第2版(1997.11.3)

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****学校とその周辺****
【その1・小話編】>

フフフフ・・・
(ショートショート編)

【その2・中話編】はここを押す
97.11.3発信 「おかあさ〜ん」

 低学年のやさしい女の先生はときたま子どもからふと、「おかあさん」と呼ばれます。
 子どもはすぐに気がついて照れくさそうな顔をして「せんせい」と呼びかえます。子どもがなにかに熱中しているときや手をつないで歩いているときなどのようです。

 男の教師は「おとうさん」とは呼ばれてないみたい。

(私はなんと、長い教師生活に小学校1.2年生の担任はしたことがありません。このこわい顔で子どもがひきつけを起こすのを恐れての配慮かな。だから私も「おとうさん」と呼ばれたことはありません。いや一度だけあるぞ。言葉が出てきた自閉症の少年に「ねえ、お父さん」と言われた思い出が。こういうのは教師のささやかな喜びのひとつです。)

 ところが、退職近くなり障害児学級担任で低学年に行くようになってから「おじいちゃん」と呼ばれました。「おじいちゃん」って失礼なっと思いますが、実はそのときはもう子どもたちの祖父・祖母よりも年をとっていました。やむをえないなあ。


97.11.3発信 「えっ、二年生も先生なの」

 一年生の教室の補助にいっていたときの話。夏休みもすんでさあ今日からニ学期です。
 教室に入り、担任のフジハラ先生を見たののちゃんは「えっ、二年生もフジハラ先生なの」と。

 ふたりはその意味がわかりません。で、聞いてみるとののちゃんは言いました。
 「夏休みがすんだから、今日から二年生になった」「ほんで先生もかわるでしょう」と。

 小さい子には誰かが教えてくれないと、「そんなこと知らんかったよ」ということは結構多い。でも、大人はそれに気がつかないことも多い。


97.11.3発信 「かなんなあ」

■ 観光バスで大阪から奈良に遠足。落ちている鹿センベイを食う子や公園で鹿に弁当を食べられたりして大騒ぎ。

 しかし鹿を跳び箱にみたてて走っていって後ろから飛び乗った子には驚いた。 (鹿は子どもを落として逃げていった)

  あいつ春日大社のバチが当たったと思うぞ。ところで春日大社のバチって何だろう。それよか担任のしつけが悪いのが問題か。



■ こんどは京都への遠足。無事学校へ帰りました。ほっとして解散をしょうとするとののちゃんが「先生、菊地君のかばんの中で何か鳴いている!」と。

 彼のかばんに鳩が入ってました。あわてて「おまえ、なんちゅうことをするか。はよう逃がしてやれ」と他の教師たちに見つかる前に証拠隠滅をはかりました。

 鳩は菊地のかばんから解放されて、京都と反対の大阪湾の方へ飛んでいきました。鳩さんどないなったんかなあ。えっ、鳩は?  京都の某所にたちよったときに捕まえてかばんにいれたそうです。

              今度は仏様のバチの番だ。
 子どもは油断もすきもない生き物です。ときたま猿山の飼育係のような気分になりました。

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ここから下は、初版97.9の分

「俺は、先生の理科の授業は嫌いだ!」

中学の理科のAセンセに遠慮のない少年H君(笑)が言いました。「俺、先生の理科の授業は嫌いだ !」と。

Aセンセ少しもあわてず、言いました。 「でも、先生、H君好きよ」と。

(雑誌『たのしい授業』(6頁)の欄外スペース「はみだしたの」より)



「ムカツクなあ!」

 Bセンセのクラスの子どもたちもナマイキにどこからか「ムカツク」という言葉を覚えてきました。センセが宿題を出したら、「ムカツクなあ」。友だち同士でも「お前、ムカツクやっちゃ」とやります。

 そこでBセンセはいいました。「H君、ちょっと連絡帳(明日の予定を書いたり、保護者との連絡を書いたりするノート)持ってきてね。君はいつも「ムカツク」といっているから、お母さんに
【お子さまは学校でよくムカツクと言ってますが、病気かもしれませんので一度病院に連れて行ってあげてください】と書いてあげるからね」。

H君「書いてもらわんでもええわ。お母さんにどづかれるもん」

(「京阪・仮説サークル」(5頁)のおしゃべりより)



「適当な言葉を」

 これは私の失敗。「次の四角の枠の中に、適当な言葉を書き入れなさい」とのテスト問題を作りました。
子どもたちは、「空気」が正解の枠の中に、「さんちゃん」「チョコレート」「ウルトラの母」「100点」なんて書いています。採点しつつ、だんだん腹が立ってきたり、不思議な気になってきました。

子どもたちにその理由を聞くと、「テキトーな言葉を書けとあるから、テキトーな言葉を書いた」とのこと。

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