お家がない!? 
〜 THE ANOTHER SIDE 〜 

― 磨羯宮編 ―




「シュラ?」

手首を掴まれたが、不思議そうな顔をしている。
シュラはその手を軽く引き寄せると、を胸に抱き込んだ。

「きゃっ!」

が小さく驚きの声を上げる。
シュラは目の前にある白い首筋にそっと触れた。
何度となく目にした部分だが、今日はやけに艶かしく感じる。

「っ・・・・!シュ、シュラ!?何なの急に!?」
「あまり妙な話をせん方が良いぞ。」
「妙?」
「俺を煽ってるつもりか?」
「煽・・・、私そんなつもりじゃ・・・・!」
「知らなかったか?俺も男なんだ。」

ゆっくりとの顎を持ち上げながら呟いた声は、自分でも驚く程低い。

「惚れた女と妙な会話ばかりしていれば、その気にもなる。」
「・・・・・・・・それ・・・・、本当?」
「しゃあしゃあと嘘をつける程、俺は器用じゃない。は?俺が嫌いか?」

シュラの問いかけに、は無言のまま小さく首を横に振った。
これでもう、何も躊躇う事はない。

「なら決まりだな・・・・」

シュラはそれまで辛うじて押し留めていた己の唇を、目の前にあるの唇にゆっくりと重ねていった。





「んっ・・・・・」

首筋にキスを落とされたが、擽ったそうに身を捩る。
シュラは片手でしっかりとを抱え、もう片方の手で服の上から胸を弄った。

「あ・・・・」

掌で円を描くように撫で回していると、ふわりと柔らかい感触が徐々に変化してくる。
膨らみの中央が硬くなってきたのを掌で感じ取ったシュラは、一旦そこで手を止めてを見つめた。

「・・・・本当だ。浮いたら目に付くな。」
「ばっ・・・・、そんなにじっと見ないでよ!」

頬を染めて恥らうの、胸の辺りには確かに小さな突起が二つ浮き出ている。
まだ肌はどこも露出していないのに、何故これ程扇情的に感じるのだろう。
のこんな姿は誰にも見せたくない。
明日の執務は、無理にでも休ませてしまおうか。
そんな事を考えながら、シュラは口の端を吊り上げて言った。

「馬鹿とは随分だな。それにどうせ今から全部見られるのだから、そんなに恥ずかしがらなくても良いだろう。」
「そ、そんな問題じゃ・・・・」
「分かった分かった。良いから腕を上げろ。両方。」
「・・・・こう?」

軽く万歳の体勢を取らされたは、そのまま一気にシュラの手によってトレーナーを剥ぎ取られた。
急に触れた外気に、は僅かに身を震わせる。

「寒いか?」
「ううん、大丈夫。」

近くにあるストーブは、十分とはいえないまでも、凍えない程度には室内を暖めている。
平気そうな様子のに小さく笑いかけると、シュラはソファから降り、の前に膝立ちになった。
そして座っているの身体を可能な限り自分の方へ抱き寄せ、開かせた両脚の間に己の身を割り込ませた。

「あっ・・・・・」

シュラに取らされた体勢に一瞬恥らったのも束の間、は胸に湿った感触を覚えた。
それがシュラの舌である事は、反射的に胸を見下ろした時点ですぐ分かった。

「ふ・・・あ・・・・・」

シュラの舌は、乳房の中央で縦横無尽に蠢いている。
見れば恥ずかしくなるのは分かっているのに、は何故か何度もその光景に目をやらずには居られなかった。

「んっ、あん・・・・」

左右交互に舌で転がされ、吸い付かれる度に、甘い疼きが身体を走る。
灯りの下でシュラのその愛撫を目の当たりにしながら、視覚・触覚両方から苛まれたは、どんどん悦楽の海に溺れていった。




「はっ、あ・・・、シュ、ラ・・・・」

肩を掴むの手に力が篭ってきている事に気付き、シュラは胸への愛撫を少し緩めた。
その代わりに、片手を身体の隙間から差し込み、コットンパンツの上から指で秘部をなぞり上げた。

「んんっ!」

びくりとの身体が震える。
触れた其処は、もう指先ではっきりと分かる程湿りを帯びていた。

「・・・・また着替えが必要、だな?」
「ばっ・・・・・・・、言わないで・・・・!」
「ふっ、さっきから馬鹿馬鹿と悪態ばかりだな。」

シュラはわざと呆れたように笑って、の脚からコットンパンツを抜き去った。
脱がせたパンツの中央はぐっしょりと湿っており、がどれ程快感に呑まれていたかを無言の内に語っていた。

「もうこんなに濡れてる。後で本当に着替えが要りそうだな。」
「うぅ・・・・、ごめんなさい・・・・」

借り物の服を汚した事に申し訳なさを感じているのか、は泣きそうに思える程か細い声で謝った。
だがその必要はない。
シュラとしては嫌などころか、益々興奮を呼び起こす状態だからだ。

シュラは座ったままのの両膝を大きく左右に押し広げると、その中心に顔を埋めた。
その途端目の前に現れた花弁は、既にたっぷりと蜜を滴らせ、誘うように戦慄いている。
その官能的な光景に更なる劣情を催したシュラは、熱い花弁に口付けた。

「謝るな。服などどうでも良い。」
「あっ、あ、やぁッ・・・!」

花弁に熱く吹きかかる吐息の擽ったさと、先程とは比べ物にならない羞恥的な体勢に狼狽して、は身を捩って抵抗した。
だがシュラには一切通じず、はされるがままになるより他なかった。



「あふっ!んっう・・・、くぅッん・・・!」

湿った淫らな音が聞こえる。
シュラの舌は花弁や花芽を舐め回し、気の遠くなりそうな快感を与えてくれる。
は最早羞恥する事も忘れて、シュラの頭を両手で押さえ込んだ。

「あん!シュラぁ・・・・、そ、こ・・・・、駄目・・・・・・!」
「・・・・・・ここか?」

泉を舌先で突付くと、は殊更甘い声を出してよがった。
其処は、駄目という割には物欲しそうに蠢いている。
となれば勿論止める筈もなく、シュラは泉にゆっくりと舌を沈めていった。

「あ、あ、あ・・・・、や、ぁ・・・・ッ!!」

熱い塊が内壁をなぞる。
その感触に背筋まで蕩かされて、は小刻みに身体を震わせた。
腰に力が入らず、座っているのもままならない。

「あ、んっ、ぁっ・・・・・!」

次第に姿勢が崩れて倒れ込んでいくを、シュラは更に攻め立てた。
舌を差し込んでいた所に今度は指を滑り込ませ、深く強く掻き回す。

「やんっ、あ、あんッ!」

熱い蜜でシュラの手を濡らして乱れるの嬌態に当てられ、我慢の限界がきていたシュラは、仕上げとばかりに屹立した花芽を強く吸った。

「ひっっ・・・・・!!」

強い力で花芽を吸引されたは、声にならない声を上げて咥え込んでいるシュラの指を力一杯締め付けた。





ソファの背もたれに寄りかかるようにして、が肩で息をしている。
休ませてやりたいのは山々だが、それは無理な相談だった。
せめて体勢ぐらいは楽にさせてやろう。
そう思ったシュラは、ぐったりとしているの身体を反転させ、ソファの背もたれを抱えさせた。

「そこにしがみ付いていろ。辛くないか?」
「ん・・・・、平気・・・・」
「よし、ちょっと待っていろ。」

背もたれを抱えたままペタンとソファに座り込んだをそのままに、シュラはローボードの引き出しを開けた。
そしてそこから避妊具を1つ取り出すと、自らも手早く衣服を脱ぎ捨て、脈打つ自身に避妊具を着けた。

「ほら、腰を上げるんだ。」
「うん・・・・」

背後からシュラに促されたは、気だるげに腰を浮かせ、ソファに両膝をついた。
蜜を滴らせた秘部が、僅かにシュラの眼前へ晒される。
その光景に息を呑みつつ、シュラは柔らかな腰の曲線を両手で掴んだ。

「あっ、んあぁ・・・・!!」

シュラが侵入を果たしたその途端、の声がまた蕩けるような甘さを取り戻す。
その声を引き出そうとするかのように、シュラは奥へ奥へと突き進んでいった。

「あっぅ、あ、はぁッ、あっ!」

衝撃が強いのか其処に弱い部分があるのか、奥を突く度にの声が切なく濡れている気がする。
自身に伝わる内壁の僅かな痙攣が、早くもの絶頂が近い事を物語っていた。
だが、まだ其処へ押し流すのは勿体無い。

「シュ、ラ・・・、あっ、も・・・・」
「まだもう少し・・・・、辛抱しろ・・・・」
「ふぁっ!」

シュラは律動を浅く小刻みなものに変えると、の背に上体を重ねた。
勿論、体重をかけてはが崩れ落ちてしまう。
背もたれを掴む片手と、ソファについた片膝を支点に身体を安定させたシュラは、空いた片手で揺れるの胸を弄り始めた。



「やっあ、ん、あんっ・・・・!」
・・・・」
「ぅあっっ!!」

突如耳に吹き込まれたシュラの声に、は背筋を反らせて喘いだ。
身体深くに埋め込まれた楔も、胸の先端を捏ねる指先も、低い囁き声までもが、痺れるような快感をもたらす。

・・・・・」
「っあ、はぁッ!シュ、ラ・・・・」

横顔を覗き込むと、も潤んだ瞳で見つめ返してくる。
巷に『媚薬』と称される物は数多く存在するが、シュラにとってはのこの表情が何よりの媚薬だった。
もう頭で何処をどう刺激するなど、冷静に考える余裕はない。
柔らかい耳朶を甘く噛むのも、指に触れる胸の突起を摘むのも、隙間もない程自身を深く穿つのも、全て身体が勝手に動くのだ。
どの部分からも伝わってくる快感を貪る為に。

「いっ・・・!あ・・・・!」

それはも同じで、シュラの一挙一動に昂っていた。
たとえば、声が詰まる程の強い快感に呑まれて零れ落ちた一粒の涙。
それがシュラの唇に吸い取られていく感触ですら、えもいわれぬ心地良さをもたらすのだ。

・・・・!」
「あふっ!ぅ・・・・む・・・・」

赤く濡れた唇を貪るように奪い、舌を吸っていると、自身を締め付ける圧力がより強くなってきた。
薄い障害壁越しにも、それがはっきりと分かる。
もう全てを解き放ちたい欲望にかられたシュラは、最後にひとしきりの唇を吸うと、おもむろに顔を離してまたの腰を両手で抱えた。


「んあっ!!あっ、あっ、はぁッん!!」

身体同士がぶつかる乾いた音を立てながら、シュラは猛然と腰を振るった。
は先程のキスの名残を唇の端にしたためながら、揺らされるまま喘いでいる。

「あんっ、シュラっ!ぃやッ、あんんッ・・・・!」
「くっ、・・・・・!」
「あうぅッッ・・・・!!!」

二人は意識が混濁するまで互いを求め、揃って絶頂へと駆け抜けていった。





、一つ良い方法を思いついたぞ。多分これがベストだ。」
「何?」
「明日は休め。着て行く服がなければ仕方ないだろう。」
「え!?貸してくれるんじゃなかったの!?」
「どう考えても、それだと確実に絡まれるぞ?」
「うっ・・・・」
「その点、ここから出なければ服の心配は要らん。何しろ着なくても良いんだからな。」
「ばっ・・・!」
「くくっ、だから馬鹿と言うなというんだ。」

シュラの提示したベストな方法は、結局半ば強制的に採用される事になったのだが。
が本当に一日何も着ずに過ごしていたのかどうかは、定かではない。




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後書き

今回は、表のある部分から派生させた話にしてみました。
ある意味ストレートな仕上がりかと。
あのしょーもないネタをここまで引っ張るか?
という気がしないでもないですがね(笑)。