A6.

抗体が存在していても検査方法の検出感度以下であれば抗体をみつけることができません。
そのため抗体スクリーニングは、なるべく高感度な検査方法で実施するのが良いでしょう。
最近の抗体スクリーニング検査で陰性になったのは、抗体価が低くなったためか、または、
手術中に大量に輸血や輸液された影響で患者血清が希釈されていて検出できていない可能性もあります。

今後この患者さんに赤血球製剤輸血の必要が出ましたら抗体スクリーニングが陰性であっても
e抗原陰性血を輸血して下さい。
(できればRhのタイプは患者さんと合わせて輸血した方が、さらに良いのですが、
輸血前に患者さんのRhタイプは調べてありましたでしょうか?多分ccEEだったのではないでしょうか?)
ランダムに輸血をしてe抗原陽性血を輸血すると2次応答的に抗体価が上昇し、
DHTR(遅発性溶血性輸血副作用)を起こす可能性があります。
ちなみにe抗原陰性の頻度は9%です。