Q79.ブロメリン法で増強される抗体に、必ずKidd系と書かれているのですが、
経験上Lewis系の抗体がよく検出されます。ブロメリンの説明書にも書かれていないのですが、
本当にKidd系で間違いないのでしょうか?

A79.
普段、不規則抗体検査でよく検出される抗体には、通常、Rh系やLewis系が多いかと思います。
そのため経験上、Kidd系よりも、Lewis系が良く検出されるように感じるかもしれません。検出確率の問題もあるのかな...?
また、ブロメリン法は1段法よりも2段法で行うと検出感度が上がります。

私の経験でも、酵素法(当院ではカラム凝集法のフィシン法)は、Rh系とLewis系の抗体の検出率が高いです。
ご質問に対する回答をするには、Kidd系の抗体を検出した時に、
ブロメリン法と抗グロブリン法とでどちらが抗体価が高いか(感度がよいか)比較してみる必要があるかと思います。
また、以下の論文では、PEG抗グロブリン法は、ブロメリン法のようにRh系とKidd系の抗体検出率が良いと報告されています。
ご参考までに。
http://www.yuketsu.gr.jp/gakkaishi/53-4/053040463.pdf

追加情報
先日、当院で抗Jka抗体保有の患者さんの不規則抗体検査がありました。
1週間前にカラム法のクームス法で(W+)、フィシン法で(陰性)でした。
本日は、カラム法では両方法とも陰性になりましたが、PEG-クームス法ではホモ血球Jk(a+b-)との反応が(2+)になりました。
Kidd系の抗体の検出には酵素法よりもPEGクームス法が良さそうです。