A57. 冷式抗体の疑い?

追加情報
血液型 B型、Rh(D)陽性
3ヶ月以内に輸血歴あり。
パネル血球との反応
生食法自己対照以外W+〜1+。ブロメリン法自己対照以外すべて2+〜3+。
PEG法わずかにざらつくが陰性でも良いくらい。

自己対照の生食法を4℃にすると3+くらいになって、再び加温すると陰性になる。

冷式抗体の吸収操作
冷式抗体吸収後に冷却遠心して、念のため試薬血球浮遊を生食浮遊にしたら
スクリーニングは陰性でした。


コメント
血液型に関係なく反応するなら抗I(参考ページ 寒冷凝集)でしょうが、
血液型により反応が異なるなら抗Hや抗IH抗体を推測することができます。
患者同型とは反応せずスクリーニング血球(O型)とのみ反応するなら抗Hでしょうか?

いずれにせよ、クームス法は陰性で冷式抗体吸収後に抗体スクリーニングが陰性になりましたので、
(一般的には25℃以下で反応する抗体は臨床的意義が低いとされていますので)
輸血に関しては大きな問題はないのではないでしょうか?

最終更新日2009.06.20