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かなりキツイ寒冷凝集のようですね。
原因はおそらく冷式の自己抗体(多いのは抗I、抗IH抗体などのIgM型抗体)によるものでしょう。

対策についてですが、このようなケースでは、採血で使用する器具類(シリンジやスピッツ)を
孵卵器などであらかじめ37℃に加温して採血する必要があるかと思います。
しかし、この症例のような強い寒冷凝集の方の場合は、どのような対策をとっても凝集してしまうかもしれません。
(私も経験したことがありますが.....。)
とりあえず、少しでも凝集が起こらない(弱くなる)対策をとって検査を進めるしかないと思います。

それから、直接クームス試験の際に、洗浄操作で使用する生理食塩水は必ず37℃に加温して使用して下さい。
また、クームス血清は多特異クームスだけではなく、できれば抗IgG、抗補体血清を用いて
それぞれのクームス血清との反応が比較できれば血球に感作されているものの鑑別に良いかと思います。

また、高力価の抗I抗体保有時には同種抗体が一緒に赤血球と結合してしまう現象
「松橋・緒方現象」にご注意下さい。

参考ページ
寒冷凝集

最終更新日2009.06.20