抗D被凝集価測定は必要なのでしょうか?

A34.
抗D被凝集価測定は患者さんが輸血を受けられる場合、
D陽性血かD陰性血かを選択するための重要な検査でした。
そのため、血液センターさんでは現在でも「Du」の判定が残っているようです。
献血して下さった方に対して「あなたは輸血の際、
D陰性血を輸血してもらう必要がありますよ!」と伝えるためにです。
しかし、旧厚生省の指針で「D陰性確認試験は行わないと」示され、
weakD(Du)かpartialDかなどの判定はしないでD陰性血を輸血するとなりました。
確かに輸血に関してはこの方が安全です。
また、『輸血検査の実際 改訂版』ではDuの表現が無くなり
抗D被凝集価測定法は掲載されておりません。

但し、検査結果を報告するためにD陰性確認試験は必要となります。
検査結果としては「D陰性」か「弱陽性D」かの判定をしておけば良いのではと思います。
臨床医にもそのあたりを伝えておかれればと思います。
ちなみに、weakDかpartialDかを区別をするためには、
何種類かの抗D血清が必要となりますので、どの施設でもできる検査ではありません。
正確な判定をされるのであれば(抗D血清を何種類もお持ちでないのであれば、)
やはり、一度血液センターさんに相談されてみてはいかがでしょうか?