夢大和フォトギャラリー



四国八十八ヵ所《伊予の国》歩き遍路の旅
空海の史跡と自然を訪ねて

第5回 64番・61番・60番石鎚山登山

     
60番横峰寺参道

       10月10日 JR西条駅〜64番前神寺〜61番香園寺〜宿(伊予小松)  歩行距離 11.3km『歩行地図』クリックして下さい
       8時に出発した高速バスは13時前にJR西条駅へ、身支度を整え早速に64番前神寺へ向け4.2kmの道程を歩き出す。
      ルート11号から旧道に入り遍路道に合流、今回は逆打ちとなる遍路道シールを逆さに見るのは初めて。
       1時間弱で64番に、奥の本堂は両手を広げて迎えてくれている感じ。三つ葉葵の寺紋が目につく。御滝不動には1円玉がぎっ
      しりへばり付いている(写真)、御利益があるとか。
       途中の石鎚神社は鳥居前から参拝し61番香園寺へ5.8kmを進む。
       前回に打ち終えた63番吉祥寺の在る氷見の町では祭りの準備中、高さ5m近くある立派な造りの屋台を背景に記念写真(写
      真)氷見地区で27台が15日に賑やかに繰出す。おばあさんが『内の2階が空いているから15日まで泊まっていけ』と言ってくれ
      るがそうもいかない。
       近くに弘法大師の杖で湧き出た「芝井の井戸」がある、先に歩いてきた11号沿いにも「知生の泉」という水飲み場があった、石
      鎚山山系の湧き水がこの地は多く有りそう。
       道草をして61番香園寺へは16時となる。およそ寺院とは思えない建物で大師堂は2階に在る。
       JR小松駅の近く「ビジネス旅館小松」で今宵お世話になる。食事の向かいの席が外人さん、横峰寺の歩きは大変だったと身振
      りを交えて会話、英会話が出来たらなぁ。夕暮れから大きな提灯太鼓台が何台も繰出し祭りが賑やかさを増していた(写真)

       10月11日 宿〜60番横峰寺〜JR小松(列車)JR西条・宿  歩行距離 22km『歩行地図』クリックして下さい
       宿を6時50分に出て香園寺から白滝奥の院を経てH745mの60番横峰寺を目指す。難所と言われているだけあって歩き応え
      あり、急な山道が何処まで続くのかと思う。同宿者のご婦人に追いつき流れる汗を拭きながら互いに励まし合うも、暫く後お先に
      失礼して寺に辿り着いたのが10時半、11kmに3時間40分を要した。
       山深い寺院らしく厳格な印象、我が参拝も自然と居住まいを正すこととなり、汗をかいた遍路道も相まって打ち終えて充実感が
      味わえた。納経所で星が森を尋ねる、登り15分程で天候により石鎚山が拝せると聞く。頑張りなさいとお菓子の接待を頂き星が
      森へ、前方の景色が大きく開き小さな鳥居の遥か向こうに山の壁、霊峰石鎚山が見える。「素晴らしい風景」の紋切り型では言
      いつくせない、斜光に輝く山容に身も心も吸い込まれそう。明日の石鎚山登山の無事を願って拝す。(写真)
       東京からのお遍路さんが居られ、この風景を前におにぎりをほう張り話が弾む。去り難いが帰らねば。宿で頂いた地図でへん
      ろみち保存協会の地図に載ってないルートでJR小松駅に下る、約2時間40分。小松駅から西条駅に列車で移動、駅前の「西条
      ステーションホテル」に泊まる。
      
       10月12日 途中下車で石鎚山登山(西条駅からバスで約1時間、ロープウエイで石鎚神社成就社〜山頂の天狗岳 歩行距離   
     
 片道5km標高差700m)                                            『歩行地図』クリックして下さい
       JR西条駅を西の川行きバスで石鎚ロープウエイ駅へ、ロープウエイを降り淡く色づき出した落葉樹の下を9時に出発し石鎚神社
      成就社へ20分、無事を願って拝殿へ大きな天狗の面、そして正面に霊峰石鎚山を拝す。改めて心を引き締め八丁坂を下りきる、
      此処から急なじぐだぐ道が続く。
       10時15分前社ヶ森に着く、紅葉樹の隙間の岩肌に角度の急な試し鎖が見え登山者が降りている、遅々として進まない、『下を
      見るな』と大きな声援が飛ぶ。
       夜明け峠からの紅葉がとても綺麗。今朝の日の出を拝した登山者が降りてくる、皆さん満足そうな顔をしている。@〜Bの鎖行
      場は見るだけで迂回路を登る。Aの鎖行場過ぎから紅葉を上に突き出た天狗岳の北壁が凄い。
       急な木の階段が続く、『ここから休憩無しで頂上まで行きます』とどこかのグループリーダーの声。
       いよいよ弥山頂上だ、大勢な登山者、先ず飛び込んだ風景が西の方角の「西の冠岳・二の森・堂ヶ森」山容、四国の山の深さ
      を実感、広大な裾野の紅葉は少し早いが我が足元に迄伸びている感じ。
       逆方向に石鎚山の山頂「天狗岳H1982m」、赤い紅葉を纏い青空に突き出た容姿は正に神宿る神山の頂(写真)この景色の中
      おぎりを頬張る贅沢、登って良かったとつくづく思う。歩き遍路を始めていなかったら恐らくこの山登りは無かっただろう、歩き遍路
      を勧めてくれた友人にも感謝。
       頂の空気を胸いっぱいに吸い込み脳裏に景色を焼きつけ12時30分下山。ロープウエイ駅まで2時間弱、『スマートだからどうぞ』
      と車内の席を詰めて下さったのが同じ奈良県の方、歩き遍路ツアーを始められ、その先達が自分も世話になった古川さん、歩き
      遍路の経験を少しだけ先輩面して話したかな?でも楽しかった。
       昨日のホテルに連泊し明日の遍路歩きに備える。

       10月13日 宿〜JR新居浜駅  歩行距離13km                              『歩行地図』クリックして下さい
       
久し振りの雨中歩行となる昨日でなくて良かった。ホテルで雨傘を頂く雨は嫌だがこれも歩き遍路、雨具を着用すると果敢に元
      気に歩き出す自分。
       ルート11号から旧街道に入り9km地点(新居浜市萩生)の善根宿で休息、8畳程度の土間に接待用のお茶セット、畳2枚の寝台
      が備えられていて高橋芳子とおっしゃるお婆さんが接待されている。昨夜も宿泊者のお礼書きが残されていた。こうした善意が多
      くの歩き遍路を支えている事を実感、振り返り民宿などの利用で食事の雑用も、暑さ寒さの心配も無く歩き遍路を続けられる身の
      贅沢を思う。
       次回の歩きを考え出来るだけ65番の三角寺に近づいておきたかったが、休憩後に疲れが出てきて歩行速度が落ちている、10
      時半と早いが急ぐことも無い近くのJR新居浜駅で終了、12時の高速バスで帰宅。
       今回の遍路旅は出発日を熟慮した、横峰寺の歩きたい遍路道が先の台風で荒れ雨天での歩行を避けよと情報、又 途中下車
      となる石鎚山登山では青空に聳える天狗岳を拝したいし紅葉も残っていて欲しい。天気予報で10日出発とした一人旅の身軽さで
      ある、そして期待に違わぬ天候で充実した歩き遍路となり、途中下車だった。
       菩提の道場(愛媛県)も65番三角寺を残すのみとなった。
      

 写真をクリックして下さい拡大します
 氷見の屋台  星が森から石鎚山  天狗岳
            
 御滝不動に1円玉  小松の提灯太鼓台  
         
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