暖けぇ・・・・・・・
何だ、コレ・・・・・
間柴は、薄らと目を開けて、自分の腕の中にあるものに目をやった。
あぁ、そうだった。
昨夜はこいつと・・・・・。
腕の中のは、気持ち良さそうに眠っている。
自分が暖かいと感じたものは、の身体だった。
触れ合っている肌が心地良くて、起こさない程度に腕の拘束を強める。
眩しい朝日が、カーテンの隙間から自分達に降り注ぐ。
こんなに優しい気持ちで目覚めたのは、初めてかもしれない。
間柴は、腕の中で眠るの寝顔を見つめつつ、柔らかな眠りの余韻に浸った。
幸せな夢を見た。
暖かくて、心地良くて、とてもとても幸せな。
「ん・・・・・」
ぼんやりと目を開けると、間柴の肌が見えた。
「・・・・起きたか。」
声のする方へ目線を向けると、間柴が自分を見ていた。
「・・・おはようございます。」
「・・・・・あぁ。」
いつものぶっきらぼうな口調と自分を抱く腕の温かさがひどくアンバランスで。
おかしさと嬉しさに、は間柴の腕の中で笑みをこぼした。
「・・・・なに笑ってやがんだ。」
「・・・ふふっ、何でもないです。」
憮然とした口調とは裏腹に、未だ自分を離さない腕が嬉しくて、は間柴の裸の胸に顔を埋めた。
ありったけの愛しさを込めて。
自分の腕の中で微笑むに、昨夜の事が現実だったと改めて感じさせられる。
愛しくてたまらなくて、すり寄って来るを強く抱きしめる。
「あったかい・・・・。また眠くなりそう・・・・。」
「まだ寝る気か?」
「いいえ、もう起きます。」
ゴソゴソと動き出したを開放してやると、身体を起こして脱ぎ散らかした衣服を着け始めた。
「お風呂入れますね。ゆっくりしてて下さい。」
「あぁ。」
てきぱきと動くの後姿をしばし見つめた後、間柴も起き上がって適当に衣類を身に着けた。
寝起きに程よい温度の風呂に浸かってさっぱりした後、の用意した朝食を二人で食べた。
「これからどうします?」
「・・・、どうしたい?」
「ん〜、とりあえず閉じこもってるのは嫌です。」
「・・・・じゃあどっか出掛けるか。」
「はい!」
出掛ける支度を始めたを待ち、一緒に外へ出る。
「さー、どこへ行きましょうか?」
「どこでもいい。」
「それが一番難しいんですよ!」
「なら駅に行くぞ。そっから先は着いてから考える。」
「そうですね。」
自分の横を歩くの手を取って歩く。
いきなり手を掴まれたが、一瞬びっくりした顔をするが、すぐに笑顔になって繋いだ手を握り返してくる。
この温もりを、決して離したくはない。
この笑顔と共にありたい。
心からそう思う。
明るい日差しが、幸せな二人を祝福するように降り注ぐ。
今日もきっと、素晴らしい一日になるだろう。