10の補数)、B最後は足し算でよいことなどから減加法の方が子どもがわかりやすいとされています。
 ここでは、この減加法のやり方での計算機を作ってみました。
L
K
J
I
H
G
F
F
F
E
D
C
Bベニヤ板
Aラミネートフィルム
@台紙
完成のイメージ
できあがりは左の写真のようになります。

準備
Fのコ型モールは、買ってきたときは内側に反っていて球の転がりがスムーズではありません。このため、別に15mm幅のヒノキ棒を用意し、コ型モールにはめ、熱湯をかけ反りをなくして、球の通りをよくしてから、寸法に合わせて切ります。

台紙はここをクリックしてください。統合グラフィックソフト『花子』で作ったくりさがりの台紙(ZIP形式で圧縮)がダウンロードできます。花子をお持ちでない方は、ジャストシステムのHPから、閲覧、印刷ができる花子ビューアが無料でダウンロードできます。

http://www.ichitaro.com/try/hanako/viewer.html?m=ict1103


台紙をラミネートシートに挟み、ラミネーター で、ラミネートします。
台紙の上端と左端を線に沿って切り落とします。(下端と右端は、後で板に沿って切るので、今は切りません)
写真のようにベニヤ板の周囲や、中央に両面テープを貼ります。(くりさがりは、ほとんどの部品を両面テープで貼っていきますので、台紙がはがれないように両面テープは多めに貼ってください。)
上端と左端を合わせて台紙をベニヤ板に貼ります。そして、全体を裏返して写真のようにカッターの刃を曲げるようにして、板に沿わせて余分を切り落とします。このように刃を曲げて切ると、刃が板にぴったり沿うのできれいに切れます。

図のA,B,Cのところに部品番号Fのコ型プラスチックモール15mm3本を、下の赤破線にそろえて並べます。(ここでは3本とも置くだけです。)
Aの部分のコ型モールは、何の加工もしません。BCのモールは、右写真のそれぞれの黄実線の部分にのこぎりを当て、斜めに写真のように切り目を入れます。
次に赤実線の部分を折り取ります。そして、球が転がりやすいように、赤実線の部分のバリを取っておきます。折り取った部分は後でガイドを作るのに使いますので、捨てないでください。

注意BCのコ型モールの接触する側に切り目を入れるだけで、決して切り離すのではありません。
Bは、切り目より下の赤線の部分を折り取ります。
Cは、切り目より上の赤線の部分を折り取ります。

できあがった3本のモールは写真のようになります

枕木の取り付け
ベニヤ板の最上部の裏に木ねじ(長い方)で枕木を取り付けます。枕木は断面が17o×20oとなっています。高さが20oとなる方向にしてください。(くりあがりよりも、くりさがりは、勾配を必要とするためです。この枕木は、くりあがり、くりさがりとも共用できるようにこの寸法にしました。)
ABC3本のコ型モールの貼り付け
あらかじめ用意したモールを貼ります。コ型モールは、断面が図のようになっています。図の赤線の位置に両面テープを貼ってください。そして、位置を間違わないように下端を赤破線にそろえて貼ります。
ちょうつがいの取り付け
取り付け後の作業のしやすさのために、図のようにちょうつがいの片面に両面テープを貼り、D答・Eご破算それぞれのレバーになるヒノキ材の片方にちょうつがいを仮止めします。仮止めの後、木ねじでしっかりとめます。
ちょうつがいの反対面にも同様に両面テープを貼り、写真の黄色線のように、モールの最下端から2oくらいあけた位置に、そしてD答・Eご破算それぞれのレバーの先端が、モールAとBの中間の位置(赤縦線)になるに仮止めした後、木ねじで止めます。

ここに両面テープを貼り、仮止めした後、木ねじで止める

ちょうつがいの反対面にも同様に両面テープを貼り、写真の位置に仮止めした後、木ねじで止めます。
アングルの取り付け
G、HのL型アングルを台紙の線に沿っておき、Hの縦アングルにぴったりになるように、カッターでGのアングルの右端を加工します。加工ができたら、両面テープで台紙に貼り、木ねじで止めます。

転がりテスト
ABCそれぞれの溝に球を転がし、軽く下まで達することを確かめておきます。
オーバーフローの加工
真ん中のBの溝に球を入れて、10を越えたら、Cの溝に入るメカニズムをBの溝に作ります。
BとCの向き合った開口部がありますが、Bの溝の左側にガイドがあります。Bの溝を球が転がっていくときに、ガイドにあたってコースが右に少しそれます。球が10個ないときは、モールCの角に当たって、そのままBの溝に入っていきます。(写真の赤い線
ところが球が10個あるときは、10個目の球の右側面に当たって、その球面にはじかれて右のCの溝に入っていきます。これがオーバーフローのしかけです。(黄色の線)
モールの切れ端で作った長さ3oくらいのガイドの大写しの写真をごらんください。ガイドの形や位置によって、転がり方がずいぶん違ってくるので少し調整が必要です。試してみてください。
ガイドは拡大写真を参考に作り、両面テープで貼ってください。

ガイド

取扱説明書は、ここをクリックしてください。
ワードで開きます。

くりあがりもごらんください。

安全のため、すべての部品の角を丸めてください。

2006/2/27一部更新