「Du」という表現は今は無くなったのでしょうか?

A33.
6年前(1997年)に発売されました『血液型と輸血検査』にはDuの表現があります。
しかし、35ページに「現在はweakDと表現されるようになっている」と記載されております。
4年前(1999年)に発売されました『スタンダード輸血検査テキスト』にも
Du(weakD)という表現があります。
この本の中ではD抗原の抗原量が少ないものをDu(weakD)と表現され、
2つは、ほぼ同義語として取り扱われています。
さらに、この本の44ページには「アメリカではDuはもはや過去の用語として取り扱われ、
weakDという表現が用いられている。」となっております。
昨年(2002年)5月に発行されました『aaBBテクニカルマニュアル13版(日本語版)』の324ページには
「Duという用語はすでに使われていない。」と記載されております。
昨年(2002年)11月に発売されました『輸血検査の実際 改訂版』では
Duの表現が無くなりました。弱陽性Dの中にweak Dとpartial Dが含まれています。

以上のことからここ数年で「Du」という表現が徐々になくなってきているように思います。
しかし、血液センターさんでは「Du」の判定が残っているようです。
献血して下さった方に対して
「あなたは輸血の際、D陰性血を輸血してもらう必要がありますよ!」
と伝えるために「Du」は現在も使われている基準であるとのことです。
(ちなみに、被凝集価が対照と比べて4管差以上あっても、D陽性血で供給されているようです。)

確かに、間接抗グロブリン法で陽性になり、
被凝集価が対照(R1R2)と比べて4管差以上あれば
従来の定義からいいましてもDuと表現されても問題ないかと思います。
もちろん弱陽性DやweakDと表現されても問題ないと思います。

雑学コーナー
Duの「u」は何の略号でしょうか?
傘の「umbrella」から来ている、また、unknown(未知の,不明の)から来ているという説もあります。
ちなみにDelの「el」は、抗D吸着解離試験によってこの血液型が確認されることから
「elution」の el を用いて表記されているようです。