Q76
輸血前後の感染症検査項目は以下のようになっております。

輸血前 B型肝炎 HBs抗原、HBs抗体、HBc抗体
     C型肝炎 HCV抗体、HCVコア抗原
     HIV    HIV抗体

輸血後 B型肝炎 核酸増幅検査(NAT)
     C型肝炎 HCVコア抗原
     HIV    HIV抗体

輸血する全例に上記全ての検査を完全に実施することが難しい場合は、
輸血前の検体(血清または血漿)を保存しておけば、遡及調査の際に対応可能になると思います。
検体保存方法は、専用採血管で保存するか、クロスマッチ用検体などを、検査前に、
ディスポスポイドで凍結保存が可能な容器に入れて−20℃以下で保存をしておきます。
(保存検体は、核酸増幅検査に備えてコンタミネーションを避けるために
必ず、検査前にディスポスポイドで分注する必要があります。)

多くの施設では、手術前や入院時に感染症検査を実施されていると思いますが、
HBc抗体、HCVコア抗原、HIV抗体、などの検査が一部実施できていないケースも多いと思います。
そのため、上記全ての検査を実施できていない場合は、
遡及調査に備え輸血前の検体を保存されておくことをおすすめします。


参考資料
http://www.jrc.or.jp/mr/trans_pdf/0501-87.pdf
http://www.bpro.or.jp/news/article.php?tp=&id=551&pg=