A2.

DT解離液は市販品があります。A社の製品は有効期限がありません。

DT解離は、赤血球にくっ付いているIgG抗体を剥がすための操作です。
DT解離は、DAT陽性時の原因検索のために行い、
特に、患者さんに溶血所見(DHTR、HDN)が認められる時に重要な検査となってきます。
解離液が十分に得られた場合は、パネル血球+Dia血球で検査されれば、
より丁寧な(抗体同定しやすい)検査になるかと思いますが、
解離液が十分に得られない(貧血患者さんで十分に血球が得られない)こともありますので、
まず、スクリーニング血球+Dia血球で検査をして、その結果から、抗体を推定して、
必要な追加血球を(パネル血球等から)選択して検査されればと思います。
また、ABO不適合HDNが疑われる症例では、A血球またはB血球との反応の確認が必要になってきます。
ABO不適合HDNの場合、DAT陰性であっても解離液中から抗Aまたは抗B抗体が検出されることがあります。
輸血後に溶血所見が認められた(DHTRを疑う)場合は、通常、A血球またはB血球は必要ないと思われますが
人血清由来の製剤・薬剤(グロブリン製剤など)を投与されている患者さんに
溶血所見が認められた場合は、(製剤・薬剤中に抗A・抗B抗体が含まれている可能性がありますので)
A血球またはB血球が必要になってくることがあります。