A.84 輸血検査(血液型・不規則抗体)に関する最近の統一した表記、表現などについて(2009.09.17)

血液抗原の表記について
従来:ABO式血液型、Rh式血液型
現在:ABO血液型、Rh血液型

従来:Rho(D)陽性
現在:RhD陽性

表記する際に注意を要する血液型
誤:Jra+
正:Jr(a+)

誤:JMH(-)
正:JMH -

誤:Di(a+)
正:Di(a+b+)


抗体の表記(英語の場合)
正:例)anti-A anti-IgG

抗体の表記(日本語の場合)
従来:例)抗E抗体
現在:例)抗E

 従来は、「抗E抗体」と表記されている出版物が多かったのですが、最近は、「抗○」と表記するのが一般的です。
個人的には、日本では「抗○抗体」と表記しても問題ないように思います。血清分野では、抗CCP抗体や抗DNA抗体、抗血小板抗体などと表現しますので、むしろ臨床医はその方が「抗体」と分かりやすりように思うのですが....?。
また、肝炎検査では、HBs抗体、HBc抗体、HCV抗体と表記することを考えればE抗体と表記することは問題なのか..?
いずれにしても、今後、全国的に統一されていくと思います。
現時点では、「抗○」と表記されておくことをお勧めします。

その他雑学的なこと(文献等で確認しておりませんのでご了承下さい)
Q.Rh系の抗原、抗体の発音はラージかビッグ、スモールかリトルどちらが良いのか?
A.Bigとlittleで発音する
例)E(ビッグイー)、c(リトルシー)

Q.Duffyはなぜ、Duと表記されないのか?
A.先に表現されていたRhのDuと紛らわしいため。
正:例)Fy(a+b-)

Q. Kiddはなぜ、Kと表記されないのか?
A. KellのK(K-K+)と紛らわしいため。
  KiddによるHDNの初報告の子供さんの名前がJohnであったためJkとなった。
正:例)Jk(a+b+)