「で?話って何だよ?」
「・・・・・・出来たの。」
「は?」
「デスの子供。」
「・・・・・・・・・へ?」
「・・・・・何よ、とぼける気?まさか、あの夜の事を忘れたなんて言わないわよね?」
「あの夜・・・・・・・・?」
怪訝そうに呟くデスマスクの顔を、は厳しい眼差しでじっと見つめた。
「・・・・・・・はぁ・・・・・・・・」
デスマスクは今、大層苦悩していた。
突然訪ねて来て、改まって話があるというから何事かと思えば、あの衝撃の受胎告知。
驚くな、動揺するな、悩むなと言う方が無理な話である。
「・・・・・・・参ったぜ・・・・・・」
確かに比較的派手に遊び回っている方だが、そんなヘマをやらかした事はこれまで一度だってなかった。
遊びのルールというものは、きちんと弁えているつもりだ。
しかも、行きずりの女ならいざ知らず、相手は。
このハプニングは、どう考えても納得がいかない。
だが、覚えがない、とは言えなかった。
の言った『あの夜』というのが、具体的にいつの事なのかは正直思い出せないが、しばしばと夜通し一緒に居る事があるのは事実だ。
の家に集まって飲んでそのまま朝を迎えたり、酔って帰った時に自分の宮まで上がるのが面倒だからという理由での家に転がり込んだり。そういう事は割と頻繁にある。
誰かと一緒でも、自分一人でも。
「あいつ・・・・・、どうするつもりなんだ・・・・・・」
その返答として、『まだ考えてる』と呟いた時のの顔。
あの傷付いたような表情を見たら、それ以上何も言えなかった。
出すべき答えは分かりきっている筈なのに、自分の子供が欲しいと思った事などこれまで一度たりともなかったのに、『NO』と言い切る事が出来なかった。
かと言って、『YES』とも。
「俺は・・・・・・、どうすりゃ良いんだ・・・・・・」
さっきからもう何本目か分からない煙草に火を点けて、煙を肺一杯に吸い込んでみると、その状態に慣れている筈の胸がやけに痛んだ。
どうする事が最善なのか、幾ら考えても煮詰るばかりで答えは出ない。
時間の経過に比例していくのは、吸殻の数と頭痛の酷さだけだ。
「あー・・・・・・、クソッ!どうすりゃ良いんだよ!!」
苛々とテーブルに拳を打ち付けて、デスマスクは頭を抱えた。
常日頃、自分はこんなヘマをやらかすようなドジな男ではないと自負していただけに、デスマスクの受けたショックは相当なものだったのである。
「誰か〜・・・・・・、教えてくれよ〜・・・・・・・」
思わずそう呟いてから、デスマスクはハッと顔を上げた。
これまでは縁のない悩みだと思って考えてみた事もなかったが、こんな時、他の男ならどう考えてどんな結論を出すのだろうか。
「・・・・・・そうだ!」
デスマスクは指を鳴らし、全速力で自宮を出て行った。
そうだった。
この聖域には、男がごまんと居る。
特にこの12宮は、男の園と言っても良い位に暑苦しい場所だ。
彼等に同じ経験があるかどうかは知らないが、もうこの際、縋れるものなら藁にでも稲にでも縋りたい。
デスマスクはその一心で、血よりも濃い絆で結ばれている筈の同胞達から助言を得るべく、12宮の階段を駆け上がった。
「よう。ちょっと良いか?」
とはいえ、事がコトだ。
訊く相手は慎重に選ぶ必要がある。
そこでデスマスクが選んだ相手は、同じ黄金聖闘士の中でも最も馴染みの深いアフロディーテだった。
「構わないが、映画が今良いシーンなんだ。用なら手短に頼む。」
「ああ、すぐ帰る。あのよ、ちょっと訊きてぇんだがな。もしお前の女がさ、お前のガキが出来たって言って来たら・・・・・、お前、どうリアクションする?」
「何だって?」
「もしもだよ!もしもの話!な、お前だったらどうする!?」
するとアフロディーテは、ほんの暫く考え込み、やがて軽く小首を傾げて微笑んだ。
「・・・・・・さぁ、どうしたものだろうね?」
「・・・・・・・」
駄目だ。
映画の続きで頭が一杯で心ここに在らずだからか、軽く流されてしまった。
それにしては彼の微笑が少し意味深だったような気がするが、これ以上取り合って貰えそうにない事だけは確かである。
デスマスクは薄笑いを浮かべて『邪魔したな』と呟き、スゴスゴと双魚宮を後にした。
親友だと思っていた男にあっさり期待を裏切られてしまったが、親友ならもう一人居るのだ。
双魚宮を出た足で、デスマスクは磨羯宮へとやって来た。
「何?俺が女を孕ませたら、だと?」
アフロディーテの時と同じ質問をぶつけてみると、シュラは切れ長の鋭い瞳を益々鋭くしてデスマスクを見据えた。
「・・・・まさかお前、今そういう状況に陥っているのか?この間の女達の中の誰かか?」
「ちっ、違ぇよ!全然違うって!ちょっとした世間話だよ!んじゃな!」
迂闊だった。今回に限っては、シュラを頼ったのは間違いだった。
デスマスクは光の速さで磨羯宮を後にし、こういう話を気軽に出来そうな男を、脳内の12宮名簿を必死に繰って探した。
条件は、話し易くて必要以上にストイックでない男。つまり、女の話題がイケるクチ。
そしてその結果、見事条件に適って浮上して来た男・双子座のカノンは。
「なあカノン、そうなった場合、お前ならどうするよ!?」
「どうもこうも、俺はそんな下手は打たん。」
「いやだから、もし打ったら、の話だよ!」
「そんな『もしも』は有り得ん。だから分からん。」
「・・・・・・・」
デスマスク以上の自信家で、お話にならなかった。
いつもは何かと頼りになる男なのに、今日に限っては全く使えそうにない。
デスマスクは早々諦めると、もう一度脳内名簿を調べ直した。
そして、浮かんで来た次の相談相手に会うべく、折角下って来た12宮の階段を再び駆け上がった。
「はぁ?俺の女が俺の子を身篭ったら、だと?」
「おうよ!お前ならどうする!?」
「俺だったら・・・・・・、ううむ、そうだな・・・・・・」
流石はミロ。条件に適った男だけの事はある。
いきなり突拍子もない質問をぶつけても、ミロは軽く流したり探りを入れたりするも事なく、まともに取り合ってくれた。
「どうって、そりゃあ嬉しく思うだろうよ。俺なら生めと言うな。」
「マジで!?!?」
「当然だ。その女との子供を望んでいたから、出来た訳だろう?その気もないのに子供を作る奴など、普通は居ないからな。」
「・・・・・・だ、だよなあ・・・・・・・」
ちょっとまとも過ぎる位に。
耳が痛くてこれ以上聞いていられず、デスマスクは話もそこそこに天蠍宮を抜け出した。
そして、またまた脳内名簿を繰ってみたが、条件に該当する男はもう見つからず、デスマスクは仕方なく条件を変えて名簿の再検索を始めた。
この際、高望みはしていられない。
ざっくばらんな雰囲気で気軽に相談出来る相手でなくとも良い、多少冷たく感じても完全な第三者となって冷静な状況判断の出来る男、得てしてこういうタイプの男の方が、相談相手としては適役なのではないだろうか。
そう考えて、デスマスクが次に選んだ相手はカミュだった。
「何?子供?」
「そうそう!もしもの冗談話だけどよ、うっかり孕ませちまったら、お前ならどうするよ!?」
「うっかり、か。だったら・・・・」
「だったら!?」
「私なら、女諸共、氷の棺に葬って一切無かった事にするかな。」
「マジで!?!?!?お前ってもしかして俺以上に極悪非道!?!?」
「フフッ、冗談だ。しかし、私にわざわざそんな冗談を言いに来るなんて、珍しい事もあるものだな。何かあったのか?」
「いいや・・・・・、別になーんも・・・・・」
しかし、結果は惨敗だった。
あくまでも冗談を装ってはいるが、本当は人生を左右する大事な相談事、それをあの生真面目なカミュが冗談で、しかも笑えないブラックなジョークで切り返して来るとは、まさかの展開だった。
しかし、このまま挫折する訳にはいかない。
考えてみたら、同じ生真面目でも、何処か掴み所のないカミュよりは全身から男気を発しているストレートで分かり易いキャラクターの方が、まだ幾らか相談し易いというものだ。
そこでデスマスクが選んだのはアルデバランとアイオリアだったが、生憎とアルデバランは今頃、闘技場で兵士達の訓練を監督している最中の筈。
という事で、デスマスクは獅子宮へと向かった。
「なあアイオリア、お前さ、自分のガキが欲しいとか思った事あるか?」
「な、何だ突然・・・・」
「良いから答えろよ、隣のよしみじゃねぇか!」
「何だそれは・・・・・・。ううむ・・・・・、そりゃあ、出来れば愛しいものだろうとは漠然と思うが、今の俺には考えられん事だな。聖闘士88の頂点に立つ者として、我が身の幸せより地上の平和を守らねば。」
「ははっ・・・はー・・・・・、だよなー・・・・・」
しかし、この暑苦しいまでに生真面目な男では、別の意味でだがカノンと同じくお話にならなかった。
やはり、相談する相手が黄金聖闘士しか居ないというのがいけないのだろうか。
皆、幼い頃から闘いに明け暮れて数々の修羅場を潜って来てはいるが、それとこれとは修羅場の種類が違う。
聖闘士としてではなく、一人の男としての人生経験が豊富な者は居ないのだろうか。
いや、居る。一人だけ。
彼の温和な笑顔を思い出したデスマスクは、マッハで天秤宮へと転がり込んだ。
「老師っ!老師老師っ!!アンタならきっと居そうだっ!」
何せ童虎は、二百数十年もの長い時を生きて来た男である。
しかもその殆どを、何かと煩わしい聖域でなく遠く離れた中国・五老峰で、たった一人で過ごして来た。
その長い長い人生の間に、行きずりの娘と束の間の恋に身をやつし、果てしない孤独と過酷な使命を一時でも忘れた経験が、きっと何度かあった筈だ。
そして、その証が密かに実を結んだ事も。
「何がじゃ?突然やって来て、何を騒いでおる?」
「ガキ・・・、いや、お子様ッスよ!アンタ人の3〜4倍生きてるから、実はワンサカ居るんじゃないんスか!?正直に白状して下さいよ、誰にも言いませんから!!」
「ホッホ、何じゃそんな事か。おお、居るとも居るとも。何十人とな。」
「やっぱり!」
デスマスクは思わず拳を握り締めた。
予想していた以上の場数の多さに少し驚いたが、これならきっと参考になる話を沢山聞けそうだ。
「尤も、次々と先立たれて、今では息子と娘が一人ずつ居るだけじゃがの。それはお主も知っておるじゃろう。」
「え」
「紫龍と春麗じゃよ。あの二人の事は、お主もよう知っておるじゃろうが。」
「それ弟子と養女じゃないッスか!!俺は実の子の事を言ってるんスよ!!」
「二人共、儂の実の子だと思うて慈しんで育てて来たのじゃがの・・・・、そうか・・・・・、やはり血の繋がりのない儂は、あの子らの親ではないという事か・・・・・・」
「う゛・・・・・・・」
・・・・・と思ったのだが、参考になる話が聞けるどころか、どうやら地雷を踏んでしまったようだ。
傷付けるつもりはなかったのだが、今は非常時。
珍しく肩を落としてしょげ返っている童虎をそっとそのままにしておいて、デスマスクは一人、そそくさと退散した。
問題は、これでいよいよ相談出来る相手が居なくなった事だ。
後に残った黄金聖闘士達は、この手の相談を持ち掛けるには余りにも気後れする相手というか、気難しい人間というか、気の合わない奴等というか。
とにかく最初は敬遠していたのだが、この際、背に腹は代えられない。
取り敢えず誰でも良いから訊くだけ訊いてみるかという、相手からすれば実に失礼な考えで、デスマスクは渋々白羊宮を訪れた。
「ムウ!ムウムウムウ!!」
「何ですか騒々しい。」
「突然だけどお前さ、自分のガキが欲しいとか思った事ねぇ?」
「本当に、突然来て突然何なんですかその質問は。・・・・一体何の為に?」
只でさえ深刻な悩みを相談しに来たのに、余計に悩んでしまうような難問で切り返されても困るというもの。
しかも、にこりとも笑わない冷ややかな目で一瞥されながらでは、益々うまく言葉が回らない。
敵に回すと恐ろしく厄介な分、こうして仲間で居る以上はとても頼もしい男なのだが、個人的にはどうも気が合わないというか、波長が合わないというか。
だからこの男は苦手なんだと心の中で独り言ちながら、それでもデスマスクは必死で頭を回転させた。
「何の為にって・・・・・、た、例えば・・・・、そう!跡継ぎが欲しいとかよ・・・・・!」
「一応、私には貴鬼という後継者候補が居りますからね。それに、たとえ私の子として生まれても、能力が無ければ牡羊座の黄金聖衣を託す訳にはいきません。」
「あっ・・・そ・・・・・」
カミュに勝るとも劣らない、このクールさ。
言っている事は立派な正論なのだが、それだけに余計釈然としないものを感じてしまう。
二の句が告げずに呆然としていると、向こうからアルデバランが戻って来るのが見えた。
天の助けだ。
デスマスクはムウへの礼もそこそこに、慌しく白羊宮を飛び出した。
「はぁ!?跡継ぎが欲しいと思った事はないか、だと!?」
「そうそう!あるか!?」
一仕事終えて来たばかりのところを捕まえて質問を飛ばすと、アルデバランは怪訝そうな顔をしながらも真面目に取り合ってくれた。
「そりゃあ、俺とていつどうなるか分からんしな。後継者はなるべく早い内に決めて、出来ればこの手で立派な牡牛座の黄金聖闘士として育て上げたいものだが、それと自分の子を持つ事とは別の話なような・・・・・」
「何でだよ!?」
「何でって、娘だったらどうするんだ?俺は自分の娘を女聖闘士にしたいとは思わないからな。」
「・・・・・・・・」
しかし、これもまた真面目すぎた。
つい真面目に考えさせられる話だが、生憎と今はそれ以前の大前提が問題な訳で、それをすっ飛ばしてまだどうなるかも分からない子供の進路問題まで悩んでいられる余裕はない。
デスマスクはアルデバランを解放すると、眼前にそびえ立つ12宮を見上げて重苦しい溜息をついた。
これで残すところはいよいよ2人。
前門のシャカと後門のサガ、果たしてどちらから攻めるべきか。
「よぉシャカ。ちょっと訊きてぇんだが、お前、結婚したいとかガキが欲しいとか思った事ってあるか?」
迷った末に、デスマスクはシャカを選んだ。
選んだというよりは、サガの居る教皇の間とシャカの居る処女宮では、処女宮の方が現在地から近かったから先に声を掛けた、というだけであったが。
「・・・・・・何だね、やぶからぼうに。」
シャカはいつものように瞑想中だったが、デスマスクはお構いなしに声を掛けた。
するとシャカは、不愉快そうな顔をしながら振り返った。
「あったとしたら、君はどう返答する気かね?また逆に、ないと言えばどう反応する?」
「はぁ!?」
「答えたまえ。」
「そりゃあ・・・・・・・・、へぇ・・・・・・・、かな・・・・・・・。」
「・・・・・・なるほど、良く分かった。君の質問の真意は分からないが、私の話は君にとって何の役にも立たん、それだけは確かなようだ。」
「いやおい・・・・、ちょっとリアクション薄かったからってそんな怒んなよ!そんな事ねぇって!」
「私に結婚願望があろうがなかろうが、君には関係ない。それと同じく、君の話も私には関係のない事だ。帰りたまえ。瞑想の邪魔だ。」
「おいこらシャカ・・・・!お前冷てぇ奴だなオイ・・・・!そんな冷たくするんなら、もう飲みとか誘ってやんねぇぞコラーー!!」
デスマスクは些か幼稚な捨て台詞を吐きながらも、シャカに文字通りつまみ出された。
これで残りはラストワン。泣く子も黙る鬼教皇のみだ。
「あのよサガ・・・・・・、お前、そろそろ結婚してガキが欲しいなとか思わねぇ?」
「・・・・・・・何だ急に。」
執務中だったサガは、ペンを走らせる手を止めて、警戒心を剥き出しにした目でデスマスクを睨んだ。
「最初に断っておくが、お前が仲人を務める見合いなど、私はする気はないからな。」
「見合い話なんか持って来たんじゃねぇよ!心配しなくても、お前みたいなややこしい奴を紹介出来る女の心当たりなんかねぇから!只の世間話だよ、世間話!」
「ややこしくて悪かったな。こちらは見ての通りの執務中だ、世間話に付き合う暇はないのだが?」
「そこを何とか、息抜きだと思ってサラッと答えてくれよ!時間は取らせねぇから!」
「私には結婚願望などない。」
「・・・・・・何で?」
「私のこの身も心も、全て女神のものだ。私のものであって、私のものでない。女神の下で、この地上の平和の為に役立てるべく与えられたものだ。それだけでも感謝せねばならないのに、お前達やと過ごすこんな穏やかな毎日をも与えられている。これ以上まだ何かを望むというのは、強欲というものだ。お前もその事をゆめゆめ忘れるな。」
「うぐ・・・・・・・」
「お前のような性根から腐りきった女たらしなら、却ってその心配はないだろうが・・・・・・、もし・・・・・、もし万が一、そこらの女を孕ませて結婚を迫られ、成り行きでデキちゃった結婚するなどと抜かしてみろ。この私自らお前を黄泉比良坂の穴に蹴り落としてやるから、覚悟しておくのだな。」
「そ、そんな事ねぇよ・・・・・、ははは・・・・・、そんな予定皆無皆無・・・・・」
やぶ蛇だった。
もしかすると案外サガの口から何か参考になる話が聞けるかと思ったが、それどころか説教され、挙句に死刑宣告を食らってしまうとは。
これ以上何か言われない内にと、デスマスクは早々に執務室を抜け出した。
「あ〜あ・・・・・・・、ったくどいつもこいつもよ・・・・・・・!」
自宮に帰って来たデスマスクは、ぐったりとソファに身体を沈めた。
この12宮内を上へ下へと随分走り回ったが、結局は出て行く前と同じで何も答えは出ていない。
骨折り損のくたびれ儲けとは、良く言ったものだ。
「あいつらと来たら本当に、ここには馬鹿か朴念仁しか居ねぇのかよ!?人並みに結婚したいとかガキが欲しいとか、そういう事真面目に考えた事ねぇのか!?」
彼等が聞いたら怒りそうな文句を盛大に垂れてから、デスマスクはハッと気付いた。
馬鹿でも朴念仁でもないが、結婚願望や子供が欲しいと思った事がなかったのは、自分自身も同じだという事に。
「・・・・・・・・あれ・・・・・・・・?」
そしてそれは、今でも変わらない筈なのに。
だからこそ、こんな状況に陥った時に彼等ならどうするか、それを訊きたくて訪ねていった筈なのに。
「俺・・・・・、あいつらに何が訊きたかったんだ・・・・・?何を訊いて来たんだ、俺は・・・・・・・」
答えは本当に出ていないのだろうか。
本当に。